100万ドルの血斗

●183 100万ドルの血斗 1971

 1909年テキサスに9人の悪漢たちがやって来る。フェインをリーダーとする彼らはジェイコブ牧場を襲い、息子のジェイクを誘拐、身代金100万ドルを要求する手紙を置いていく。

 一家の女主人マーサは、旦那であるジェイコブに手紙で助けを求める。彼がやって来て身代金を持って犯人たちとの交渉に行こうとするが、マーサの息子たちであるジェームズやマイケルは車やオートバイを使う警備隊の一員となり、犯人たちの先回りををする計画を立てる。ジェイコブは昔の仲間であるサムを呼び、身代金を運び役目となる。

 警備隊たちは待ち伏せに良い谷へ向かうが、既に犯人たちに待ち伏せをされており、銃撃戦となる。マイケルのオートバイが犯人たちの馬を逃がそうとし、それに気がついた犯人たちが逃げたことで、警備隊は全滅をまぬがれる。そこへジェイコブが到着、ジェームズとマイケルを連れ、犯人たちとの交渉に向かう。

 道中、野宿をしている彼らの元にフェインが現れ、エスコンデロに行き指示を待て、また彼らが大金を運んでいることは町中の噂になっているので狙われている、しかしどのような理由があれ、金がなければ息子は殺す、と告げ去って行く。

 彼らはエスコンデロの街に到着、金を狙う連中をうまくおびき出し、全員を射殺する。そこへフェインの使いがやって来る。皆を連れて犯人たちのアジトへ連れていくが、金を貰ってもおかしな動きをすれば仲間の一人が息子を狙っていて殺す、と脅される。ジェイコブたちはライフルの名手マイケルを単独行動させ、ジェイクを狙う狙撃手を狙わせる。

 アジトに着いて犯人たちとの戦いが始まる…

 

 ジョン・ウェインの実ファミリーが総出らしい。ストーリーとしては、孫を誘拐されたウェインが犯人たちを倒しに行く、という単純明快なもの。息子役も孫役も本当の子供、孫のようだ。

 大筋のストーリーはわかりやすいが、何点か疑問も残る。ウェインは10年近く家に帰っていない(子供たちとも会っていない)というのがセリフからわかるが、離婚した訳ではないらしい。なんだそれ?というのが一つ目。

 ウェインが道中いくつかの場面で名前を名乗ると、チョイ役や脇役が死んだと思っていた、というくだりがある。がその説明はない。なんだそれの二つ目。

 冒頭牧場が襲われるが、ジェイコブ一家のお手伝いなど何人かが殺される。子供も含め。ちょっと残酷なシーンに写るが、最後の犯人たちとの戦いでは、ジェイコブの昔からの先住民仲間サムと愛犬がナタで殺されるシーンでは、それを直接描写していない。冒頭のは射殺なので良くて、ナタはNGなのか、がなんだそれの三つ目。

 まぁウェイン引退5年前の作品だから(前にも書いたような気がするが)、ウェインのやりたい放題の映画なのかなぁ、というのが正直な感想。