七人の無頼漢

●194 七人の無頼漢 1956

 洞穴で雨宿りする二人。そこへ見知らぬ男が入ってくる。彼はコーヒーをごちそうになりながら、最近シルバースプリングであった殺人事件の話をし、犯人の二人組のことを持ち出すと二人組がいきなり銃を抜く。男は二人を倒す。

 彼の名はストライド。彼は荒野で泥沼にハマって困っているグリアー夫婦と出会う。夫ジョン、妻アニー。ストライドは手を貸し彼らの馬車が沼から抜け出るのを手伝う。夫婦はこの先一緒に行ってほしいと頼まれ了解する。

 ジョンの話では二人はカリフォルニアに行区つもりだが、途中金に困り変な仕事を頼まれ、まずフローラビスタへ行き国境沿いを行くのが良いとシルバースプリングで言われたと話す。

 道中彼らは騎兵隊と出会う。中尉はチリカウア族を一掃するためにこの辺りにいると話す。ジョンがフローラビスタへ安全に行けるかと尋ねると中尉は無理だからきた道を引き返せと答える。ストライドは夫婦と別れるつもりで話すが、ジョンは予定通りフローラビスタへ向かうつもりだと話す。ストライドは彼らが心配になりついて行く。

 彼らは人気のない牧場に着く。そこにいた老人にチリカウア族が襲ってくるので皆逃げたことを聞く。そこへマスタードクリートがやってくる。ストライドは彼らを探していた。シルバースプリングでの事件のことを聞くためだった。彼ら五人は牧場で一晩休むことに。夕食後、夫婦はマスタードからストライドのことを聞く。彼はシルバースプリングで保安官をしていたが選挙で失職したこと、シルバースプリングの集配所で強盗がありそれに巻き込まれたストライドの妻が死んだことなどを聞く。

 またマスタードストライドに強盗事件で2万ドルの金塊が盗まれたこと、自分はそれが目的でストライドについて行くこと、を話す。

 彼らはチリカウア族に馬を差し出して帰したり、チリカウア族に襲われている男を助けたりする。その男はストライドを殺そうとしたので、マスタードが射殺する。

 5人は旅を続ける。雨の夜、馬車の中でマスタードはアニーに似た女の話、その女に言い寄った男の話をし、それがストライドに似ていると話す。怒ったストライドマスタードにこの場を去るように命じる。

 マスタードクリートは一足先にフローラビスタへ到着する。そこで強盗一味にストライドが彼らを追っていること、金を払えばストライドの居場所も教えると話す。

 ストライドは夫婦と別れ、単独行動を取る。そんな彼を強盗一味の二人が襲う。岩場での銃撃戦となり、ストライドは足に怪我を負うがなんとか二人を倒す。しかし馬が逃げてしまう。強盗たちの馬に乗ろうとするが馬が暴れ、ストライドは負傷、気絶してしまう。そこへ夫婦がやってきて、ストライドを看病する。意識が戻らない彼を治そうと、アニーはジョンに街へ医者を呼びに行くことを提案するが、ジョンは請け負った仕事の関係で、馬車でないと街は入れないことを白状する。仕事とは金塊を運ぶことだった。意識が回復したストライドがそれを聞いており、金塊の箱を下ろし、そのままカリフォルニアに向かうよう夫婦に話す。

 夫婦は一旦は話に従うが、やはりストライドを見捨ててはおけない、街には保安官もいるはずだ、と街へ向かう。街に着いた夫婦を強盗一味が出迎えるが、金塊はストライドに取られ、谷で待っているという伝言を伝える。しかしジョンはストライドに借りた貸しを返すと言い、保安官事務所へ向かおうとする。強盗一味が彼を射殺する。

 強盗一味はストライドの待つ谷へ向かう。そこでストライドは一味の一人を撃つ。残ったボスはマスタードが倒す。マスタードは金塊を前にして、ストライドを倒さないとこれが手に入らない、と話す。二人は撃ち合いをし、ストライドが勝つ。

 街へ戻ったストライドは、カリフォルニアへ行くというアニーと別れを告げシルバースプリングで保安官助手になると言い、去って行く。アニーは馬車の御者に荷物を下ろすように頼む。

 

 なんか久しぶりに1950年代に作られた西部劇を見た感じがする。つまり古い型の西部劇、ということ。正義感あふれる保安官、彼に惹かれる美しい女性、一癖ある仲間、わかりやすい悪党、そしてお宝の金塊。

 人の良い主人公が困っている夫婦と旅を共にする間に男と女のほのかな恋が描かれる。それをゲスな男が邪魔をする、というのは西部劇ではちょっと珍しいか。強盗一味が盗んだ金塊を運んでいたのが夫婦の馬車、というのはちょっと驚いた。この時代であれば(西部劇の時代、映画が作られた時代共に)許される「ゆるい」設定なんだろう。

 ランドルフ・スコットの名前はどこかで見た記憶があったが、「馬上の男」で見ていた人だったのか。西部劇で一時代を築いた人だったのね。それならこの映画も短い尺の割にしっかりとした映画だったのがわかる。