寺内貫太郎一家 向田邦子全集 第四巻

寺内貫太郎一家 向田邦子全集 第四巻

 子供の頃TVドラマでやっていたのは知っているし、ちょっと前にBSで再放送していたのも知っている。しかし一度も見たことはなかった。まさかこのドラマが向田さんの原作だったとは。

 昔を懐かしむTV番組などで、ドラマそのものを少し見たことがあるので、どの役を誰がやっていたかはすぐにピンと来た。読んでいる最中も、セリフはその人が言っているように読むことができた。

 当時のアイドルが出ていてそれが売りのコメディドラマだとばかり思っていたが、内容は向田さんらしい本音がムキ出しになっているストーリーだった。樹木希林のきん小林亜星の貫太郎も家族に対してその言葉や態度は容赦がない。しかし本当に言うべきことを言うシーンがあり、笑いの中にも涙あり、というドラマになっている。

 なぜ梶芽衣子がビッコなんだろう、なぜ浅田美代子の母の1周忌が祭りの日なんだろう、と他の小説同様その組み合わせに疑問を抱きながら読んでいくことになるが、いかにも向田さんらしい組み合わせであることがわかってくる。

 いやぁドラマ見たいなぁ。この原作にない話はどんな話になっているんだろう?