鬼平犯科帳 第3シリーズ #17 忠吾なみだ雨

 第3シリーズ #17 忠吾なみだ雨

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 忠吾は寺の境内で浪人に襲われている娘を助ける。彼は娘を家まで送る。娘は足袋屋の娘でお雪といい、また会う約束をして別れる。その夜、鬼平は忠吾が買ってきた土産の葛切りを食べ、また何かあるなと言うと、久栄が良い人が出来たという噂があると話す。

 この頃鬼平の活躍により盗賊たちは他国へ散っていたが…煙管屋の又兵衛は鈴鹿の又兵衛という盗賊の頭で店に伝七が訪れる。又兵衛は足を洗うつもりだが、その前に手下たちに納め金を渡すために最後の大仕事をするつもりだと話す。そこへ足袋屋の主人善四郎が現れる。お雪は又兵衛の実の娘だったが、足を洗った善四郎が育てていた。善四郎はお雪に男が出来たらしいと又兵衛に話す。又兵衛はそれを許し、娘と暮らすことを夢見ていた、時々お雪の様子を見に行っている、店で見ていた簪を買っておいたから善四郎から渡すようにと言い、簪を渡す。

 忠吾はお雪と汁粉屋で逢瀬を重ね、夫婦約束をする。忠吾は早速鬼平に報告する。

 善四郎はお雪に父親からと言い簪を渡す。お雪は自分が欲しがっていたものを父親が送ってくれるとは不思議だと話す。善四郎はお雪に男のことを聞く。

 善四郎はお雪の相手が盗賊改の同心だと又兵衛に話す。善四郎は又兵衛に手が及ばないように二人を別れさせると話す。そんな時、彦十が善四郎の姿を街中で見かけ、鬼平に鴨田の善吉を見たと告げ、鈴鹿の又兵衛の片腕と言われた男で、姉が又兵衛の女房なので、又兵衛とは義兄弟だ、跡を付けたが足を洗っているように見えた、善四郎と名を変え田原町で足袋屋をやっていると話す。

 ある日、いつものお汁粉屋でお雪を待っていた忠吾はお雪が来ないことを心配し、足袋屋まで行く。主人の善四郎が出てきたので、お雪のことを聞くが、理由があり別の身内の元へ行かせたと言われ、追い出される。店にはお雪がおり、善四郎に食い下がるが、お武家様とは身分が違うので諦めろと言われる。

 忠吾は鬼平に事の次第を話す。忠吾は困り果てる。鬼平は自分が店に行って様子を見てくるが、その代わり十日間忠吾は役宅を出るなと申付ける。

 鬼平は彦十を伴い、善四郎をつける。善四郎は又兵衛に会い、お雪を連れて上方へ行くと話す。鬼平は忠吾を除く盗賊改方に又兵衛を見張るよう申付ける。煙管屋を見張っていると、伝七が現れ、伝七が大黒屋の飯炊き女とつなぎを付けているのが判明する。

 一方足袋屋からは善四郎とお雪が旅姿で出て行くのをおまさと彦十が見かけ、おまさがつけることに。道中、夜旅籠から抜け出ようとしているお雪におまさが声をかける。お雪はおまさに本心を話し、忠吾への思いをしたためた手紙をおまさに託す。おまさはその手紙を鬼平に渡すが、鬼平は忠吾に見せるわけにはいかないとその場で破り捨てる。そこへ沢田がきて、又兵衛一味が動き出したことを告げる。一味は大黒屋に忍び込むが、そこへ盗賊改方が入ってくる。鬼平の一言に又兵衛は観念し抵抗しなかった。

 翌日、鬼平は忠吾にお雪は鈴鹿の又兵衛の娘だと告げ、お雪を思いきれるかと話す。忠吾は、盗賊改めと盗賊の娘では違いすぎる、と話す。

 忠吾はおまさと彦十と酒を飲見ながら涙を流す…

 

 これまでも同心の恋の話は何回かあったが、特別ゲストを迎える形がほとんどだった。今回は鬼平での一番のサブキャラ忠吾の恋の物語。しかも夫婦約束までして、というある意味重い話。最初は、なんだここでサブキャラも結婚するんだ、と思ったが、そんな簡単な優しい話は鬼平ではないな、確かに。

 鬼平の冷徹な態度、手紙を破るシーン、に少しびっくりしたが、最後の鬼平と忠吾の会話で全てがわかる。いやぁ、見事な話。