レッド・サン

●145 レッド・サン 1971

 1860年最初の日米親善使節が海路でワシントン入りをしてから10年後、坂口備前守使節団がサンフランシスコから鉄道でワシントン入りを目指した。その途中、坂口らが乗った列車が強盗に襲われる。強盗団は使節団が大統領に献上する予定だった金の刀も奪っていった。

 強盗の一人リングは仲間のゴーシュに裏切られ、現場で負傷する。坂口はリングを助け、刀を取り戻すことへの協力を求める。その役目は重兵衛に任せられた。リングは断るが黒田は彼についていった。二人には馬もなく歩いてゴーシュのあとを追う。リングは途中黒田を巻こうとするが黒田はしつこくついてきた。

 二人はゴーシュの手下が襲っている家を目撃する。手下たちを倒し、馬を手に入れ、リングは拳銃も手にする。リングは黒田にここで別れようと告げ、銃声で黒田の馬が驚いているすきに逃げて行く。黒田はリングを追う。川でリングの馬を見かけ近寄るとリングに襲われる。リングはゴーシュを見つけても金のありかを聞くまでは奴を殺すなと約束しろというが、仲間を殺された黒田は拒否する。リングは呆れて黒田と話をする。黒田は日本でも時代が変わり侍としては生きていけないことを覚悟しており、最後の勤めとして今回の件はその役割をしっかり果たしたいと話す。

 二人は探索を続けるが、コマンチ族の支配下の土地に入ってしまう。このままでは危険だと感じたリングはサンルカスの街へ行くことに。そこで待っていれば女に会いにゴーシュがやってくると踏んでいた。サンルカスで娼館へ行き、ゴーシュの女クリスチーナと会う。二人は娼館で一夜を過ごす。

 翌朝ゴーシュの手下たちがクリスチーナを迎えにやってくる。二人は手下たちを倒し、一人だけ倒さずに置いた男に、明日教会で女と金、刀と交換だとゴーシュに伝えるように言う。二人とクリスチーナは教会へ向かうために山を越える。途中休憩し黒田が露天風呂に入っている隙に刀と服を取り、再度ゴーシュはすぐに殺さないように約束をさせる。雪山で服を取られた黒田は渋々ながら了承する。

 3人はコマンチ族に襲われ廃墟と化した街で休むことに。そこでクリスチーナは隙を見て馬に乗り逃げ出す。彼女が逃げた先にはコマンチ族が待っていた。コマンチに襲われた彼女は誤って一人をナイフで刺してしまう。コマンチたちは彼女の首に乾くと締まって行く革紐をくくりつける刑に処していた。二人は彼女を助ける。

 3人は教会へ行く。しかしゴーシュたちに先手を取られ銃や刀を捨てさせられピンチを迎える。そこへコマンチ族が襲ってくる。ゴーシュたちと二人はコマンチ族と戦うことに。なんとか撃退するが、今度はコマンチ族が建物に火を放ってくる。3人とゴーシュは茂みに逃げ、コマンチ族と戦い倒す。

 3人とゴーシュは生き残る。ゴーシュの後ろから黒田は襲いかかるが、一瞬リングの顔を見る。その隙に黒田はゴーシュに撃たれてしまう。ゴーシュはリングに金は山分けにしようと提案するが…

 

 西部劇での異文化交流については、ダンス・ウィズ・ウルブスでも書いたが、まさか侍が西部劇に出るとは!しかも三船敏郎とは!さらにドロンとブロンソンとの3大共演。異色作と思われがちなんだろうが、しっかりと映画になっている。

 三船とブロンソンロードムービーのよう。三船が語る侍についても時代的にちょっと魅せる話になっている。それに答えたラストのブロンソンもカッコ良い。ドロンがよくこんな悪役を引き受けたなぁと言うのが正直な感想。まぁドロンもブロンソンも日本で人気があった俳優さんだから引き受けたんだろう。

 西部劇もハリウッド映画も変わりつつあった時代の一作なんだろうなぁ。