鬼平犯科帳 第3シリーズ #10 網虫のお吉

 第3シリーズ #10 網虫のお吉

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 忠吾は見廻りでいい女を見かける。彼女は、同心黒沢勝之助と会い茶屋へ入るのを見る。彼は冷酷な探索で知られ、同心仲間でも嫌われ者だった。

 忠吾は同心部屋で人相書きを見ていたが、そこに黒沢と茶屋に入って行った女を見つける。女は網虫のお吉という女盗賊だった。佐嶋にお吉のことを確認すると、苅野の九平という盗賊がお吉に入れあげ、腑抜けになった。九平が最後にやった仕事は4000両の大仕事だが、その後噂を聞いていない。網虫とは蜘蛛のこと、お吉の網にかかったら男はみんな生き血を吸われるとのこと。

 忠吾は翌日から黒沢の尾行を続けた。黒沢はお吉と会い、苅野の九平の居場所と4000両のありかを白状させようとしていた。お吉は何も知らないと答える。黒沢はお吉から金を巻き上げていた。忠吾は黒沢のことを鬼平に告げる。鬼平はお吉の住処を尋ね、忠吾は日本橋琴師歌村清三郎が家で、清三郎が亭主だと話す。鬼平はおまさと粂八を使うよう忠吾に言う。

 3人でお吉の家を見張る。おまさは以前九平の下で引き込みをやっていた際、お吉と一緒に仕事をしたことがあった。お吉は捕まりそうになった時に仲間を殺すような残酷な女だった。

 お吉が出かけたので、粂八があとをつけるが見事に巻かれる。お吉は30両で殺しを頼んでいた。巻かれた報告を受けた鬼平は、忠吾と粂八は黒沢を、おまさはお吉をつけるよう言う。

 黒沢はお吉に船宿で会う。お吉は九平はもう死んでいる、4000両は山分けし自分の分け前は800両だったと話す。鬼平、忠吾、粂八は宿を張っていたが、怪しい男を見かける。宿から出て来た黒沢を鬼平と忠吾はつける。黒沢は待ち伏せしていた浪人と斬り合いになる。黒沢は浪人に斬られたところへ鬼平は出て行き、浪人を斬る。

 その夜、お吉は家には戻らなかった。黒沢の家からは大量の金が見つかる。

 忠吾は鬼平になぜ黒沢を捕らえなかったか聞く。鬼平は黒沢は打ち首でも仕方なかったと話すが、なぜ黒沢があのような男になったかを忠吾に話して聞かす。

 粂八が鬼平のところへ来て、お吉の行方を話す。お吉は品川へ行き江戸を離れるつもりとのことで、翌朝品川へ出張るが既にお吉はいなくなっていた…

 

 同心が悪に染まる話はこれまでもないわけではなかったが、今回の話はちょっと救いがない話。忠吾に問い詰められた鬼平の話も切れ味が悪いし。全体的に重い話だった。最後の鬼平と久栄の会話が救いか。