若草物語

●151 若草物語 1964

 大阪の高村家の由紀(浅丘ルリ子)、しずか(吉永小百合)、チエ子(和泉雅子)は、父親が再婚したことをきっかけに、結婚して東京に住む姉早苗(芦川いづみ)の元へ家出をする。空港からの足に困っていた3人を、野沢が車で送ることに。

 しばらく姉の住む家に厄介になっていたが、姉の勧めもあり、3人はアパートを借りることに。早苗が貯金を崩しお金を出してあげた。由紀としずかはデパートで勤め始めるが、チエ子は仕事が見つからず、アルサロで仕事を始める。

 由紀としずかは仕事帰りに幼馴染の次郎と会う。次郎は3人のアパートに遊びに来るようになった。3人と次郎、チエ子の友人健吉はスキーをしに行く。そこで、空港から送ってくれた野沢と再会、彼の別荘に行くことに。

 スキーから帰ると、家に父親が来ていた。彼は再婚相手と喧嘩をし家を飛び出して来ていた。父思いのしずかは喜ぶが、由紀は父をたしなめる。結局父は大阪に帰ることに。しずかは怒り家を飛び出してしまう。由紀は心配し姉などにも相談するが、次郎に相談しようと思い、彼の家に行く。するとそこにはしずかがおり、昨晩も泊まったと聞きしずかを叩く。そこへ次郎が帰って来て、次郎のことも叩いて出て行ってしまう。

 由紀の仕事帰りを野沢が待っていて、二人で食事に出かける。その頃次郎が由紀に謝るためにアパートへ来ていたが、チエ子は話を聞き、次郎が由紀に惚れていると話し、次郎もそれを認める。しずかはまた家を飛び出すが、食事から戻った由紀が次郎を夜道を仲良く散歩しているのを目撃する。そんなしずかを次郎の同僚山本が探しに来る。山本はしずかの勤める下着売り場に頻繁に顔を出すようになる。同僚に言われ、しずかは山本の家で洗濯をする約束をする。同じように野沢も由紀の職場に現れ、由紀を別荘に誘う。由紀は次郎の都合を聞き、別荘に行くかどうかを決める。

 しずかは駅で偶然カメラマンの仕事をしている次郎に会い、彼の仕事を一日手伝うことに。しかしあまり力にはならず、次郎は一人で仕事に行くことに。最後に手伝ってくれたお礼を言われしずかは微笑む。

 由紀は野沢の別荘へ行く。戻った由紀は次郎の家に行くが、二人の思いはすれ違いはじめていた。しずかは山本の家で洗濯をし、料理も作ってあげることに。

 由紀としずかは職場で一緒に昼ごはんを食べていた。その場で由紀は明日野沢の家に誘われたことを話す。しずかは次郎を大事にするようにと話す。翌日由紀は野沢の家に行き、野沢の両親や妹と会うことに。妹と母は由紀の職場でカメラを購入していた。由紀は野沢の家族と食事をすることに。その場で野沢は由紀にプロポーズをする。母から十分に考えた上で結論を出して欲しいと言われる。

 由紀は次郎とボクシングを見に行くが、ここでも二人の思いはすれ違ってしまう。翌日野沢が由紀の職場に現れる。仕事終わりに由紀は次郎に電話をし、次郎の会社へ向かう。野沢は3人のアパートに現れるが由紀は不在だった。チエ子はプラモデル作りのバイトをしていた。健吉は父の病気で山形に帰ることになった。そんな彼に餞別としてチエ子はキスを許そうとするが。

 しずかは山本とデートをしていた。山本は親への手紙にしずかのことを書いたと言い、転職を考えていると話す。由紀は次郎の会社で待っていたが、次郎は急な仕事で式根島へ飛ぶことになる。由紀は次郎と離れることを怖がるが、次郎は仕事へ行くことを選び、二人は喧嘩をしてしまう。山本はしずかにプロポーズをするが、しずかは拒んでしまう。雨の中あてもなく歩く由紀の元に野沢が現れ、車で別荘に向かう。由紀は野沢に本当は好きな人がいると告白する。それを聞いた野沢は暴れ始める。

 アパートで由紀は野沢と婚約することをしずかに話す。その場には次郎もいたが別れを告げ出て行く。しずかは由紀に死んでしまえと言い家を飛び出て、次郎の元へ行き、何もしない次郎に怒りを爆発させる。

 由紀は結婚し新婚旅行に旅立つ。しずかたちは送りに来ていたが、そこへ山本が現れ、次郎も今日瀬戸内海に仕事に行くことを話す。それを聞いたしずかは山本の制止を振り切り次郎に会いに行く。列車に乗る次郎に向かって、仕事を手伝いに行く、と話す。家に戻ったしずかは、旅の支度をして瀬戸内海に向かう。姉早苗と妹チエ子はしずかにへそくりを渡し、飛行機で行くように勧める。二人はしずかを見送る。その帰り道、早苗は夫と別居しチエ子と暮らそうと話す。しかし、街に戻った早苗は家に帰ると言い出す…

 

 オリジナルの若草物語とは全く異なり、四姉妹それぞれの生き方を描く部分だけが同じなのかな。東京オリンピックの年に作られているので、東京の風景も描かれる。当時の若者の文化も。話そのものは姉妹で同じ男を好きになる、というよくあるストーリー。おそらく当時売れっ子の女優さんを並べて作品に仕上げたという感じ。みなさんキレイで、それぞれに特徴のある役なのが見所か。85分の短い良作といったところか。