ラ・ラ・ランド

●158 ラ・ラ・ランド 2016

 冬

 女優を目指しているミアは映画スタジオのカフェでバイトをしながらオーディションを受けているが落ちてばかり。彼女は仲間とシェアハウスに住んでいたが、ある日仲間にパーティへ誘われる。パーティの帰り車を駐車禁止で持って行かれた彼女は歩いて帰るが、途中入った店でセブのピアノを聴く。

  ピアノ弾きのセブはジャズが好きで自分の店を持つ夢を持っていたが、それが叶わずにいた。姉にもきちんとした仕事につくように言われていた。彼は店でのピアノ弾きのバイトをしていたが、彼の好きな曲は店のオーナーの方針と違っていた。それでもオーナーの方針に合わせて弾くつもりだったが、やはり自分の好きな曲を弾いてクビになる。ミアが聞いたのはそんなセブの曲だった。ミアは彼に語りかけるが、彼は彼女を無視して出て行く。

 春

 ミアはパーティでセブに再会し彼に曲をリクエストをする。パーティ終わりに男につきまとわれ困っていたミアはセブに助けてもらう。二人は夜の道を散歩しながら話をする。夜景を見ながら話す二人だったが、お互いを好きになることはない、と話し別れる。

 翌日ミアのバイト先にセブが現れ、二人は撮影所の中を歩きながらお互いの話をする。ミアがジャズは嫌いだと話すと、セブはミアをジャズが聴ける店へ連れて行く。その時ミアにオーディションの一次審査に受かったという電話が入る。それがきっかけで映画理由なき抵抗の話となり、二人は映画を見に行く約束をする。

 ミアはオーディションを受けるが、簡単に落ちてしまう。家に戻ったミアは恋人から夜、彼の兄との食事の約束の話をされ、映画の約束が気になる彼女だったが、食事へ向かう。食事の店でセブが弾いていた曲を聞き、ミアは席をたち映画を観に行く。映画を二人で観ていたが、途中トラブルで停止してしまう。二人は映画の舞台だった天文台へ行く。

 夏

 ミアは舞台劇の脚本を書き始める。ミアとセブの交際は順調だった。二人がジャズを聞いていると、セブの友達のキースが現れ挨拶をする。その夜ミアはセブにキースのことを尋ねる。セブはキースに仕事に誘われていたが断るつもりだった。翌日ミアは親に電話をしていた。ミアがセブの仕事についてきちんと親に話せないのを知る。

 セブはキースを訪ね、一緒にバンドをする契約をする。しかしバンドの曲の方向性はセブの好みとは異なっていた。

 ミアはバイトを辞め、自分が書いた脚本の一人芝居を実現させるために動いていた。一方セブもバンドの仕事を続けていた。二人はそれぞれが忙しくなりすれ違う日が多くなっていた。

 ミアはセブのバンドのライブを聞きに行く。そこで聞いた音楽がセブの好みではないことに気づく。

 秋

 ミアはいよいよ一人芝居の劇を行うこととなる。セブはツアーで不在が多くなっており、寂しさを覚えたミアは彼に電話をする。その夜、サプライズでセブが家に戻ってきていた。二人は食事をしながら会話をする。ミアは舞台への不安を話す。セブはミアに一緒に来ないかと誘う。一緒にいたいからだと話す彼に、ミアはツアーはいつまで続くのか尋ねる。年単位の話をされたミアは、店を持つ夢はどうするのか聞く。セブは今の仕事を選んだのは、ミアのためだと話し、二人は喧嘩となり、ミアは出て行く。

 ミアの舞台の日、セブはインタビューの仕事を忘れていた。ミアの舞台は客の入りが少なかった。終演後舞台裏でミアは観客達の酷評を耳にする。セブは遅れて劇場に来るが、ミアは全て終わり、自分の故郷へ帰ると話し去ってしまう。

 セブはバンドを辞め、以前の通りの仕事を始める。そんな彼が部屋にいると、ミアへ電話がかかる。彼女はいないと話すが、その電話はオーディションへの誘いの電話だった。セブはミアの故郷へ行き、その話をする。ミアはもうオーディションは受けないと話すが、セブは懸命にそれを説得し、翌朝迎えに来ると話す。翌日二人はオーディションへ向かう。オーディション後、ミアは今後の二人について尋ねるが、セブはミアはパリに行って仕事に集中すべきだ、その後は様子を見ようと話す。

 冬

 5年後。ミアは女優として成功し、小さな子供もいる家庭を持っていた。セブは自分の店を持ち夢を実現させていた。ミアは夫と出かけるが渋滞に巻き込まれたため、高速を降りて食事をする。その後夫が偶然見かけた店に入る。その店の名前はかつてミアがセブのために考えたセブの店の名前だった…

 

 もともとミュージカルのストーリーは単純なものが多いが、これもそうだと思う。今回2回目の鑑賞で、ストーリーがわかっていたため、余計に冒頭の曲の歌詞が刺さってきた。というか多くの曲の歌詞が刺さった。

 タモリが昔からミュージカルは不自然に皆が歌い出すところが変だ、と言うが、この映画はそれをあまり感じさせない。それが映画のヒットした原因だとは思わないが、いわゆる古いミュージカルとは一線を画すものだと思う。ラストのスタジオ撮影と思われるシーンも古いミュージカルへのオマージュのように思えるし。

 主人公二人の夢が叶ったのに、映画としての結末が寂しいのが共感できるところなのだろう。ハッピーエンドばかりがグッドエンドではない、という意味で良い映画なのだろうなぁ。

 

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