勇気ある追跡

●177 勇気ある追跡 1969

 ロスはトムを連れ、馬の買い付けに出かける。しかし酒場で酔ったトムはロスを撃ち殺してしまう。ロスの娘マティは父親の遺体確認のために街へ出る。そこで復讐のため連邦保安官コグバーンを金で雇おうとするが、コグバーンは高額な金額を要求してくる。

 マティは父親が進めていた馬購入の件で売主に掛け合い300ドルをせしめる。この金でコグバーンを雇うことに。その晩宿に戻ったマティはラビーフに話しかけられる。彼も別件でトムを追っていたテキサスレンジャーだった。一緒にトム探しをするように持ちかけられるが、ラビーフはテキサスにトムを連れて行くと主張、この街で縛り首にしたいマティとの意見は相容れなかった。翌朝マティがコグバーンの家に行くとラビーフが来訪していた。ラビーフはトムの賞金の話をコグバーンにし、彼も乗る気になり、二人は一緒にトムを探すことに。マティは連れていけないと言われる。

 二人がトム探しの旅に出るとマティが付いてきた。二人は嘘を言って川を渡る船にマティが乗れないようにするが、彼女は馬とともに川を渡る。そんな彼女を見たコグバーンは彼女の同行を許可する。

 三人は山の中で小屋を見つける。調べるとそこにはトムの仲間と思われる盗人が二人いた。彼らは二人を捕まえトムの行方を喋らせる。二人は仲違いし片方が刺される。刺した男をコグバーンは射殺する。トムたちがその小屋に来ると聞いた三人は待ち伏せをする。しかし仲間の二人は撃ったが残りに逃げられる。

 盗人たちを追跡するが、山中でマティが一人の時に偶然トムで出会う。彼女はトムを撃つがその仲間に捕まってしまう。コグバーンとラビーフはマティの命を助けるためにその場を去ることに。盗人たちは逃げるが、馬の数が足りずマティとトムがその場に残ることに。マティが逃げ出そうとしてトムに捕まりピンチとなるが、戻ってきたラビーフが助ける。コグバーンは盗人四人と撃ち合いになり彼らを倒す。マティはトムと戦うハメになり、蛇の穴に落ちる。コグバーンはトムを射殺する。蛇に噛まれたマティを救うため、コグバーンは馬を走らせ知り合いの医者のところへ。

 危険な状態だったマティは助かる。そして彼女の代理弁護士大ゲットがコグバーンの元に訪れ謝礼金を支払う。コグバーンとマティはマティの父親の墓を参る。彼はマティに別れを告げる。

 

 前に見た「オレゴン魂」の前作らしい。どうりでジョン・ウェインがアイパッチをしている保安官なわけだ。

 ストーリーは父親殺しの復讐のため、少女が助っ人を頼む話。そう助っ人。彼女は頼むだけではなく、自らの手で復讐しようとし、危険な目に会うことになる。しかし結末は彼女が復讐を果たすわけではなく、ジョン・ウェインが殺してしまうのだが。

 ジョン・ウェインの映画はこれで7本目。この作品の6年前に作られた「マクリントック」で既に強い女が描かれていたが、この作品ではそれがなんと少女になっている。西部劇も来るところまで来たんだなぁという感じだったのだろうか。しかし見ていて違和感があるわけではない。マティ役の女優さんは美人でもなく、ゴツいわけでもなく、本当に西部時代の大人しそうな少女といった雰囲気を持っていた。それでいて口ではジョン・ウェインに負けていないところ、むしろジョン・ウェインが少女にやり込められるところがこの映画の「売り」だったのかも。

 それでもジョン・ウェインがアカデミーを取った作品。当たったんだろうなぁ、続編も作られたことだし。確かにある意味安心して見ていられる娯楽作品だった。