鬼平犯科帳 第4シリーズ #18 おとし穴

 第4シリーズ #18 おとし穴

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 鬼平は街で同心佐々木新助が茶くみ女お才と歩いているのを見かける。新助は人柄を見込まれ、4年前佐嶋の姪と鬼平の仲人で結婚していた。

 翌日宅で鬼平は新助に女房と娘を大事にしろよと声をかける。夜布団で新助はお才との出会いを思い出していた。門前の甘酒屋は客が金を払えば茶くみ女を何処へでも連れ出すことができた。新助はお才から声をかけられ、お才の元に通いつめていた。

 新助はお才に店の外に呼び出されていた。お才は新助に金を使わせないようにと気を使っていた。二人はお才の知る店へ行く。新助がお才を抱いていると男が現れ、脅される。お才は夜烏の勘兵衛の女房だった。

 盗賊が袋屋、線香問屋と続けて押し込みに入った。佐嶋から鬼平が報告を受けていると、昨夜も薬種問屋が襲われたと沢田から知らせが入る。鬼平密偵たちに探らせるように命じる。

 伊三次が五鉄で飯を食っていると、三次郎が夜烏の勘兵衛が市中に入ったとの噂を聞いたと話す。奴らのやり口はいつのまにか仲間に担ぎ上げられている、というものだった。

 新助は甘酒屋に来ていた。お才の様子をうかがうためだった。妻に無理して工面させた金を使ってお才を呼び出す。新助はお才に一緒に地獄に落ちる覚悟ができていると話す。お才に勘兵衛の居場所を聞くが、お才は知らなかった。戻って来たら勘兵衛にお才とのことを話すつもりだった。

 二人が外に出るとあの男が待っており、今晩力を借りたいと話す。新助は断るが、結局手を貸すことになる。新助は夜の見回りの最中に賊が店を襲おうとしているのを目撃するが、黙認する。

 鬼平と佐嶋は昨夜また盗賊に襲われたことで話をしていた。盗賊改方の見回りの日程を巧みに外して襲われていることに疑念を持つ。佐嶋は同心たちに今晩以降見回りの日程を改める、新しい見回り日程は直前までお頭の胸の中だけに止める、と話す。

 新助は見回り日程が変わったことを男に伝えに行く。新助は勘兵衛のことを聞く。

 伊三次は鬼平に夜烏の勘兵衛一味が江戸に入ったこと、勘兵衛の手下の文挾の友吉が江戸に入ったことを報告する。さらに昨夜の押し込み時に役所の提灯を持って見張りをしていた男がいたことも知らせる。鬼平が長官になって身内から裏切り者が出たのは初めてのことだった。鬼平は見回り日誌を確認、自ら動くことを決意する。

 鬼平は新助の家を訪ね、新助の女房と話をする。そして甘酒屋に行き、新助とお才の話を聞く。そして宅に戻り、新助に声をかける。声をかけられた新助は取り乱し逃げ出す。鬼平は伊三次にあとを追わせる。新助は鬼平が全てを見抜いていたことを知る。

 お才は一人酒を飲んでいた。1階へ降りると友吉がお頭が本所に着く頃だと仲間に言っているのを耳にする。友吉たちは本所に向かう。お才はあとをつける。友吉は勘兵衛に盗んだ金を見せ、お才のことを尋ねる。友吉はいささか危ないかと、と話す。勘兵衛はお前に任せる、始末しろと話す。

 新助は友吉のいる店に行く。しかし友吉はおらずお才しかいなかった。お才から昨夜のことを聞く。勘兵衛と友吉はお才を用済みとすることを話し合ったのでは、とお才は話す。新助はお才に一緒に役宅へ行って欲しい、そこで自分は腹を切るが、お才のことは無罪放免となるよう話すつもりだと話す。そこへ勘兵衛と友吉たちがやってくる。斬り合いとなるが、新助をつけていた伊三次が助けに入る。しかし新助とお才は斬られてしまう。新助は今際の際に、勘兵衛の宿の名前を伊三次に伝える。

 新助の遺体は役宅に運ばれる。伊三次は鬼平に新助の最期の言葉を伝える。

 そして鬼平たちは勘兵衛の宿へ向かい、一味を切り倒す。

 鬼平は与力同心の前で新助が密告していたことを隠し、見事な仕事だったと褒める。

 

 シリーズで一度はある同心が悪の道へ引き込まれる話。今回も女が原因となっている。しかしこれまでの話と異なり、新助とお才が惹かれあっている状況が丁寧に描かれるため、見ている側も共感ができる。もっとも今のご時世では浮気、不倫はご法度だろうが(笑

 しかし梅雀さんがこんな役所で鬼平に出ているのは知らなかった。顔のメイクが駄目男っぽいし、何より若いし(笑