ペイルライダー

●142 ペイルライダー 1985

 谷では金の採掘をしていた。その集落が襲われ、家は壊され家畜や犬が殺される。犬の飼い主の娘メーガンは嘆き悲しむ。

 襲われた集落の男ハルが街へ行き、壊された家の修理に使うものを買おうとするが、店の主人は支払いが溜まっていると言う。ハルは金で支払うと言うが、谷では金は取れていない。主人はツケは今回が最後だと話す。店を出たハルは男たちに襲われ、買ったものを燃やされそうになると、男がそれを助け、男たちを倒し、去って行く。ハルは彼に声をかけ、家に誘う。

 集落に戻ると、仲間が一人出て行った。ハルは婚約者もどきのサラに男の話をするが、サラは無法者のラフッドたちと同じだと言い、すぐに男を追い出すようにハルに話す。そこへ男が牧師の格好をして現れる。皆驚き、牧師を食事に誘う。

 翌日牧師はハルからラフッドたちの話を聞く。彼とその息子は1855年にこの地域へ来てデカい金脈をあて、その金で周辺の山を水圧採鉱で掘り尽くしクソミソにしており、残りはここカーボン谷のみだった。一味は谷に嫌がらせを繰り返し、皆が逃げれば谷を手に入れるつもり。サラの亭主も数年前に逃げて行った。

 牧師がハルの手伝いを始める。ハルが諦めていた川にある巨岩について話すと、牧師はハンマーでコツコツを巨岩を打ち始める。そこへラフッドの息子ジョシュがクラブを連れてやってくる。ジョシュは牧師に谷から去るように言い、クラブは力を見せるために巨岩を一撃で割る。牧師はクラブに一撃を加え二人を帰らせる。それを見ていた谷の男たちは巨岩を打ち始める。

 ラフッドが州都から戻ってくる。谷の状況を聞き怒る。州都で水圧採鉱禁止の条例が作られそうだから、早く谷を奪うように話す。

 谷ではハルが巨岩の下から大きな金を見つける。ツケを払いに牧師とサラ、メーガンとともに街へ行く。ジョシュが牧師に父ラフッドが会いたがっていると告げる。ラフッドは牧師を買収しようとするが、断られる。ラフッドは牧師たちに24時間以内に谷から去るように脅す。牧師は谷の売却代として谷の人間一人に1000ドルを払うよう要求する。ラフッドは了承する。谷に戻り、住民が話し合いをする。助言を求められた牧師は、断れば保安官ストックバーンがやって来て殺されると話す。住民は誇りのためにも残ると結論を出す。

 その夜、メーガンは牧師に自分の想いを伝えるが、うまく断られる。メーガンは母親のことが好きだからだと怒り去る。翌日牧師はジョシュに売却の話はなしだと報告する。ハルは牧師が荷物を持って去ったことを告げるとサラは皆が戦いたがったせいだと話す。外で爆発音がして出ると、ラフッドたちによる爆破で、谷の川の流れが止められていた。

 谷の住民はもう少し頑張ろうと決断する。川で作業をしていたスパイダーが大きな金の岩を見つけ谷は大騒ぎとなる。ハルはサラに結婚を申し込み、サラは答える。メーガンは馬を借り、ラフッドの採掘場へ行くが、ジョシュに捕まってしまう。そこへ牧師が現れ、メーガンを助け出す。

 街には保安官ストックバーンがやってくる。ラフッドに頼まれ牧師を狙うが、二人は過去に出会っていた。金を見つけたスパイダーは街で酒を飲み、ラフッドへ文句をつけていたが、彼の前にストックバーンとその部下が現れ、彼を挑発し、銃を抜いたところで撃ち殺す。そしてその息子たちに、明日牧師に街に来るようにと話す。牧師はメーガンを谷に連れて帰る。そこへスパイダーの息子たちも帰って来て伝言を伝える。

 翌朝、牧師はハルとともにラフッドの採掘場へ行き、ダイナマイトで設備や小屋を爆破し、ハルの馬を逃し、サラとメーガンを守るよう話す。そして牧師一人で街へ行く…

 

 

 

 wiki

 西部劇の名作『シェーン』と、かつてクリント・イーストウッド自身が主演した『荒野のストレンジャー』とを合わせたような作品

 とあるが、まさにこれ。なぜ牧師が谷を助けたのか、終わった後に去って行くのか、最後に対決する保安官と過去に何があったのか、など、過去の名作へのオマージュとも思えるような作りとなっている。

 ザ・シークレット・サービスを見たばかりなので、やっぱり女性とイーストウッドの絡みが目についてしまう。この作品では、谷を助けるのとメーガンがもともと聖書の予言を信じていたことがあるので、二人の女性に惚れられるのはわかるが、若いメーガンが恋心を抱くのは、シークレットサービスの約10年前とはいえ、55歳の男と15歳の少女ではなぁ。

 しかしバブル時代到来を予感させる1985年に、コテコテの西部劇を作ったのは西部劇復活のきっかけになったのではないだろうか?わかりやすい勧善懲悪のストーリー、ラフッド一家の鉱山の爆破、多人数を相手にあっさりと勝ってしまうラストの銃撃戦。これぞ西部劇。