オデッセイ

●116 オデッセイ 2015

 火星探査中のアレス3は嵐に見舞われる。クルーの一人マーク・ワトニーは風に飛ばされたアンテナに直撃され吹き飛ぶ。クルーたちは船長を残し探査機に乗り込むが、探査機も風で倒れそうになるため、マークの捜索を止め船長も戻り探査機で火星を脱出する。地球ではマークは死亡したと発表される。

 ソル19日。マークは気がつく。天気は正常に戻っていたが、酸素レベル警報が鳴動。彼は何とかハブ基地に戻る。腹に棒が刺さっていたのを抜き、自ら体内に残っていた部品も取り除き縫合も行う。

 彼は映像日誌を記録し始める。ハブ基地には31日の滞在用のものしかなく、有人探査は早くて4年後、酸素供給器か水供給器が停止したら死ぬ、という状況だった。

 ソル21日。残りの食料数を数える。68ソル×6人分、切り詰めれば400ソル分となる、だから3年分の食用植物を育てることとする。彼は植物学者だった。排泄物を利用する。

 ソル24日、基地内にビニールハウスを作成。ソル31日、排泄物から肥料を、じゃがいもを植える。ソル36日、126平方メートルの土は作ったが、水が問題。農地にするには1平方あたり40リットルの水が必要となる。水素と酸素を燃やせば良いが、可燃物がないため、マルティネスの十字架を使う。ソル54日、じゃがいもの芽が出る。

 地球ではマークの葬儀が行われていた。NASAでは次のミッションのためにミッチが火星の衛星を使用許可を求める、長官はマークの遺体が映ると世間が黙っていないとして許可が出さない。ミッチは今ならマークの遺族に同情が集まっているからと話す。

 衛星の使用が開始されると、火星地表で動く物体が確認される。長官はまだ10ヶ月の航海中なのでアレス3のメンバーには報告しないようにと話す。広報担当はどう発表するのかと食い下がるが、長官は助ける前に餓死すると話す。長官は事実を発表する。

 ソル70日、次のミッションが到着する地点は3200km先。4年後にそこにいるためにどうするか。問題は移動車の走行距離は35km、走行後充電が必要なこと、移動には50日程度かかること。実験をしバッテリ2台積みはOKだが、ヒーターの問題が新たに発生。それをプルトニウムを使用することでクリアする。

 地球ではNASAの会見があり、マークの行動の意味を理解し説明していた。ミッチはだからこそ交信したいと話す。補給機の到着には9ヶ月、作成に3ヶ月かかる。

 ソル79日、じゃがいもの収穫と植え替えの時期。交信をするため行動を起こす。彼の意図を理解した通信担当は97年に使用した火星探査機の作成チームに会う。マークはそれを掘り起こした。ソル109日、古い探査機に電源を投入し火星からのカメラ映像のみの交信を開始し成功する。地球側からはカメラを振ることしかできない。彼は16進数とアスキーコードを使った通信を思いつく。NASAからの指示で移動車と古い探査機を通信可能にしろと指示がくる。移動車のOSをハッキングするのだった。

 直接通信が可能になり、地球側の対応状況が知らされる。マークは自分が生存していることをクルーに知らせていないことに怒る。クルーが火星を脱出して4ヶ月が経過していた。彼らにマークの生存が伝えられる。クルー全員がショックを受けるが、船長は自分の責任だと話す。

 ソル128日、地球との通信が始まったことでマークはご機嫌だった。地球では補給機の打ち上げ日程について話していた。到着予定はソル868日、マークは912日まで作物は持つと判断していた。順調なら良いが、と長官は心配する。

 ソル134日、基地の気圧調整室の穴が原因で建物の一部が吹き飛ぶ、じゃがいもが全滅する。バクテリアも死んだため、植物育成はできず、今ある植物200ソル分と食料400ソル分のみとなり、868ソルまで持たない。地球では補給機の作成を急がせ、至急補給機を送ることになった。

 ソル136日、クルーとマークが交信する。マークは基地内の後片付けと建物の補修を行う。残りのじゃがいもの数を数える。宇宙力学チームは火星までの日数を稼ぐ方法を考え、NASAは発射までの点検を省くことを検討する。

 ソル154日、マークは最低限の必要カロリーだけで過ごすことに。

 4週間後、補給機の打ち上げが行われるが、失敗に終わる。

 ソル186日、マークは船長に自分が死んだ際に両親に伝えて欲しいと交信する。

 中国のブースタなら火星に行けるが、ブースタ技術は機密事項であり中国の計画を断念する必要があった。しかし中国の科学者は手を貸すことに。補給機を前回は62日で作成したが、今回は28日で作ることに。宇宙力学チームのパーネルはクルーの乗ったヘルメスをソル561日までに火星へ送る方法を思いついた。地球に向かっているヘルメスに中国のブースタを使い探査機だけ乗せ、再加速させ火星へ向かわせ、マークを救出する方法だった。

 長官たちは、食料を送るか探査機を送るか、1人を高確率で死なせるか6人を低確率で死なせるか、の判断に迫られる。長官は元の計画で行くと決める。

 ヘルメスにメールが届き、火星に向かう計画が知らされる。NASAが却下したものであることを知っているため、実行すれば反逆になる。船長は全員の賛成があれば実行すると話すが、全員一致でマークを助けることに賛成する。

 ソル219日、マークは脱出のための準備を始める。地球側でも。

 7ヶ月後、ソル461日、マークは基地を出発する。ソル517日、最後の問題が持ち上がる。探査機とヘルメスをドッキングさせるために、探査機側の重量を軽くする必要があり、最悪の状態で宇宙に飛び出す必要があった。ソル538日、探査機に到着し、彼は準備を始める。ソル561日、全世界が見守る中、マークの救出作戦が開始する…

 

 久しぶりにナイスアイデアの映画だった。ただちょっと長いか。途中、火星から戻るクルーに伝えるかどうかが問題となった場面は必要なのかと思ったが、結末がそうだから仕方なしか。一人の人間が宇宙に取り残される話だが、大丈夫なのかと思うハラハラするシーンは、ラストのランデブーだけだったのは、ちょっと残念。ちょっとエピソードを盛りすぎかな。でもまぁ最後まで目が離せなかったけど。