アラン・ドロンのゾロ

●154 アラン・ドロンのゾロ 1975

 ディエゴは旅の途中で友人ミゲルと店で出会った。10年ぶりに会った彼はニューアラゴンの新総督になる予定。彼の伯父がマラリアで死んだため彼が替わりになるのだった。しかしディエゴはその地にはマラリアはないと教える。店を出たミゲルは何者かに殺されてしまう。ディエゴは襲った人間を倒し、ウエルタ大佐が黒幕だと知る。ディエゴはミゲルの代わりに新総督としてニューアラゴンへ行くことを決意する。

 ニューアラゴンではウエルタ大佐が着任しない新総督の代わりに自分に権威を、と話していた。そこへミゲルに化けたディエゴが現れる。前総督の妻と会食をしていると、護衛がお菓子を持ってくるがそれには毒が仕込まれていた。ディエゴはウエルタ大佐の前では頼りない男を装っていた。ディエゴは大佐に自分の護衛を依頼すると、太っちょのガルシアが護衛に任命される。

 ディエゴはミゲルのお付きだったホアキンと共に街に出て人々の暮らしの様子を探る。広場では子供がヤギやニワトリを逃し、「Z」のマークを後に残していた。そこへ神父がやってきて民衆に演説を始めるが、兵隊が来たため逃げる。子供が兵隊に神父の行き先を聞かれウソの方向を教えたのを聞いて、ディエゴはその子供に神父の居場所を訪ね、一緒に行くことに。途中、「Z」の意味を聞き、それがゾロのマークだと教えてもらう。

 神父の居場所へ行くと、神父は兵隊に捕まっていた。神父は広場で裁判にかけられていたが、商人も裁判官もでっち上げの事件で彼を罰しようとしていた。一人の女性が裁判に異議を唱えるが、兵に止められる。そこへゾロが現れ、神父を助ける。民衆は快哉を叫んだ。

 ディエゴは家で肖像画を見てその女性が誰か尋ねる。それは罪を犯し追放された貴族一家の娘オルテンシアで、ミゲルにとっては従姉妹だった。オルテンシアは民衆に支配者への不満を訴えていた。そこへ兵隊がやってくるが、またゾロが現れ、兵隊たちを子供扱いしてやっつける。またも民衆は快哉を叫ぶ。

 騒ぎがおさまり、オルテンシアは家に戻る。そこへゾロが現れ二人は会話をする。そこへウエルタ大佐と兵隊たちがやって来て、彼女の両親を取り調べようとする。大佐は彼女に結婚も迫っていた。無理やりキスをした大佐の前にゾロが現れ、彼女に謝罪をさせる。

 前総督の妻が修道院へ入るために去って行く。護衛がついて行くが、山中で山賊に襲われる。護衛が対処するが、影でゾロたちも助けていた。山賊たちは大佐の差し金だった。

 街では民衆が不当に逮捕され、採掘場へ連れて行かれ、強制労働を強いられていた。

 前総督の妻と護衛がみすぼらしい姿で城に戻ってくる。妻は護衛が山賊から自分を守ってくれたことに感謝し、二人は結婚をすることに。その場へオルテンシアが両親とともに現れる。そこへディエゴの飼い犬がゾロからの手紙を持って現れる。ゾロは総督の命を狙うと宣言していた。また部屋の中も荒らされていた。ディエゴの完全体制での護衛が始まる。

 大佐はゾロを助けるためにオルテンシアを囮とするため、捕らえ牢に入れることにする。しかし牢にはゾロが待っており、二人はまんまと牢から逃げ出す。ゾロとオルテンシアを捜索する兵隊たちだったが、大佐は事前に計画を知っていたのは総督しかいないことに気づき、彼の部屋へ急行する。しかしディエゴはなんとか自分の部屋に戻っていた。大佐は総督がゾロではないかと疑う。ディエゴは疑いを避けるためにも、次は自分が囮になる計画を話す。

 ディエゴはガルシアと魚釣りに出かける。二人を大勢の警護兵が見守る。そこへゾロが現れる。大佐は総督が化けたと思うが、そこには総督も現れる。大佐は驚くが、ゾロを追うことに。この時のゾロはホアキンが化けていた。兵隊に追われたホアキンは神父のところへ助けを求める。神父は勉強をしていた子供たちにゾロの格好をさせ、兵隊を混乱させる。ディエゴはガルシアをうまく騙しつつ、ゾロとして現れる。採掘場へ行くと神父が捕らわれていたのを救い出し、採掘場の人々も解放させる。そこへ大佐たちがやって来たため、ゾロは逃げるが、馬車ごと海に落ちてしまう。ゾロは総督とともに死んだと思われた。

 大佐はオルテンシアと結婚をすることになった。その式の日、神父は民衆とともに現れ、大佐に反抗する。神父が逮捕されそうになったその時、ゾロが現れる。大佐は兵たちにゾロを撃つよう命じるが、神父がそれを止める。怒った大佐は神父を撃ち殺す。それを見た民衆は兵隊たちへ反抗し始める。そしてゾロと大佐の一騎打ちが始まる…

 

 以前にマスク・オブ・ゾロを見ているが、この作品こそがオリジナル?だよなぁ。子供の頃に見た記憶があるが、改めて見ると、ドロンが意外にコメディをうまくこなしていると感じた。というか、全編コメディと言って良い作り。軽快な音楽も楽しい。オルテンシアの家の前で繰り広げられるゾロと兵隊たちの戦いは、まるでドリフのコントのよう。ネットで調べたら、ドロンが子供にせがまれた作った映画、ということで納得。

 1週間ほど前にサムライを見たばかりなので、その役柄のギャップがスゴいが、2時間何も考えずに楽しく見れる作品なので良しとしよう。ドロンの子供も喜んだのかな?