眠狂四郎 勝負

●135 眠狂四郎 勝負 1964

 眠りは神社の祭でスリの女を追っていた。その後神社の階段を登る手助けをして小遣い賃を稼いでいる少年と出会う。彼に手助けされた老人と茶店の女の会話から、少年は剣豪だった父親を道場破りに殺されたことを知る。眠は少年の仇を討つことを約束し、実行する。

 老人は眠の行動に喜び、夜酒を共にする。老人が店を出ると赤座と名乗る暴漢に襲われるが、眠りが助ける。その際、老人が勘定奉行朝比奈であることを知る。

 朝比奈は経費削減を進め、将軍の娘高姫の年間2万両の御化粧代を廃止しており、高姫から恨まれていた。高姫は越後堀丹後守に嫁いだが、夫に先だたれ自由奔放な生活を送っていた。高姫の御用人白鳥主膳は朝比奈に御化粧代の復活を望むが朝比奈は受け入れなかった。白鳥は札差や米問屋とも結託していた。

 朝比奈のことが気に入った眠は朝比奈の警護をするようになる。そこへ眠を仇とする榊原という浪人が斬りかかるが、ちょうど高姫の行列が通りかかる。橋の下に逃げ込んだ眠は、榊原の槍を高姫の籠に差し込む。驚いた高姫は、白鳥から朝比奈もしくはその配下の眠が高姫を狙ったと吹き込む。高姫は怒り、朝比奈を殺すように命じる。

 朝比奈を殺すために5人の浪人が集められる。手引きをしたのは采女だった。眠は采女の誘いで5人の元に行くが、姿を見せずに話だけをする。眠は采女と会い話をするが、采女が入れたお茶に毒が入っており、捕まってしまう。高姫の前に差し出された眠だったが、そこへ入ってきた高姫に惚れている若者の手裏剣を逆利用しまんまと脱出する。

 眠は朝比奈に会いに行くと、今度は朝比奈が眠について廻るようになる。眠の知り合いの蕎麦屋へ行った際に殺し屋の一人が現れ、雪の中で決闘するが眠が切り捨てる。二人目は眠が風呂の中にいる際に襲ってくるが、女風呂にいた采女から刀を受け取り、見事に切り捨てる。眠を狙っていたはずの采女になぜ自分を助けたのかと眠は聞くが、采女は答えられなかった。采女は白鳥たちに捕まる。

 白鳥は眠と朝比奈を殺すために偽の御前試合を組む。刀に仕掛けをして試合に望むが、眠は企みを見抜く。上様の名を語ったことがバレ、高姫は藩に戻るよう命じられる。朝比奈は老中水野から今のままの政策を続けるように認められる。眠は白鳥から試合の詫びを告げられ、望みを聞かれる。采女とその夫を渡すよう求めるが、夫はすでに処刑済みのため、采女み後日約束の場所で、と言われる。 

 約束の場所へ行くと、采女が木に括られており、罠だった。十数人の白鳥の配下の者と5人の殺し屋の残りとの斬り合いになる…

 

 前作を見て、こちらの方が傑作だという話があったので、こちらの第2作を見た。

 確かに、朝比奈との掛け合いや蕎麦屋の娘との会話、そして笑顔をワンシーンだけ見せる眠など、人間味を感じる場面が多く、主人公への共感度はこちらの方が高い。

 ただ、関係する女というか、映画の主要登場人物の女性たち全てが眠狂四郎に惹かれて行くのは、なんだかなぁという感じもする。前作の中村玉緒が眠に惚れるのはキチンと過程が描かれていたのに、今回の高姫も采女もいつのまにか眠に惚れているという感じがあれれ?という感じだった。でもまぁ市川雷蔵がカッコよかったからそんなことどうでもいいんだろうなぁ 笑

 たまたま昨日夕陽のガンマンを見たが、ほぼ同じ年に作られた映画で、どちらもニヒルな主人公ということでいうと、やはりあちらが一枚上手と言わざるを得ない。