ギターを持った渡り鳥

●173 ギターを持った渡り鳥 1959

 函館の酒場で外国人にからまれていた流しを助けた滝は店のママの紹介で秋津と出会う。自分の配下で働かないか打診されるが滝は断る。翌日滝は海で由紀と出会う。彼女は父親に滝を引き合わせるが、父親は秋津だった。由紀は秋津の娘だった。

 店で流しをしていた滝は地元の流しにからまれる。止めに入ったのは秋津だった。改めて仕事を手伝うよう依頼され滝は受け入れる。秋津は金貸しでそれをカタにした土地の立ち退きも行なっていた。チンピラがしくじった件を手助けするよう依頼され滝は出向く。その仕事に成功した滝に秋津はもう1件依頼をする。函館の観光ルートに沿った場所にアミューズメント施設を作るつもりで、予定地である丸庄を立ち退かせる仕事だった。

 滝は丸庄へ向かい借金の催促をする。払えないという主人に約束通り船をもらうと話すと丸庄の奥さんが兄さんのことだからと駆けつける。滝は丸庄の主人庄司の妻が秋津の妹だと知る。滝は秋津に事情を尋ねる。秋津は妹の結婚に反対しており、その旦那も気に入っていなかったため仕組んだことだった。

 由紀が滝を誘いデートをする。滝のことを知りたがる由紀は滝に昔恋人がいたこと、その女性が亡くなったことを知る。その夜滝と由紀がデートしていた店に秋津の部下馬場が来て店員を脅す。滝はそれを止める。滝は秋津に呼び出され、由紀と会うことを禁じられる。その場で神戸の田口組から来たジョージと出会う。ジョージは滝とどこかで会ったかと聞くが滝は知らないと答える。

 ジョージは秋津に麻薬の取引に船が必要なので貸して欲しいとお願いする。秋津は丸庄から得た船を提供する。船には滝も同行する。船上で拳銃遊びをしていたジョージが滝を挑発する。滝が拳銃を撃つとジョージは滝は神戸の刑事だと思い出す。二人は決闘をしようとするが、そこへ巡視艇が来る。船内監視の際に滝はジョージの危機を救う。麻薬の取引も中止となり、二人の決闘は休戦となる。

 丸庄の庄司は船を取られたことを恨み秋津のところへ行こうとするが、妻と部下に嗜まれる。その夜酒を飲んだ庄司は秋津のところへ向かうが、馬場に殺される。

 翌日水死体となった庄司が発見される。それを見た滝に沼田が声をかける。沼田は神戸時代の警察の上司だった。沼田はジョージを追って函館に来たことを滝に告げる。

 庄司の葬式が行われる。庄司の部下だった安川に滝は喧嘩を売られる。黙って殴られる滝だったが、由紀が来て安川は逃げる。由紀は自分の父が何をしているのか聞くが滝は答えなかった。

 麻薬の取引が再度行われる。ジョージと滝が船で向かう。秋津は殺し屋に二人を始末するよう命じる。取引が終わり、ジョージと滝は決闘を行おうとするが、殺し屋が滝を撃ち、ジョージは殺し屋を撃つ。殺し屋は秋津のいる店に入って来て絶命する。その後へ滝が現れる。秋津のことを追い詰めるが、拳銃で反撃される。そこへ秋津の妹が来て射殺される。滝は絶体絶命のピンチを迎えるが、ジョージが秋津を殺す。

 二人は改めて決闘を行うが、滝がジョージの拳銃を撃つ。そこへ警察が入って来てジョージは逮捕される。滝は沼田と話し、死んだ女の墓参りで佐渡へ行くと話す。船の見送りに由紀たちも来る。滝は由紀に秋津のことを詫びる。二人は再会の約束をするが…

 

 宍戸錠さんが亡くなったことでの追悼放送。

 まさに昭和の娯楽映画。難しいことは考えず楽しめる。カッコ良いヒーロー、それに惹かれるマドンナ、許せない悪者、悪者により悲劇を迎える被害者。全て揃っている。そこに、主人公の敵なのになぜか憎めない殺し屋ジョージ、とくれば、宍戸錠さんの役所はおいしいし、人気が出るのもわかる。

 約60年前の映画ということで、金子信雄浅丘ルリ子も顔を見ても誰だかわからなかった。小林旭も知っている顔と違うし(笑 野呂圭介さんなんかも出ていて、どっきりカメラを思い出した。そうか、どっきりカメラに宍戸錠さんが出ていたのはこの人とセットだったのか。

 もう少し同じシリーズを見たい気もするが、別の話なのに同じ俳優さんが出ているみたいで、ちょっと引くかな(笑