鬼平犯科帳 第3シリーズ #08 妙義の團右衛門

 ●第3シリーズ #08 妙義の團右衛門

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 妙義の團右衛門は街中で鬼平を見かけ、これまで捕まった盗賊仲間のことを思い、復讐を誓う。一方で女好きの彼は寺の茶屋女に小遣いを渡し弁多津で待つと告げる。寺から出た際、彼は高萩の捨五郎と出会う。

 捨五郎は4年前草津の湯治場で團右衛門に助けられ、その際蝋燭問屋三倉屋の内情を教えた。團右衛門は鬼平の鼻を明かすために三倉屋を襲うつもりだった。捨五郎は今は密偵となっていた(第2シリーズ#08盗賊二筋道)。そんなことを知らない團右衛門は捨五郎に仕事を助けてくれるよう頼み、捨五郎は了解する。團右衛門は盗賊改方宅の飯炊き男として2年前から手の者を入れていると話す。茶屋女が来たため、捨五郎は翌日会うことを約束し店を去る。捨五郎は五鉄で彦十に会い、鬼平のところへ話に行く。鬼平は天野を呼び、飯炊きの竹蔵のことを尋ねる。

 翌日捨五郎は団右衛門から仕事の詳細を聞き五鉄に戻るが、団右衛門の手下は捨五郎を警戒しているようだった。盗賊改方は五鉄に忠吾を手配し、つなぎ役としていたが、それを飯炊きの竹蔵に見られていた。捨五郎が盗賊改方のイヌだと知り、団右衛門は江戸から引き上げようとするが、捨五郎と鬼平に目に物見せると決意する。

 団右衛門は一味を江戸から離れさせるが、引き込み女と竹蔵は放置し、鬼平の目を欺く。そして捨五郎を盗人宿へ呼ぶ。一方宅で天野と話していた鬼平は床下の気配を感じ取り、今夜の捕り物について偽の情報を話し、竹蔵を騙す。鬼平は竹蔵が動けば、團右衛門も動くと踏んだ。しかし夜になり竹蔵は宅に戻って来た。鬼平は團右衛門の企みに気づき馬を走らせ盗人宿へ急ぐ。そこには刺された捨五郎がいた。虫の息だった捨五郎は最後に鬼平にもらった杖を抱いて死ぬ。鬼平は捨五郎に謝る。

 團右衛門を取り逃がした鬼平の憂鬱な日々が続く。雨の日鬼平は彦十と捨五郎の話をする。翌年夏団右衛門一味は善光寺で一仕事を行う。そして江戸に舞い戻って来たその日に仕事をする。そして女遊びをし江戸を去るが、そこを待ち受けていたのは鬼平だった。盗賊改方は茶屋女を張っていたのだった。そして鬼平は捨五郎の墓に報告に参る…

 

 レギュラーではない密偵が登場する珍しい話。しかし同心などでもそうだが、レギュラーではない人物が再登場すると、だいたい死ぬ運命にあう(鬼平あるある)。

 捨五郎の再登場も目を引いたが、やっぱり財津一郎かな。(第1シリーズ#15泥鰌の和助始末)とは違い、女好きの悪役が妙に似合っていた。さすが。