鬼平犯科帳 第2シリーズ #15 霧の朝

 第2シリーズ #15 霧の朝

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 鬼平はお上の御用を務める桶屋の富蔵を訪ねるが、その際店の女将おろくの息子幸太郎が知らない女と船に乗ったところを見たという話を聞く。おろくは慌てて息子を探し鬼平たちも協力するが、見つからず、訳を聞くと生みの親が勾引かしたとわかる。

 鬼平は調べを始めると、富蔵も駆けつける。紫の頭巾をした女が連れて行ったことがわかる。貰い子をした際の医者の証言から生みの親が吉造とおきねとわかる。おきねは2年前からおきねが医者に子を戻すよう頼みに来ていたこともわかる。吉造は博打狂いであり、医者もその頼みを断っていた。

 富蔵はおきねが勾引かしたのではないのではと話し、鬼平も仕事上富蔵に捕まった者の復讐ではないかと考える。船を頼んだ紫頭巾の女を調べるが何もわからず、吉造おきね夫婦の所在もわからなかった。

 鬼平の昔馴染みの録之助が品川の自分の家に戻るとそこには病人が寝ていた。その男は吉造だった。おきねは幸太郎の姿を目撃していた。そんな頃富蔵の家に幸太郎のことを書いた付け文が届く。そこへ鬼平登場。盗賊改方が一斉に動き出す。

 吉造おきね夫婦は幸太郎を見つけた家に調べに入る。そこには蜂須賀の為五郎の女房お安が仲間とともに幸太郎を匿っていた。外で待っていたおきねは偶然居合わせた録之助に助けを求める。録之助は家に入り吉造を助け、一味と乱闘になるが、改方の介入もあり、一味を捉える。しかしいつの間にか幸太郎は姿を消していた。

 改方は吉造夫婦と幸太郎を探すがなかなか見つからない。一月が過ぎ、吉造夫婦の元の幸太郎は家に帰りたがるが、吉造は返そうとはせず、おきねは返そうとする。おろくは御百度参りをし体を壊しそうになる。

 ある朝幸太郎は突然家に戻ってくる。幸太郎の胸にはおきねからの手紙が入っていた。そこへ様子を見に来ていた鬼平が沢田に言った言葉は…

 

 富蔵が平田満、吉造が石丸謙二郎

 ドラマとしては30分すぎに盗賊一味が捕まり、残りの20分は生みの親夫婦と育ての親夫婦の葛藤を描くだけとなる。ドラマ「鬼平犯科帳」としては珍しいが、小説「鬼平犯科帳」としては、よくできた話だと思う。