大列車強盗

●093 大列車強盗 1978

 1855年クリミア戦争の軍資金として使われる、列車で運ぶ金塊があったが、金塊は列車内の金庫に収められ、金庫は4つの鍵がかかり、それを3人で保管しており、金庫自体も200kgもあるものだったため、強盗は絶対不可能と言われていた。

 事業家を名乗るピアス(ショーン・コネリー)はこの金塊を狙うことを女ミリアムに話す。まず鍵を持つ3人から。

 まずはトレント。ギャンブル好きの彼に賭場で話しかけ、娘と会う機会を作り娘から金塊運送の日の朝トレントが酒蔵へ行くことを聞き出す。相棒の鍵師アガーとトレントの家に忍び込み、酒蔵で鍵を探すだし型を取る。

 次はファウラー。女好きの彼を売春宿へ連れて行く。鍵を肌身離さずつけている彼の服を脱がし型を取る。

 残りの2つは駅長室。しかし駅長室には監視がおり、いなくなるのはトイレに行く75秒間だけ。先に駅長室の扉の鍵を開けておく必要があるがそれができるのは軽業師ウィリーだけ。しかし彼は今刑務所にいる。その女に会いに行き、次の処刑日に脱出するよう伝言を依頼する。彼は脱獄に成功し、3人は駅長室の盗みを決行し4つの鍵が揃う。

 そして貨物車の男に金を掴ませる一方で、猿を貨物車に載せその飼い主ということでアガーが貨物車に乗り込む。アガーは合鍵で金庫が開くことを確認する。

 翌週の金塊運搬の日に強盗をする計画を立てる。その頃ウィリーは別件で警察に捕まり、シムズ(ピアスの偽名)のことを話した。警察はシムズに花火大会で会おうと手紙を書く。花火大会でピアスはウィリーと周りに気づかれないように話す。しかしその後警察に追われるが撒く。ウィリーが警察に売ったことを知ったピアスは彼を探し出し殺す。ウィリーが殺されたこと、ウィリーが駅長室に忍び込んだことから警察はシムズの狙いが金塊であると推理し、列車の警備を厳重にし、貨物車の外側から鍵をかけることに。

 これまでの計画が使えないとわかったピアスは棺にアガーを入れ貨物車に載せる。駅でファウラーに会ったピアスは、ミリアムを彼の客室に預ける。そして列車が発車する…

 

 鍵が揃って行くのをシーンとして見せたり(ケースの中にひとつずつ増えて行く)、ショーンコネリーの吹き替えが若山弦蔵さんなのは当たり前としても相棒の吹き替えが羽佐間道夫さんであることで気付くべきだったが、この映画は完全にコメディだった。なので、肝心の列車強盗でも貨物車の乗組員が協力的なのも(警察が気づいた時点で乗組員も変えると言っていたのに)、ラストシーンも笑って見ていれば良いのだった。

 いわゆる泥棒もので、主人公がいて相棒がいて女がいて、さらに協力者が脱獄して出てくるなんていうのは、ルパン三世コブラでよく使われるパターン。もちろんもっと前にオリジナルはあるんだろうけど、ショーンコネリーでやるとはね。しかし強盗シーンで列車の上を歩くコネリーがトンネルを潜るシーンは(しかもなんども)さすがにヒヤヒヤする。スタントなしだものなぁ。