鬼平犯科帳 第3シリーズ #16 おしま金三郎

 第3シリーズ #16 おしま金三郎

https://www.fujitv.co.jp/onihei/photo/s3-16.jpg

 同心松波金三郎は鬼平の配下の一人だったが、強引な捜査が目立つ男だった。安い賭場に押し入り何人かを捕まえるが、狙っていた牛尾の又平の手がかりはなかった。

 鬼平宅に目安状が届き、調べに対する不満が書かれていた。佐嶋は松波の件だと語る。鬼平は松波が同役との折り合いが悪いことを気にしていた。

 松波は自分の金で、ませの七兵衛を密偵として使っていた。その七兵衛のところへおしまという女が訪ねてくる。このおしまは牛尾の又平の身内の一人だった。おしまは又平一味から足を洗いたいと七兵衛に相談に来たのだった。七兵衛とおしまは蓑火の親分のところで一緒に仕事をした仲だった。七兵衛はおしまのことを松波に話す。松波は、密偵であることをおしまに明かし全てを聞き出すように言う。七兵衛はそれで乗ってこなかった場合はどうするのか聞くが、松波はそうであれば殺せと話す。できないなら自分がやるとまで。

 松波は七兵衛とともに、おしまに会いに行く。おしまは松波に対し反抗する態度を見せるが、松波が抱いてくれれば協力すると話し、松波はそれを受ける。二人は逢瀬を重ね、松波はおしまから次の押し込みの場所と日時を聞き出す。それを聞いた松波はおしまに江戸から去るように伝えるが、おしまは松波にすがりつく。それでも松波は金を放り出て行く。

 松波は鬼平と佐嶋に情報を話す。鬼平はどうやって情報を知り得たか聞くが、松波は答えない。鬼平は自分の配下の者は手を汚してならぬと説く。

 盗賊改方は、牛尾の又平一味を捕まえるが、高山の治兵衛とおしまは取り逃がすことに。

 鬼平は松波を呼び出す。佐嶋からお役御免だと命じる。本来なら切腹もののところをお頭の配慮で免れたことも話す。松波は理由を知りたがり、鬼平はおしまという女盗賊と情を通じたことを明かす。さらに松波はネタ元を知りたがるが、鬼平は自分の胸に聞けを話す。

 数ヶ月後、松波は飲み屋の主人となっていた。

 鬼平たちは高山の治兵衛の行方を追っていた。おしまが江戸に舞い戻って来ており、それを治兵衛が狙っている、松波もきっと狙われる、店に見張りをつけるように、と鬼平は話す。

 松波の店に七兵衛が現れ、松波を呼び出す。そこにはおしまが待っていた。おしまの姿を見た松波は店に戻る。七兵衛はおしまの気持ちを代弁するが、そこへおしま本人が小刀を持って現れる。松波への恨みを告げ斬りかかるが、松波は小刀を取り上げ、おしまを店から追い出してしまう。

 松波は店を見張っている男に気づき、店の女に酒を持って行かせる。その後、見張りを気にしていた松波だったが、店に戻ると鬼平が沢田とやって来ていた。鬼平はおしまのことを尋ねる。おしまを追い出したことを聞いていたのだった。松波はおしまのことは仕事の上のことだったと話すが、鬼平は女の情について語り、松波がクビになった元ネタはおしまの密告だったと明かす。

 ある夜、松波は店の外に人影を見る。松波が近づくと男たちが斬りかかって来た。知らせを受け近くの番所にいた澤田は店に駆けつけるが、松波が男たちを倒した後だった。松波は、高山の治兵衛の居場所を沢田に告げようとしたが、刀を持って飛び出して行く。そこは七兵衛の住む長屋だったが、七兵衛は殺されており、おしまとだけ告げる。

 松波は盗賊改方の屋敷へ行き、捕まえた男を拷問し、治兵衛の居場所を吐かせた。鬼平たちは治兵衛一味を捕らえる。そこには嬲られたおしまもいた。松波は他の同心を追い出し、おしまを抱きしめる…

 

 同心が悪いことをするパターンの話。しかもゲストとして登場する松波(峰岸徹)なので、いつものパターンで殺されてしまうんだろうなぁと思って見ていたが、意外な結末にビックリ。しかも、ラストで他の同心を追い出した松波を呼び続ける佐嶋とそれを止める鬼平との会話がなんとも可笑しい。

 久しぶりの第3シリーズのヒット作。