眠狂四郎殺法帖

●132 眠狂四郎殺法帖 1963

 眠狂四郎伊賀忍者の襲撃を受けるが、返り討ちに合わせる。眠は船宿喜多川で芸者歌吉といると金八が手紙を持ってやってくる。手紙は陳孫からで明日亀戸清告寺でお会いしたいというものだった。また先ほど斬った忍者の死体はなかったと聞く。

 伊賀忍者は加賀前田藩が差し向けたもので、眠の腕試しだった。前田は奥女中千佐に眠を味方にするよう、また根来には銭屋五兵衛の片割れ陳孫に味方するものを葬るよう指示する。眠に陳孫を斬らせ、眠も斬ってしまえ、と。

 千佐は眠の元へ行き、命を守って欲しいと懇願する。相手は陳孫、加賀での事件で父が隠した加賀藩の運命を左右するものを銭屋一味が狙っていると説明する。眠は話を受ける。

 眠は陳孫に会いに行く。陳は五兵衛を殺した加賀藩を許せず江戸に出て来た、自分の味方になって欲しいと頼み、千佐は前田の間者だと話す。そこへ陳を狙った加賀藩の者たちが現れ、陳は戦うことに。陳は日本に少林寺拳法を伝えた人間の末裔だった。

 眠は千佐を文字若の家から船宿に連れてくる。そして陳に聞いた話をする。千佐は観念し屋敷へ帰ろうとするが、眠は船宿に留まるように話す。眠は千佐に不幸な育ち方をした影を見たからだった。

 眠は佃島で釣りをする。そこへ陳が現れる。陳の家に行くと銭屋五兵衛が待っていた。五兵衛から加賀藩の運命を左右するものとは、碧玉仏の中に入っていると聞く。陳からは、仏像の中に入っているのは、密貿易の証拠となる紙切れだと聞く。前田は参勤交代で三日後に加賀に戻ることになっていた。眠は千佐にその話をする。

 船宿に眠の育ての親空然がやってくる。眠が空然と話しているところへ陳が現れ、千佐はもらった、返して欲しければ金沢へ来いと話す。眠は前田のところへ行き、千佐の件を話す。

 参勤交代が始まり、皆金沢へ向かう。道中、眠はまた伊賀者に命を狙われる。根来を含め、眠は円月殺法で返り討ちにする。その場で捨丸が眠に自分を売り込む。眠は断るが、陳たちの家を探し当てた捨丸はまた眠の元にやってくる。

 陳の家では陳の雇った男たちが千佐の見張りをしていたが、そこへ侍たちがやってくる。そこへ眠を現れる。千佐は、能面師仁平の元で待つと話し逃げ出す。眠と陳は侍相手に立ち回りを演じる。眠は千佐の元へ。二人は一夜を共にする。翌朝眠は仁平から千佐の生い立ちについて話を聞く。

 文字若と金八が眠を追ってやってくる。捨八が陳のあとをつけ、仏像を取り出すところを見つける。眠は仏像の箱を抱えた五兵衛から箱を盗むよう掏摸でもある文字若に頼む。箱を手にした眠を陳が襲うが、取り逃がす。五兵衛と陳は仁平を襲う。

 眠は千佐と共に仏像を見る。中から紙切れを見つける。眠は千佐にお前は前田の実の娘で、実の母が生きていることを話す。その上で仏像を千佐に渡すと話す。千佐は仏像を眠に託し、前田の元へ行く。父である前田に恨みを伝え、土下座をしろと要求する。さらに仏像を渡す条件として、前田が隠居することなどを伝える。

 千佐は眠と実の母に会いに行くが、すでに殺されていた。それは五兵衛の仕業だった。千佐は仏像を眠に託そうとした際に撃たれる。撃ったのは五兵衛だった。眠は五兵衛を斬る。そして眠と陳の戦いが始まる…

 

 市川雷蔵の作品は初めて見たし、眠狂四郎も初めて。

 キャラクターとしては、まるでハードボイルドみたいな侍で新鮮。それでいて円月殺法という必殺技まで持っていて。時代がそういう時代だったのか。マカロニウエスタンが出てくるのは、この映画のもう少し後だしなぁ。

 雷蔵さんは確かにカッコ良い。今でも若い女の人がファンになるというのもなんとなくわかる気がする。対する若山富三郎さんも若い。ってかこの映画では俳優名が違うのね。で、円月殺法に対するのが、少林寺拳法ってどうなのさ、って感じかな。それまでの時代劇の形をうち破りたかったのかもしれないけど。最後の戦いもある意味寸止めみたいな形で終わっちゃうし。

 レビューを見ると次作が傑作らしいので、それを見て判断かな。