夜霧よ今夜も有難う

●143 夜霧よ今夜も有難う 1967

 名作「カサブランカ」のまんまのストーリー。

 リック(ボガード)→裕次郎、イルザ(バーグマン)→浅丘ルリ子、ラズロ→二谷英明。大筋は同じで、大きく異なる点は、

裕次郎と浅丘は結婚の約束をするが果たせず、その4年後が舞台

 (オリジナルは、先にイルザとラズロが結婚している、以下カッコ内は同じ)

・二谷が謎の組織に追われる、その結果、二谷と裕次郎の部下が殺されることに

 (ドイツ軍に追われるが、リック側に死者は出ない)

裕次郎の店の店員でエピソードに絡むのは、コックと従業員男性女性各1名

 (ピアノ弾きのサム、バーテンとウェイター)

・従業員男はなぜかボクサー、ボクサーの試合や練習風景が描かれる

・ラストは、海、ボートでの別れ

 (有名なラストは、空港で飛行機での別れ)

 

 まぁ本家「カサブランカ」から20年経っているので、やってみたくなったのかなぁと。オリジナルは、第二次世界大戦下でのストーリーだから、政治犯ラズロが逃げるのが困難となり、それがテーマだったものを、無理やり60年代の日本に持って来ても、無理がある。

 サム役がおらず、ピアノ弾きは裕次郎がしている。これも歌手としての裕次郎を考えれば仕方なし。佐野浅夫が、警察(署長ではないが)役として、かろうじて良い味を出している。太陽の季節でもボクシングシーンがあり、佐野浅夫が同じような役回りを演じていたのを思い出した。あの映画から10年、ボクシングシーンはだいぶよくなっていたが(笑

 タイトルと同名の曲が名曲として残っているのが救いか。