鬼平犯科帳 第4シリーズ #15 女密偵・女賊

 第4シリーズ #15 女密偵・女賊

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 おまさが口合い人佐沼の久七と定期のつなぎをつける。口合い人とは盗賊同士を引きあわせる仕事だった。久七はおまさの父、鶴(たづがね)の忠助の仲間だった盗賊だったが、鬼平密偵として働いていた。

 久七から押切の駒太郎という錠前外しの話を聞く。彼が顔を見せ、八王子の清水屋で仕事をしたばかりとのことだった。おまさはあとをつけたか聞くが、久七は歳でそれは無理と話す。久七の所を後にしたおまさは粂八に、久七は駒太郎が可愛くて見逃したのだと話す。久七の扱いをどうしたら良いか相談していたのだった。

 二人が話しているのを茶店から見ていた女に粂八が気づく。おまさはその女は昔一緒に組んで仕事をしたことがあるお糸だと話す。おまさはお糸に声をかける。お糸は仕事をしたばかりだと話すので、おまさは今日は一緒にゆっくりしようと誘うが…。おまさは鬼平に報告をする。お糸は待ち人を待っていると話していた。鬼平村松を呼んで明日料理で人を癒して欲しいと頼む。

 翌日おまさは粂八と茶店の様子を探る。お糸はまだ人を待っていた。おまさは声を掛け二日も待たせる男は酷いと話すが、お糸はあの人はきっと来ると言い張る。泣き出したお糸におまさは本所笹やへ誘う。その店は鬼平の昔馴染み小熊ばあさんがやっている店で盗賊改方の連絡場所だった。店では村松が料理を作っていた。

 八王子の清水屋押し込みの調べが来る。鬼平は粂八を呼ぶ。

 おまさはお糸から話を聞く。お糸が待っていたのは、押切の駒太郎だった。駒太郎と最後に会った時に彼はいそぎ働きに嫌気がさしていて結婚の約束をし茶店で待っていた。お糸はお頭に止められたのかもと言い、おまさはお頭の名を聞く。鳥浜の岩吉というお頭だった。おまさは久七なら駒太郎の居場所を知っているかもと思い、出かけようとするが、そこには粂八が待っており、鬼平からの呼び出しだと告げる。

 粂八とおまさは鬼平のところへ行く。駒太郎が清水屋で仕事をしたと言ったことを確認し、鬼平は清水屋では800両が盗まれ、下女と小僧が殺害されたと話す。おまさはお糸から聞いた話をする。

 賭場でかまいたちと呼ばれる浪人が負け、すぐ戻って来ると言い席を立つ。かまいたちは盗賊の家に親分を訪ねて行くが、居留守を使われる。逃げようとする親分たちをかまいたちは見つける。かまいたちは金の無心に何度も来ていた。親分はかまいたちを追い出そうとするが、かまいたちは金目当てで離れるつもりはなかった。

 鬼平は久七の家に行く。久七に駒太郎との関係を聞く。久七は駒太郎の父に命を二度救ってもらっていると話す。駒太郎は非道を嫌っていると言うが、鬼平は清水屋でのことを教え、駒太郎のことを教えるように話す。そして盗人宿が判明する。

 お糸は笹やで盗賊改めに捕まる。おまさは心の中で謝る。粂八がおまさに声を掛け茶店に寄る。粂八は長谷川様を信じるしかないと話すが、おまさは一途の女心を踏みにじったと涙する。

 鬼平たちは盗人宿で鳥浜の岩吉一味を捕まえる。岩吉は取り調べで全てを話す。駒太郎はすでに死んでいる、やったのはかまいたちで、毎晩中間部屋の賭場にいる、と話す。最後にどうして仕事がバレたのかと鬼平に尋ねる。鬼平は、盗賊とそうでない女二人の気持ちがお前に縄を掛けさせた、と答える。

 鬼平かまいたちこと堀七兵衛を見つけ出し斬る。その場にお糸も来ていた。鬼平はお糸に声を掛けその場を去る。

 鬼平はおまさを宅に呼ぶ。今日からお前に手下をつけると話す。そこにいたのはお糸だった。

 

 おまさの昔馴染みが出て来るのは、最近やったばかり(「第4シリーズ #11 掻掘(かいぼり)のおけい」)。しかし今回は、お糸を売るのを迷い粂八に相談するシーンやお糸が捕まった後心の中で謝るシーンがしっかりと描かれ、おまさの苦悩が共感できた。そのことがあったからこそのラストの大団円となる。それでもやっぱりお糸はこの後密偵として出て来ることはないだろうが(笑

 同じように?お熊ばあさんが出て来るが、こちらはしっかりと前振りの話があった(第1シリーズ #13 笹やのお熊」)。密偵となる約束がキチンと果たされたようだ。ただし第1シリーズとは女優さんが代わっている。前の登場から4年後の作品だが、何か都合が悪かったのか?それともこの後もちょいちょい出て来るようなので交替したのか。

 それにしても冒頭で斬られたのが駒太郎だったとは。なかなか味な演出をする。

 

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