サブウェイ・パニック

●097 サブウェイ・パニック 1974

 ニューヨークの地下鉄ペラム123号にハット、メガネ、口髭の男たちが一駅ごとに乗り込んで来る。彼らは33丁目駅で地下鉄をジャックする。男たちは運転室を占拠し、車掌から車掌室の鍵を奪う。車両を途中で停止させる。指令センターから連絡が入るがそれは無視、車両を切り離し、前の車両のみ前進させ電源をダウンさせ、乗客にジャックしたことを宣言する。後部車両の乗客は運転手により徒歩で駅へ向かわせる。

 指令センターから駅へも連絡が入り、当該車両の様子を見るように指示が飛ぶ。2時10分になり、指令センターへジャックしたと伝える。要求は100万ドル、1時間以内に届けるように、1分遅れるたびに人質を1人殺す、とNY市長に連絡するように話す。

 現場の様子を見に行った所長はそれに気づいた犯人に射殺された、と現場の警官からセンターに連絡が入る。また、人質の中に警官が1人いることも判明する。

 警察は射撃隊を車両の前後に配備する。市は要求を飲むことを決め、犯人に連絡する。次の要求は紙幣の種類と束の作り方だった。センターでは過去5年間でクビになった元運転手のリストを作成し始める。

 金の準備に時間がかかり、センターは犯人に時間の延長を申し出るが断られる。やっと金が準備でき駅に向かうが、間に合いそうもないので再度交渉し、時間までに駅に着けば、駅から車両までの運ぶ時間は猶予すると犯人側が譲歩する。金を運んでいたパトカーは途中で事故を起こす。センターは事故を知り、犯人に金が着いたと嘘をつく。

 犯人は非武装の2人に5分以内に金を持って来るように指示する。警官2人が車両に向かうが、その時警官隊が犯人に発砲し、犯人の1人が撃たれ銃撃戦になるが、しばらくして撃ち止む。

 犯人は車掌に車両を降りて金を持って来るように指示する。車掌が降りて歩き出すと犯人は車掌を撃ち殺す。

 センターは犯人と連絡し、再度金を持って来るように指示される。警官2人は金を届ける。犯人は山分けを始め、センターへ指示を出す。復電させ、サウスペリー駅まで路線を空け信号を青にし、警官隊を地下通路から撤退させること。

 しかし指示が徹底される前に、ジャックされた車両が動き出し、また止まった。センターからの呼びかけにも応じない。センターは全ての駅に警官を配備する。犯人たちは車両に仕掛けを行い、車両を離れ、自動運転を始める。車両に乗っていた警官が車両を飛び降りる。犯人たちは帽子、ひげ、メガネを外し別人になりすます。センターも犯人が停止時に降りたことに気づき引き戻る。

 犯人の1人は銃を捨てることを拒否し、主犯格に撃たれる。彼の金を持って逃走しようとした時に飛び降りた警官が犯人の1人を撃ち殺す。主犯格と警官の撃ち合いになり警官は撃たれる。主犯格がトドメを刺そうとしたところへ、センターにいた男が間に合う。主犯格は線路の電線を使用し自殺する。

 暴走を続けていた車両は赤信号で自動停止をし、乗客は助かった。

 犯人のうち3人は死亡、彼らの身元が判明するが、元運転手ではなかった。残りの1人は元運転手と思われ、リストから候補は9名。9名を調べるうち、犯人の1人の家で調べ始めるが…

 

 B級映画だと思っていたが、なかなか面白い映画だった。地下鉄をジャックするという当時では考えられない犯罪を扱っているところが良く、ジャックされてしばらく鉄道会社側の人間が電車の運行を気にしているところが時代を感じさせる。

 地下鉄から犯人たちがどう逃げるのかも、良くできており1人はきちんと逃げ切るが、ラストでのオチが待っている。主役のラストの顔が印象的。

 今ではケータイがあって成り立たない犯罪だと思うが、古畑任三郎で似たトリックを見た気がする… 途中の犯人との交渉のハラハラ感も良く、さすがロバートショウって感じ。いやぁ思いの他良い作品でした。