鬼平犯科帳 第4シリーズ #05 深川・千鳥橋

 第4シリーズ #05 深川・千鳥橋

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 おまさは夜道を歩いていて、千鳥橋の袂で、間取りの万三が女といるのを見かける。

彼らをつけ、ひしやに入るのを確認する。女はお元、二人は部屋で過ごすが、万三は咳吐血し、自分はもう長くないと覚悟する。お元の父親も吐血しており、自分もうつされたと話す。万三は自分は捨て子で母親が恋しい、お元が求めていた女だと話す。万三は二人で房州の白浜に行き、そこで最後に暮らしたいと希望を言うが、それには金がいると話す。

 翌日万三はうなぎの大和屋へ行く。万三は主人金兵衛に事情を話す。万三をつけていたおまさはそのことを彦十に話す。彦十は大和屋は引退した金兵衛親方の店だと言い、万三は自分が引いた家の図面を盗賊に売っているヤツだ、鬼平に伝えなくては、とおまさに話す。

 おまさは鬼平に話に行く。話を聞いた酒井は、万三を捕らえて吐かせれば、これまでの仕事やまだ襲われていない屋敷を守ることができると話す。しかし彦十は、自分たちにも捕まえたいヤツとそうでないヤツがいると言う。おまさは、万三は若い頃からの労咳持ちで間も無く死ぬだろう、金兵衛親方も三箇条の約束を守る親方だったと話す。彦十は自分たちでしっかり見張るのでお慈悲を、と言い鬼平もうなづき約束する。

 酒井は鬼平のやり方が手ぬるいと批判するが、鬼平には鬼平の考えがあった。酒井は彦十たちを見張ることに。

 万三は金兵衛に間取り図を売り込んでいた。しかし金兵衛も引退した身のため、乙斐の文助を紹介することに。金兵衛は今回の間取り図の中身を知りたがる。彼は盗人仲間で幻の絵図面と呼ばれている浅草の札差金子屋の図面かと話す。

 おまさと彦十は赤沼の与助に襲われる。彼は二人が盗賊改めの狗となっていることを知り、仲間のための復讐だと斬りかかるが、そこを酒井が助ける。

 3人が万三のいる料理屋を見張っていると、お元が店に現れる。おまさは酒井と店に入る。万三はお元に金が入りそうだと話すが、お元はそれが汚い金ではないか、真人間のまま生きて欲しいと話す。

 酒井たちは鬼平に二人が労咳持ちであることを話す。鬼平は許すか許さぬか、二つに一つだと話す。

 大和屋を見張っていたおまさたちは、乙斐の文助を見かけ、事情を察する。万三は幻の図面を乙斐の文助と金兵衛に見せる。文助は図面を鈴鹿の弥平次に売ると話す。文助が店を出るとおまさと彦十が後をつける。文助はせんべい屋武蔵家に入って行った。

 万三はお元に図面が300両で売れることを話すが、お元はやめて欲しいと頼む。万三が眠りこけた後、お元は万三を自分の手で殺そうとするができなかった。

 文助は弥平次に話をするが、図面は10両なら買うと話す。すでに文助たちの寝ぐらは突き止めてあるから、タダで図面はこっちのものだと話す。騙されたと知った文助だったが、弥平次の手下に殺されてしまう。万三も店を出たところを、弥平次の手下の女に騙され、籠に乗せられてしまう。

 その頃、盗賊改方の屋敷にお元が駆け込む。万三が罪を犯す前に捕まえて欲しいと鬼平に訴えるのだった。そこへおまさが武蔵屋での出来事を報告しに来る。鬼平たちは武蔵家に踏み込む…

 

 ゲストキャラがメインのまま話が進む。ちょっと珍しいか。と言うか、ラストの鬼平がカッコ良過ぎ!病持ちの二人だから悲しい結末だと思って見ていると、最後にひっくり返される。

 前話ではなかったが、それ以外では見せてきた第4シリーズの売りになりそうな、鬼平と久栄の会話が出て来る。しかし今回は鬼平やおまさが若い時の話で結構重要な話だった。単なる1話完結の話ではなく、鬼平シリーズ全体に深みを持たせる二人の会話になっていきそうな気配。