ミネソタ無頼

●169 ミネソタ無頼 1964

 囚人が作業をしている採掘場でクレイはケンカをし医者に見てもらう。医者の見立てではクレイの眼は失明してもおかしくない状態だった。クレイは医者を人質に脱獄し、ニューメキシコへ向かう。途中医者に銃を返し解放する。

 山で男たちに馬車が襲われオルティスの父が射殺される。そこへクレイが来る。男たちの一人がクレイを撃とうとするがクレイは見事に反撃する。クレイは馬車に残った女と話をする。女はオルティスの女だと自己紹介し助けてもらったことを感謝する。クレイは女たちに逃げるように言い、死体を街へ運ぶように言う。女はエンカンターダの街はフォックスが牛耳っていて危ないと話す。

 クレイは途中墓地に寄りエリザベス・マリガンの墓を参る。

 クレイは街へ行きフォックスと会う。彼はクレイの無実を証言できる唯一の人間だった。彼はお尋ね者のため証言できなかったが、今はこの街の保安官になっていた。酒場を出たクレイにアンディが声をかける。彼はクレイの助手になりたがるが断られる。アンディはこの街はフォックスに牛耳られ、外からはオルティス一味に狙われていてもう終わりだと話す。そこへフォックス一味がやってきて街で騒ぐ。買い物に来ていたナンシーの馬車が暴走を始める。クレイはナンシーを助ける。

 クレイはジョナサンに会いに行く。彼はクレイの娘ナンシーの育ての親だった。そこへオルティスの子分たちがやって来て親分がクレイに会いたがっていると伝える。オルティスはクレイにフォオクス一味を倒すのを手伝えと話し金を渡す。クレイは一晩考えさせてくれと話す。夜オルティスの女エステッタがクレイに会いに来て。明日ジョナサンの農場を焼き払うつもりだと伝える。そこでフォックス一味をおびき出すつもりだと。クレイはジョナサンの家に向かう。

 ジョナサンの家にはナンシーだけがいた。クレイは彼女にペンダントを渡す。そこへジョナサンが戻って来る。クレイは自分の首をかけ軍隊を呼ぶように、そして懸賞金でジョナサンとナンシーで他の街へ行けと話す。軍隊が来ればフォックス一味もオルティス一味も大人しくなるはずだと。街にいたフォックスの元にエステッタから手紙が来る。フォックスは仲間を集め、ジョナサンの農場へ向かう。

 オルティスの隠れ家では見張りが殺され金が盗まれていた。怒るオルティスエステッタはクレイの仕業で、ジョナサンの家に行ったと話す。それを聞いたオルティスはジョナサンの農場へ全員で向かう。

 農場にはクレイ、ジョナサン、ナンシー、アンディがいてオルティス一味に応戦する。途中クレイを除く3人が馬車で逃げるが、オルティスは狙いはクレイだと止まり、家に火をつける。煙にやられたクレイは家を出て来る。そこへフォックス一味が来る。怒るオルティスだったが、エステッタに撃ち殺される。フォックスたちはクレイの懸賞金目当てに彼を街に連れ帰る。

 エステッタはフォックスと新しい街へ逃げるつもりだったが、フォックスはそのつもりは全くなかった。それを知ったエステッタはクレイを逃す。クレイはジョナサンの家に行き、アンディに軍隊を呼ぶように言う。クレイが逃げたことを知ったフォックスは激怒し、街の顔役たちにオルティスを倒した代金の請求とともにクレイを連れて来るように言う。連れてこなければ1時間に一人ずつ殺すとも。それを聞いたクレイは街へ向かう。そしてフォックスの手下たちとの戦いが始まる。

 目が見えないクレイは音だけを頼りに手下たちを倒す。最後にフォックスも。そして翌日軍隊とともに街を去るクレイだった…

 

 ちょっと変わり種の西部劇。イタリア製作だからか?

 主人公は眼をやられていて終盤の決闘シーンではほぼ見えておらず、音だけを頼りに戦う。ここが売りか?座頭市が日本で始まって2年後ぐらいに作られているのでそれを参考にしたのか?敵役は2グループあるが、オルティス一味はちょっとボケていて、フォックス一味が本当の敵役となっている。しかし眼が見えない主人公にあっさりとやられるのはなんだかなぁ、という感じ。

 主人公が娘に父親であることを隠し通したままストーリーが進むが、これは西部劇のあるあるか。似たようなストーリーを見た記憶がある(真昼の用心棒)。悪党を倒すだけの西部劇はこの頃もう既に時代遅れだったのか。オルティスの女エステッタも2度3度と裏切りをするし、人間関係を複雑にするのが流行りだったのかしら?