めぐり逢えたら

●059 めぐり逢えたら 1993

 シカゴに住むサムはガンで妻を亡くし、環境を変えようとシアトルに引っ越す。1年半後のクリスマス。サムの息子ジョナはラジオ局に電話をし父の再婚のことを相談する。婚約者を家族に紹介したアニーは偶然車の中でそのラジオを聞く。翌日勤務先の新聞社でこの電話の件が話題となり2000人の女性がこの時ラジオ局に電話をかけていたことを知る。サムの家にはラジオを聞いた女性たちから多くの手紙が送られてくる。

 アニーはある夜またラジオでサムの話を聞き、兄のところへ結婚した時ひらめきが会ったかどうかを尋ねる。サムのことが気になって仕方ないと話す。

 サムは女性と付き合おうと努力をし友人にいろいろと話をするが、ある日帰宅すると息子がガールフレンドを家に呼んでいた。それを見たサムは兼ねてから気になっていた女性ビクトリアに電話をし、食事に誘う。

 一方アニーは友人とTVで「めぐり逢い」を見ながらサムへの手紙を書く。会ってもいないサムが運命の人かもしれないと思いながら。

 アニーはラジオ局に電話をしサムの家の電話番号を知りかけてみる。留守番電話だったが、息子の名前が判明。それを元に社のデータベースから住所を突き止め、シアトルの探偵社にサムの調査を依頼する。

 サムはビクトリアとデートをし、家に連れてきて料理を作ってもらう。しかしジョナは彼女のことが気に入らず、ラジオ局に電話をする。その話がまたラジオで流れ、アニーの友達がアニーにラジオを聴くように電話する。

 アニーは仕事だと嘘をつきシアトルへ向かう。一方サムとジョナはビクトリアを送りに空港にいて、空港に着いたアニーをサムは見かける。アニーはサムの家を訪ねるが留守。近くを探し海で遊ぶ二人を見つけるが話しかけることはできなかったが、翌日また訪ね話しかけようとした時に別の女性が現れる。戸惑ったアニーに気づいたサムは声をかけるが二人は挨拶をしただけで別れてしまう。サムのそばにいた女性を彼女と勘違いしたアニーはこれまでの思いは映画に影響されたためだと思い、現実を見ようとし、婚約者と結婚の話を進める。

 ビクトリアと旅行に出かけようとするサムにニューヨークへ行くようジョナはお願いするが、サムは相手にしない。当日ジョナの姿が見えず、ジョナのガールフレンドによりニューヨークに行ったことがわかる。サムは慌ててジョナのあとを追う。そしエンパイアステートビルの屋上に…

 

 映画の中で度々「めぐり逢い」が流れ、登場人物の女性が幼い子も含め涙し、男たちがそれをあざ笑う。一方男たちは「特攻大作戦」の話で涙するのが可笑しい。過去も含めた名曲が流れるが、「めぐり逢い」と異なり二人は最後の最後まできちんと話すこともない。またこの時代の男と女の現状も垣間見える。

 現在の「めぐり逢い」を描きたかったように思えるが、「めぐり逢い」でエンパイアステートビル会えなかった二人をあわせてあげたようにも受け取れる。バブルの時期だから、この時代でもまだ映画には夢をみる力があることを示したかったのかな。

 なんだか不思議な映画。本歌取りのようにも思えないし。まっぁメグライアンが可愛いからよしとするか。