スティング

●070 スティング 1973

 言わずと知れたコンゲームの大傑作。

 1936年イリノイ州、フッカー(ロバートレッドフォード)とルーサーはギャングの裏賭博の売上金を詐欺でだまし取った。喜ぶフッカーだが、町のカジノで簡単にお金をスってしまう。フッカーはルーサーに分け前を渡しに行くがその場で引退すること、これからはゴンドルフ(ポールニューマン)に仕事を教えてもらうよう告げられる。その帰り道、警察のスナイダーから奪った金はロネガンの組織の金だと教えられる。危険を感じたフッカーはルーサーの家に行くが既にルーサーは組織にヤられた後だった。

 フッカーはゴンドルフに会いに行き、ロネガンに復讐したいと話す。ゴンドルフはOKし仲間を集め、計画を練り始める。まずは電車内でのポーカーで騙すことを決め、同時に競馬でハメることも同時進行させる。ゴンドルフはポーカーでイカサマを行い見事に勝利する。勝ち金を受け取りにフッカーが行くが、そこでゴンドルフの商売を乗っ取りたいと罠にはめる。偽のノミ屋を見せ、偽レースを当てさせる。しかしロネガンは用心深く、仕掛けの協力者の電信会社の人間に会わせろと命令する。見事な仕掛けで乗り切るが、もう一度レースを当てさせろと要求する。今度は直前に投票を締め切りしのぐ。

 2回のレースで信じ込んだロネガンは明日50万を持ってくるとフッカーに伝える。一方でフッカーはスナイダーに捕まり、FBIへ連れて行かれ、ゴンドルフ逮捕に協力するよう脅される。

 そして大一番の時がやってくる…

 

 

 音楽も素晴らしければ、最初のオープニングロールでその後の映画のシーンを登場人物の紹介に使用する方法もイカしている。また章のタイトルのような絵で途中の進行を紹介する方法も良い。見ている側はこれから起こることを予想でき安心するだろうが、これも裏をかくトリックになっている。脚本は言うに及ばず、あらゆる伏線が張られていて最後に全て回収するのもお見事。

 数十年ぶりに見て脚本はほぼ覚えていたが、それでも本当に楽しかった。1930年代のファッションなのかもしれないが、主役の二人がとにかく格好良い。

 それにしてもこんなに見事なラストシーンは生涯見た映画の中でもそんなにない。とにかく名作中の名作。