鬼平犯科帳 第3シリーズ #14 二つの顔

 第3シリーズ #14 二つの顔

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 鬼平は五鉄の彦十を見舞う。彦十は鏡で自分の顔を見て死相が出ていないか確認していた。鬼平は人相見ができるのか聞くと彦十は鬼平の顔に女難の相が出ていると話す。帰り道鬼平は男に女を紹介すると声をかけられる。男は阿呆からす、素人女の世話をして割前を取る稼業だった。男の話では女は貧乏な職人の娘で父親が病のため薬代も出せない状況だと話し、鬼平は話に乗る。

 鬼平は茶屋ひら井で女と会う。女の名はおはる、鬼平はおはるに腰を揉ませ、家族の話を聞き、お上に見つからないように、と注意する。そのうち、もみあげに刀傷のある男が店に出入りしている、女将さんも普通は一人だが、時々複数の男のひそひそ話が聞こえると聞く。

 鬼平は刀傷の男が夜狐の富蔵ではないかと思い、おはると阿呆からすの男の居処を突き止め、そこから富蔵への手かがりを得ようと考える。鬼平はおはるの家での貧しい暮らしぶりを見る。家に戻った鬼平は伊三次に店の様子を探らせる。

 一方店にいた刀傷の男は、店を出る鬼平の姿を確認し、女将にあれは鬼平だと話す。鬼平を紹介した男与平は店に戻り、おはるの様子を確認する。女将は与平に酒を飲ませ、鬼平とおはるの話を尋ねるが、隙を見て後ろから殴り殺す。富蔵の指図だった。富蔵はおはるも殺すつもりだった。

 鬼平は彦十にひら井に出入りする与平のことを調べさせ、忠吾におはるを呼び出させる。ひら井を見張っていた伊三次と彦十は女将と男たちが出てくるのを見て、伊三次が後をつける。忠吾が仮病を使い、鬼平のいる寺までおはるを連れてくる。鬼平は買っておいたせんべいを与え、与平の居場所を尋ねる。鬼平と別れた忠吾は、女たちをつけている伊三次に出会う。伊三次はひら井の女将をつけているが、この方向なら箕輪の娘の家に行くに違いないと伝えて欲しいと話す。そのことを聞いた鬼平はおはるを忠吾に任せ、箕輪に向かう。鬼平は女将を捕らえ、伊三次に役宅へつなぎをつけさせ、ひら井で落ち合うこととする。

 鬼平はひら井で忠吾と彦十と落ち合う。鬼平は忠吾に与平の家を確認させるが、与平の姿は見えなかった。鬼平はひら井に乗り込む。鬼平は刀傷の男が富蔵ではないと確認する。

 与平の死体が見つかり、おはるが悲しむ。伊三次は与平の家を調べ、与平が世話をした女たちに金を残していたのを見つけ、鬼平に報告する。鬼平は与平とおはるの元へ行き、与平の形見をおはるに渡し、おはるにこれからの生き方を諭す…

 

 ひら井への乗り込みがだいぶ早い時間帯だったので、この後どうなると思ったら、与平の葬いとおはるの思いで時間を引っ張った。ちょっと不思議な感じ。おはる役の女性を引き立てるための手段かと思ったが、失礼だがさほど有名な女優さんでもなさそう。原作がそんな話なのだろうか。ちなみに最後の最後に、本物の富蔵が出てくるが、これも必要なのかしらと思う。彦十が最後に話す、鬼平の感ばたらきが珍しく外れた、ってことで収めればよいのではと思うが…

 そもそも、タイトルの「二つの顔」は誰のことを言ったことなんだろう?与平?おはる?

 うーん、謎の多い話だった。