マディソン郡の橋

●112 マディソン郡の橋 1995

 マイケルとキャロリンの母が亡くなり、母の遺言が明かされる。それは火葬にしてローズマン橋から遺灰をまいてくれ、というものだった。マイケルは火葬に反対する。母が預けていた貸金庫が開かれる。中からロバートが書いた手紙が出てくる。手紙には母への思いと何かあったらジオグラフィック誌に連絡するよう書いてあった。マイケルは母親の不義を怒るが、ロバートはすでに故人で、彼の遺言にも遺灰をローズマン橋からまくように書いてあった。手紙が入っていた封筒から鍵が出てくる。その鍵で母の持ち物の箱を開けると、母親が自分たちに宛てた手紙が出てくる。さらにロバートとのことをノートに書き留めていた。

 

 1965年母親はロバートと出会った。彼は写真家でローズマン橋の撮影に来ていた。イリノイ州フェアに出品のため、父と兄弟2人が4日間家を空けた。ロバートは橋を探しに来た。フランチェスカは彼の車に乗り、道を案内する。車中でお互いのことを話し合う。フランチェスカはイタリア出身だったが、彼はその街も知っていた。彼は橋で撮影をし、家に戻る。彼をお茶に誘う。フランチェスカアメリカでの生活が思っていたものと違うと話す。夕飯もご馳走することに、ロバートは料理を手伝う。夕飯後、彼の仕事の話を聞く。

 

 兄弟の場面に戻り、兄は怒るが、妹は冷静だった。妹は自分の旦那とロバートが似ていると感じる、彼女は離婚するかもしれなかった。

 

 ロバートは独りを楽しんでいた。アメリカの家族礼賛に馴染めない。彼はフランチェスカに離婚がしたいのかと尋ね、彼女を怒らせる。自分を誤魔化さないで、と話し撮影のために出て行く。彼を追いかけようとするが、夫から電話がかかる。彼女は夕飯の誘いの手紙を書き、橋に置きに行く。

 

 翌日手紙を見たロバートは電話をしてくるが、ハリウェル橋を撮るので遅くなると言い一緒にと誘い、フランチェスカはOKする。彼女は新しい服を買いに行く。ロバートは街の店でルーシーが住民に冷たくされているのを見る。彼女は浮気をしていて、街のみんながそれを知っていた。ロバートはフランチェスカに電話し、今夜会うのを辞めようと話す。それでも彼女はいきたいと話し、撮影場所に会いに行く。仕事を終え二人は家に戻る。夕飯の前にお風呂に入り着替えた彼女をロバートは美しいと褒める。そこへ電話がかかる。知り合いからのロバートの噂話だった。二人はラジオのお音楽でダンスをする。

 

 兄弟の場面に戻る。兄は風にあたってくると話し外へ出て行く。

 

 二人は結ばれる。ロバートは彼女の出身地の話をする。  

 三日目に二人は街を出ていた。フランチェスカはロバートに自信を持たせようとしていた。自分のペンダントを渡す。二人はロバートの知り合いが教えた店に行く。二人は金曜までに人生を語り尽くすことを約束する。

 

 兄弟の場面に戻る。妹が一人でノートを読んでいた。そこへ兄のマルクスが戻ってくる。ルーシーのことを調べたといい、ルーシーは二人目の妻になったと話す。妹は旦那への不満を漏らす。二人はなぜ母は家を出なかったのか、疑問に思う。

 

 四日目、ロバートは朝ごはんを食べる。フランチェスカはロバートに他の女の話を聞く。そして怒りを爆発させる、あなたはただの見物人だと。ロバートは君に会うために生きてきたと話す。そこへ近所の奥さんがやってくる。彼女が帰ったのち、ロバートは一緒に行こうと誘う。フランチェスカは家を出る準備をする。二人は夕飯を食べながら今後の話をする。フランチェスカは悩んでいた。ロバートは生涯で一度の確信だと話し、家を出て行く。

 

 最終日、家族が帰ってきて日常は戻ってくる。2日経ちフランチェスカは忙しさに気を紛らわせていた。彼女は夫と街へ買い物に出かけるが、そこでロバートを見かける。彼は彼女を見て頷き、自分の車へ戻る。家の車がロバートの車の後ろについた時、ペンダントをミラーに飾る。信号が変わってもロバートの車は発車せず待っていた。フランチェスカがドアノブに手をかけると夫がクラクションを鳴らし、ロバートの車は発車する。フランチェスカはルーシーを訪ね、その後親友になる。

 夫の死後、彼女はロバートに連絡をしようとしたが連絡はつかなかった。彼女は毎年誕生日に橋を訪れた。ある日ロバートの弁護士から荷物が届く。そこにはカメラと写真集や手紙が入っていた。

 

 兄弟はノートを読み終え、母の遺骨を橋からまく…

 

 原作が大ヒットした作品。日本でも原作はヒットしたんだろうか。

 メリル・ストリープの可愛いこと。 故人のメモや手紙で昔を振り返る手法はありがちだが、老いた母の物語だけにインパクトは大きい。若い時に一度みた記憶があるが、今回この歳になって見るとやはり重みが違う。イーストウッドはこんな映画も撮れるんだなぁ。久しぶりに良い作品に出会えたと言える。