明日に向って撃て!

●127 明日に向かって撃て! 1969

 ブッチは銀行強盗をする壁の穴強盗団の ボス、その相棒キッドは早打ちの名人だった。ある時強盗団をハーベイに乗っ取られそうになるが、ブッチの機転でハーベイをやっつける。しかしハーベイの考えた列車強盗しかも行きも帰りも襲うという計画にブッチは乗る。行きは成功し、女教師であるエッタの家に二人は向かい、幸せな時間を過ごす。

 帰りの強盗も成功したかに見えたが、該当の列車に後続列車が付いて来ており、その中にはブッチを執拗に追いかける追跡団がいた。

 二人は追跡を逃れるために、様々な手を打つが、追跡団はどこまでも追いかけてくる。山中で逃げ場を失った二人は、崖から川へ飛び込むことでやっと追跡から逃れる。二人はエッタの家に行き、追跡団が列車会社に雇われたやり手の男たちで、二人が死ぬまで雇われ続けることを新聞で知る。そこで二人はエッタを誘い南米ボリビアへ向かう。途中ニューヨークにも寄り楽しい旅を続ける。

 三人はボリビアに到着する。しかし話ができると言っていたブッチはスペイン語が話せず、街も寂しいところだった。二人はエッタからスペイン語を教わり、三人で銀行強盗を始める。しかしボリビアでも二人は指名手配されるようになり、しかもアメリカからの追跡団らしき姿も見かけたため、二人は真面目に働くことにし、山奥の鉱山の給料運搬の護衛となる。主人と一緒に金を運んでいると地元の強盗に遭遇、主人は撃たれるが二人は強盗たちを倒す。そのような状況を見たエッタは二人に農家や牧場での仕事を勧めるが、二人は耳を貸さない。やがてエッタはアメリカに戻ると言い出し、二人も了承する。

 二人は山賊まがいのことをやるようになり、盗んだ馬共々街で食事をしようとするが、少年が馬についていた目印から盗まれた馬だと警察に知らせる。二人は警察に囲まれ負傷する。やがて騎兵隊も到着し、二人は完全に包囲される。そこで二人がとった行動は…

 

 有名なテーマ曲に乗って、二人のゆるくコメディタッチな生活、仕事が描かれる。そこに美しい女性も加わり、なんだか中年男の青春映画を見ているような気がしていると、中盤執拗に追跡団に狙われ始める。映像では遠いむかうの山を駆けている姿だけだが、どこまでも追ってくるしつこさが強盗団のリアルを描き始める。途中保安官に軍に入りたいと希望した際に言われる台詞も決定的で、二人の置かれた立場がシリアスに浮かび上がってくる。

 となれば有名なラストシーンも必然だが(というか史実らしいし)、視聴後はなんとも言えない気分となる。ニューシネマ共通の感覚か。この二人が4年後に見せてくれるスティングがあるのが救い。