アラバマ物語

●035 アラバマ物語 1962

 グレゴリーペック主演のモノクロ映画。1932年のアメリカの田舎町が舞台。ペック一家には息子と娘。彼らを通し、舞台設定が徐々に明らかになって行く。

 娘の入学、それに伴う事件、ペックは弁護士で射撃の元名手、黒人が被告の裁判で弁護を行うこととなる。

 街の白人たちは被告への疑いを強め、裁判前日に襲おうとするが、子供達の冒険心がそれを助ける。そしていよいよ裁判が始まる。ペックは論理的に起訴の矛盾を突くが結果は敗訴、しかもさらに悲劇が待っている。

 前半は子供達の冒険譚、後半は法廷ものかと思ったが、裁判後にもう一つ大きなエピソードが始まる。途中娘へ「妥協」という言葉の意味を教えていたのがここで効いてくる。

 ペックの子供達への態度が素晴らしい。幼い子供にも丁寧に説明し理解させる。またこの時代のアメリカの生活、価値観が如実に現れていて興味深い。

 しかしグレゴリーペックはカッコ良い。ローマの休日だけじゃなかったのね。