本 2021

スペース 加納朋子

●スペース 加納朋子 加納朋子の駒子シリーズの第3作。2章立ての長編。 1章では、前作終わりのクリスマスから1週間ほど経った大晦日、駒子は瀬尾さんと意外なところで会い、手紙を読んで欲しいと頼む。その手紙とは10数通ある一方通行の手紙だった。そこに書…

幻獣遁走曲 倉知淳

●幻獣遁走曲 倉知淳 倉知淳の猫丸先輩シリーズの短編集2作目、長編があるためシリーズとしては3作目。 「猫の日の事件」「寝ていてください」「幻獣遁走曲」「たたかえ、よりきり仮面」「トレジャーハント・トラップ・トリップ」の5編。 短編集としての前作…

家康(六) 小牧・長久手の戦い 安部龍太郎

●家康(六) 小牧・長久手の戦い 安部龍太郎 前作に続き6巻目にて現時点でのシリーズ最終作。章立ては、変の真相、甲州合戦、北条との和解、近衛前久、宿敵秀吉、家康圧勝。 本能寺の変直後、命からがら三河へ戻った家康。その後配下の者からの情報で変の真…

魔法飛行 加納朋子

●魔法飛行 加納朋子 加納朋子の駒子シリーズの第2作であり、4編からなる短編集。 前作で正体?が明かされた瀬尾へ主人公駒子の手紙が書く形で小説を書き始める。題材は前作と同様、彼女の周りで起きた不思議な出来事。学校で知り合った偽名を使う女性、美容…

本所おけら長屋 十六 畠山健二

●本所おけら長屋 十六 畠山健二 「くらやみ」 同心伊勢平五郎はお美弥を密偵として夜鷹殺しの囮捜査をしていた。お里は出先で足を怪我しお美弥に助けられおけら長屋に送ってもらう。怪我が治り、お里はお染とお美弥の住む長屋にお礼に行く。そこでお染はお美…

ななつのこ 加納朋子

●ななつのこ 加納朋子 加納朋子の駒子シリーズの第1作であり、7編からなる短編集。 短大に通う入江駒子は「ななつのこ」という小説のファン。この小説は主人公の少年はやてが体験する謎を知り合いの女性あやめが解くという話の短編集。駒子は彼女の身の回り…

家康(五) 本能寺の変 安部龍太郎

●家康(五) 本能寺の変 安部龍太郎 前作に続き5巻目。章立ては、信忠の予感、安土城、信長死す、伊賀越え、正信帰参、甲斐と信濃。 家康を始めとする信長配下の武将たちは信長に安土城へ呼ばれる。家康は周りから安土城へ行くのは危険だと言われながらも安…

家康(四) 甲州征伐 安部龍太郎

●家康(四) 甲州征伐 安部龍太郎 前作に続き4巻目。章立ては、遠州出陣、勝頼の罠、高天神城、落城、武田家崩壊、信長最後の旅。 前作最後で信長から息子と妻の自害を命じられた家康が、二人を失う。そしてその仇である勝頼を倒し武田家を滅亡させる。信長…

過ぎ行く風はみどり色 倉知淳

●過ぎ行く風はみどり色 倉知淳 倉知淳の猫丸シリーズ第2作で、前作と異なり長編。 仕事を隠居した老人が屋敷の離れで殺害される。家にいたのは、老人の子供とその家族、怪しい霊媒師、霊媒師を偽物と疑う大学院生。霊媒師が殺された老人の霊を呼び出す降霊会…

日曜の夜は出たくない 倉知淳

●日曜の夜は出たくない 倉知淳 カズレーザーがオススメの本という事で読んでみた。例の「五十円玉二十枚の謎」がらみでデビューした作家さんらしい。 7編プラスαある短編集。 とにかく話の組み立てが独特であり、思わず引き込まれてしまう感じ。短編ごとに様…

家康(三) 長篠の戦い 安部龍太郎

●家康(三) 長篠の戦い 安部龍太郎 前作に続き3巻目。章立ては、再起への道、信玄死す、勝頼南下、長篠の戦い、戦の後、伯父信元。 前作最後で、三方ヶ原の戦いで敗れた家康。武田の動きを恐れるが、武田側から和睦の申し入れが行われるが家康は拒否、信玄…

センセイの鞄 川上弘美

●センセイの鞄 川上弘美 ツキコさんは常連となっている居酒屋でセンセイと出会う。彼は高校時代の恩師だったが、高校時代はさほど印象に残る先生ではなかった。居酒屋で頻繁に会うようになり、お互いの好みも似通っていた。 居酒屋以外でも会うようになり、…

家康(二) 三方ヶ原の戦い 安部龍太郎

●家康(二) 三方ヶ原の戦い 安部龍太郎 前作に続き2巻目。章立ては、決断、今川滅亡、上洛、姉川の戦い、信玄と信長、三方ヶ原。 家康と信玄の戦いに焦点を当てた第2作。信玄からの一緒に今川を叩こうという誘いが来るところから話はスタート。家康は信玄と…

鬼滅の日本史 小和田哲男

●鬼滅の日本史 小和田哲男 戦国武将のことを勉強するために、小和田さんの本を探していて偶然見つけた一冊。 昨年大ヒットした鬼滅の刃に便乗したと思われる(笑 しかし「鬼滅の刃」関連の絵、イラストなどは一切なし。それでも内容はなかなか面白かった。 …

死体ばんざい 星新一YAセレクション

●死体ばんざい 星新一YAセレクション オー・ヘンリーの短編集を読み終えたが、同じ出版社の和田誠さんのイラスト付きの星新一さんのセレクションがあるのを知ったので早速読んでみた。 12編の短編。「YAセレクション」の「YA」は「ヤングアダルト」のことら…

