鍵泥棒のメソッド

●082 鍵泥棒のメソッド 2012

 雑誌の編集長で気真面目で几帳面な水嶋香苗(広末涼子)が相手もいない状態で結婚をすると宣言、スケジュールも立てる。冷酷な殺し屋コンドウ(香川照之)は冷静に殺人を実行し車のトランクに死体を入れ現場から立ち去る。売れない役者桜井武史(堺雅人)は自殺に失敗、財布から銭湯のタダ券を見つける。

 運転中に腕時計周りに血痕があるのを見つけたコンドウは銭湯に行き桜井と一緒になる。桜井は脱衣所でコンドウの分厚い財布を見かける。その後風呂場に入って来たコンドウは石鹸に足を滑らせ気絶し救急車で運ばれる。コンドウのロッカーキーを見つけた桜井は自分のものと入れ替え、コンドウのロッカー内の服を着て銭湯を出る。

 翌日桜井はコンドウの金で知り合いに借金を返して廻る。その後病院のコンドウのところへ荷物を返しに行くが、コンドウと話をして彼が気を失っていることを知りそのまま帰ろうとするが、病院の入り口で大家と出会う。大家は桜井が入院していると聞いて荷物を持ってきてくれたのだった。

 この病院には香苗の父が入院している。父を見舞った香苗は入り口でコンドウに道を聞かれ、車で送ることに。行き先は桜井の家だった。コンドウを心配する香苗は桜井の家までついていき話をする。コンドウは桜井の家の隣の部屋の住人と話をする。桜井は免許を元にコンドウの家へ行き、コンドウへ手紙を書き自殺しようとし、家の中を探すがそこで偽名だらけの名刺の束を見つける。コンドウへの電話も取ってしまいギャラの振込の話を聞く。コンドウはカレンダーに書いてあった予定、駅前まで行きエキストラの仕事をする。桜井は自分の家の郵便受けを確認しに行きコンドウと会い、部屋に入る。そこへ香苗が訪ねてくる。

 桜井はコンドウにギャラを払いたがっている組織に連れて行かれる。そこで先の社長殺しの件で追加依頼をされる。また先の殺しの際の死体がトランクにあることも聞かされる。コンドウは香苗と食事を一緒にする。桜井はネットで殺しの件を調べ、そこに記載があったコンドウのことを聞きに雑誌の編集部を訪ねる。そこは香苗が勤務する出版社だった。桜井は新たな殺しのターゲット、社長の愛人と話をする。

 コンドウと香苗をデートをし、香苗は桜井の家で食事を作る。香苗はコンドウを編集部でのアルバイトに誘い、プロポーズをする。桜井は社長の愛人を逃がそうとするが、愛人はなぜ桜井が助けてくれるのかを不思議がる。香苗の父が亡くなり葬儀が行われる。その後家で父が好きだったレコードを聴いている時、コンドウは記憶を取り戻す。桜井は愛人を逃す話を盗聴され依頼人に疑われ逃げ出す。家に戻ると本物のコンドウが待っていた。依頼人に尾行されたことに気づき隣の部屋に逃げ、これまでの事情をコンドウに話す。コンドウは桜井に、助けるがその代わりお前の人生をもらうと話す。コンドウは、社長は依頼人と一緒に仕事をしたが、金を持ち逃げしたこと、愛人も元依頼人の女だったことを話す。コンドウは依頼人に偽電話をしておびき出し、その前でコンドウだと思われている桜井を殺す、と芝居を打つことにし、練習を始める。

 現場に到着した際、不安を口にする桜井にコンドウは、自分は便利屋で殺し屋ではないこと、社長も演技だったことを告げる。そしていよいよ依頼人との約束の時間になり、演技を始めようとした現場に突然香苗が現れる。3人は車で逃げ、桜井が昔住んでいた部屋へ行く。

 逃げた先で香苗にも事情を話す。コンドウは現場に置いてきた香苗の車から身元がばれることを心配し一人でなんとかしようとし自分の家へ戻るが、そこには依頼人が待っていた。まだ桜井をコンドウだと思っている依頼人は、電話で桜井に女と金を持って来いと命じる。桜井と香苗は愛人の家に行き、そこで愛人と鉢合わせになる。

 愛人宅を盗聴していた手下から、コンドウと愛人が家にいることを聞いた依頼人が駆けつけると愛人は殺されていた。桜井はコンドウに化け一芝居うつが、依頼人は血の匂いがしないことで芝居だと見抜き、金のありかを愛人から聞き出そうとするが、息子の死体を演じていた香苗は、金は部屋にある骨董品などだと話す。コンドウは依頼人に愛人の始末を任せてくれと依頼人に話し、4人で車に乗る。コンドウは愛人は社長のところへ届けると話し、その場で警察に電話し依頼人たちが空き巣に入っていると話す。

 事件は一件落着し、桜井とコンドウは車の中で話すが…

 

 タイトルも全く知らない映画だったが、普通に面白かった。人の入れ替わりというテーマもコンゲーム的な要素もあり。主要な登場人物は少ないが良い役者さんが揃っている。というか堺雅人香川照之のコンビは「倍返しだ!」を思い起こさせるが、あのドラマの1年前に作られた映画ということでビックリ。人の入れ替わりもコンゲームも、結末をどう決着させるのかが気になったが、どちらもしっかりと気持ちの良い結末になっていて、見終わった後スッキリできる。良作。