戦場のピアニスト

●178 戦場のピアニスト 2002

 1939年ワルシャワ、ピアニストのシュピルマンはラジオでの演奏中にドイツ軍の侵攻が始まり局から逃げ出す。その後街はドイツ軍に占領され、ユダヤ人差別が始まりユダヤ人たちはゲットーへの移住を迫られる。ユダヤ人であるシュピルマンの家族も同じだった。そしてユダヤ人の強制収容所送りが始まり、家族共々送られることになるが、列車に乗る直前に、シュピルマンのみユダヤ自治警察の知り合いヘラーに助けられる。

 彼はゲットーでの生活を余儀なくされるが、市場で知人を見かけ、かのじょに助けてもらい、ゲットーからの脱出をする。隠れ家を転々とするシュピルマンだったが、そこも危険な状態となる。そこで知人に渡されていたメモにある住所を訪ねる。そこに住んでいたのは、友人の妹とその夫だった。夫婦の助けを借り、また隠れ家生活を始めたシュピルマンだったが、ワルシャワ蜂起が発生、彼は完全に孤立してしまう。

 廃墟と化した家の中で隠れて生活をしていた彼だったが、ある時ドイツ将校に見つかってしまう。ピアニストだと話すと将校はピアノを弾くように命じる。彼が弾くと将校は黙って去っていった。そして将校はシュピルマンが隠れていた家をドイツ軍の拠点としながら、彼に食料などを施す。

 ソ連軍がワルシャワに迫り、ドイツ軍は撤退することに。将校はシュピルマンに食料や服を渡し、最後にシュピルマンの名を尋ねる。

 しばらくして戦争が終わり、シュピルマンは助かる。そして音楽仲間から将校の話を聞く。シュピルマンは戦争前の生活に戻り、ピアノを弾くのだった。

 

 第二次世界大戦時、ポーランドであった実話らしい。ユダヤ人の迫害がこれでもかと描かれ、胸が締め付けられるような思いで映画を見た。ワルシャワ蜂起は知らなかった、この映画を見なければ知ることはなかったと思う。人の命がとても軽い戦時。下手なギャング映画よりも、人が射殺されるシーンが多かったのではないか。

 胸の痛む映画だったが、最後のドイツ軍将校とのエピソードで見ている方も救われる。戦争もいやだが、人種差別はもっと嫌だと思える作品。

 

戦場のピアニスト(字幕版)

戦場のピアニスト(字幕版)

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