家康(一) 信長との同盟 安部龍太郎

●家康(一) 信長との同盟 安部龍太郎 戦国時代のことを知りたくて、ここのところ小和田哲男さんの本などを何冊か読んでいるが、やはり小説を読むのがわかりやすいだろうということで読み始めたシリーズ。 章立ては、出陣、桶狭間、大樹寺、清洲同盟、築山殿…

カラット探偵事務所の事件簿3 乾くるみ

●カラット探偵事務所の事件簿3 乾くるみ シリーズ3作目の短編集。前作に引き続き本作も7編。 「秘密は墓場まで」 古谷の同級生が父親の墓参りをするが、誰かが先に墓参りをしていた。心当たりのない同級生がその正体を確かめることを依頼してくる。ポイント…

暁 武者小路実篤全集 第十巻より

●暁 武者小路実篤全集 第十巻より 吉元小次郎は四十何年絵だけを真面目に描き続けてきた老画家。娘の春子からは大きな絵を描くように勧められるがそれを拒んでいた。昔からの友人で画家の村野は一流の画家になっておりその絵も高く売れていたため、春子は父…

劇場の迷子 戸板康二

●劇場の迷子 戸板康二 歌舞伎界の老優中村雅楽シリーズの4冊目にして最後の短編集。前作よりも多い28話の短編が収められている。作品発表は1977年から1991年まで。 前作よりさらに多い28話もあるが、中には数ページの超短編もある。全体的にこれまでよりも1…

大図解 戦国史 小和田哲男

●大図解 戦国史 小和田哲男 戦国時代のことをちゃんと学ぼうと思って読んだ1冊。同じ著者の子供向けの本「戦国大名の大常識」も合わせて読んだ。 日本史に圧倒的に弱いので、時代小説を読んでいてもちょっとチンプンカンプンなことがある。先日読んだ「目黒…

赤い酋長の身代金 オー・ヘンリー ショートストーリーセレクション

●赤い酋長の身代金 オー・ヘンリー ショートストーリーセレクション オーヘンリーの全7編からなる短編集。特に良かったものを1つ。 「ありふれた話」 新聞記者の私の元へ酒代欲しさにトリップがやってくる。彼は田舎から出てきた初恋の相手を探しにNYへやっ…

目黒の狂女 戸板康二

●目黒の狂女 戸板康二 歌舞伎界の老優中村雅楽シリーズの3冊目の短編集。前作よりも多い23話の短編が収められている。 前作から引き続き、「日常の謎」シリーズと言えるものが多い。巻末の解説によれば、冒頭の2作品が1968、69年発表の作品であるが、それ以…

千ドルのつかいみち オー・ヘンリー ショートストーリーセレクション

●千ドルのつかいみち オー・ヘンリー ショートストーリーセレクション オーヘンリーの全7編からなる短編集。特に良かったものを1つ。 「緑のドア」 真の冒険者ルドルフは街を歩いている時に黒人男が歯医者のビラを配っているのを見かける。しかしルドルフが…

マディソン街の千一夜 オー・ヘンリー ショートストーリーセレクション

●マディソン街の千一夜 オー・ヘンリー ショートストーリーセレクション オーヘンリーの全8編からなる短編集。特に良かったものを2つ。 「あやつり人形」 医師ジェームズは開業医として成功していたが、天才と呼ばれた金庫破りでもあった。ジェームズが仲間…

グリーン車の子供 戸板康二

●グリーン車の子供 戸板康二 歌舞伎界の老優中村雅楽シリーズの2冊目の短編集。前作同様18話の短編が収められている。 前作で書いたように、乾くるみさんの本の紹介で読み始めたのだが、前作は紹介にあった「日常の謎」とは少しかけ離れていた1冊だった。し…

最後のひと葉 オー・ヘンリー ショートストーリーセレクション

●最後のひと葉 オー・ヘンリー ショートストーリーセレクション オーヘンリーの全8編からなる短編集。特に良かったものを2つ。 「最後のひと葉」 スーとジョンシーは同居する若い芸術家。ある時ジョンシーが肺炎にかかってしまう。スーは医者からは彼女が助…

本所おけら長屋 十五 畠山健二

●本所おけら長屋 十五 畠山健二 「はるざれ」 尾形清八郎がおけら長屋へやってくる。清八郎は島田の元の奉公先黒石藩の家臣で、以前おけら長屋の万松と吉原に行き、実家の下男の娘お葉と出会っていた(おけら長屋 五)。清八郎はお葉を身請けするための20両…

賢者の贈り物 オー・ヘンリー ショートストーリーセレクション

●賢者の贈り物 オー・ヘンリー ショートストーリーセレクション オーヘンリーの全8編からなる短編集。特に良かったものを2つ。 「賢者の贈り物」 クリスマスを迎える若い夫婦。妻は金がないため夫へのクリスマスプレゼントに自分の自慢の長い髪を売って、夫…

顔のない男 北森鴻

●顔のない男 北森鴻 乾くるみさんの「蒼林堂古書店へようこそ」を読み、その中で短編集でありながらそれぞれの短編がつながっている、と紹介されていた一冊。 北森鴻の本は以前、香菜里屋シリーズを読んだことがある。自分のブログを調べたが、このブログを…

團十郎切腹事件 戸板康二

●團十郎切腹事件 戸板康二 乾くるみさんの「蒼林堂古書店へようこそ」を読み、その中で「日常の謎」の元祖として紹介されていた一冊。歌舞伎界の老優中村雅楽が探偵役の短編集。18話の短編が収められている。 紹介にあったように「日常の謎」を楽しもうとし…