太陽の季節

●137 太陽の季節 1956

 石原慎太郎原作の映画化。

 主人公津川は高校生、ボクシング部の仲間と気楽な生活を送っていた。ナンパした英子に惹かれ恋に落ちるが、いつしか英子をウザく思うようになる。喧嘩をし別れまたくっついてを繰り返す。津川の兄が英子に岡惚れをしたため、津川は金で兄に英子を譲ることにする。しかし、英子がそれを知り、逆に金を送金し続けることで津川の兄は手を引くことになる。そのうち英子が津川の子を身籠り、産もうとする。津川の態度がはっきりしないため、英子は津川に最後の確認をしようとするが、その態度を見た英子は子供を堕ろす決意をする。しかし、その手術が原因で英子が亡くなってしまう。その知らせを聞いた津川は、英子の葬式に出向くが…

 

 約60年前の最先端の若者事情が映画化されたのだと思う。今それについてどうこう言っても仕方ないが、映画としては、ボクシングの試合シーンの酷さや男性の俳優陣のセリフの聞き取りにくさなど、ダメなところが目についてしまう。

 高校生が日毎クラブに出入りしたり、大規模なパーティを開いたり、とちょっと非現実的だし、主役の二人も20歳を超えているし、で若者事情を描いた割に現実感があまり感じられない。

 裕次郎が見出されたことが、この映画が最大の売りなんだと思う。