ハンター

●150 ハンター 1980

 アメリカでは1872年最高裁判所が民間人が保釈違反者を逮捕できることを認めた。1900年台に入り、ラルフ・パパ・ソーソンだけが賞金稼ぎとして働いていた。

 ラルフは保釈違反者である黒人青年のトミーを捕まえる。ラルフはトミーを車に拘束しておき、次のターゲットであるビリージョーに関する手続きをしようと警察を訪れるが、そこで保安官にすぐ街を出るように脅かされる。保安官はビリージョーの叔父だった。しかしラルフはビリーの隠れ家に行き、彼を捕まえる。

 ラルフは二人を警察に連れて行く。刑務所行きを心配するトミーに、判事に自分の助手をすることになっていると話すよう勧める。

 ラルフは家に戻る。彼の家には多くの友人たちが出入りをしていた。彼の恋人ドティは妊娠していた。彼女からラマーズ法の勉強をするようにラルフは言われるが、気が進まない。

 彼は事務所に行く。今回の二人の賞金をもらいに行ったが、リッチーは彼に次の仕事の話をする。凶悪な犯罪歴を持つ男を勧められるが、ラルフはブランチ兄弟を選択する。二人が食事をしている店でラルフに電話が入る。相手はメイソンと名乗り、お前を殺す、と脅迫してくる。

 彼は家に帰る。家にはトミーが来ており、ラルフの言う通りにして判事に許してもらっていた。家にはスポッタ刑事が来ていた。彼にメイソンのことを聞き、麻薬違反者で先月出所したことを知る。ラルフは念のためと言いドティに拳銃を渡す。彼は次の仕事の前にラマーズ法の勉強会にドティと参加する。その後ラルフはネブラスカへ行く。

 学校で教師をしているドティの元にメイソンが現れ、ラルフを殺すと話す。ドティは警察へ連絡する。

 ブランチ兄弟を追ってラルフは彼らの農場へ向かう。兄弟はダイナマイトで攻撃してきて、彼のレンタカーに乗り彼を襲ってくる。ラルフは巨大トラクターに乗り、農場で彼らと相対する。兄弟は自分の投げたダイナマイトで自爆することに。

 家に戻ったラルフはスポッタ刑事の家を訪ねる。彼は酒に溺れていた。彼は警察から証拠品である麻薬を持ち出したことで逮捕されることに。刑務所に入れば警察官がどんな目に会うか知っている彼は絶望しており、自殺をほのめかす。

 家に帰ったラルフはやるせなくなり、家にいた友人たちを追い出す。ドティからもうすぐ父親になるのに、と言われるが、お前の子だと言い放ち、家を出てしまう。彼は酒場で一人酒を飲む。翌日家に帰るとドティは家を出る準備をしており、話をするが彼女は出て行った。

 ラルフは酒を飲み寝ていた。そこへリッチーがやって来て、新しい仕事ベルナルドの話をする。8000ドルの大仕事だった。彼はドティに会いに学校へ行き、シカゴへ仕事に2、3日行く、家に戻れと話す。ドティは話だけを聞き、授業に戻る。

 ラルフはベルナルドの家に行き、銃撃戦となる。その後、建物の屋上での追跡、電車での追跡、カーチェイスをして、最後ベルナルドは立体駐車場から川へ転落する。

 家に戻ったラルフは、血まみれのトミーを見つける。トミーから変な男がドティを学校へ連れて行ったと聞く。学校へ向かうラルフ。教室に捕らわれていたドティを見つけるが、メイソンとの戦いになる。銃を手放していたラルフは、実験室に忍び込んだ際に、ガス栓を開け放ちメイソンが入ってくるのを待つ。メイソンは部屋に入って来て銃を放った瞬間大爆発が起きる。無事ドティを助け出すが、彼女はその場で産気づく…

 

 実話を元にした話であり、あくまで民間人ということで、逃亡者を追う話だが、ものすごいアクション映画というわけではない。ただ、トラクタを使ったカーチェイス?や、電車の車両の屋根部分でのアクション、高い建物から川へダイブするカーチェイスなど、映画らしい場面は多々ある。ちなみにレーサーでもあったマックイーンが扮するラルフは、なぜか運転が下手くそという設定なのが可笑しい。

 コメディタッチのシーンも多いが、ラルフとドティ、そして生まれてくる赤ん坊が感動させてくれる。映画を作っている時にはまだ病気が判明していなかったようで、まさか本人もこれが遺作となるとは思っていなかったんだろうなぁ。まだまだ見たかった俳優さんである。