鬼平犯科帳 第5シリーズ #01 土蜘蛛の金五郎

 第5シリーズ #01 土蜘蛛の金五郎

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 忠吾が夜回りをしている。立ちションをしていると火盗の提灯を奪う者が。慌てる忠吾だったが、それは浪人姿をした鬼平だった。

 翌日鬼平は役宅で三ノ輪の外れにある飯屋「どんぶり屋」の話をする。安くて美味く繁盛していた。儲けがあるのか心配するほどだった。五郎蔵とおまさが店の主人、金五郎のことを調べており話す。鬼平は飯屋が盗人たちだと考えていた。鬼平は酒井にゴロツキを集めるよう命じ、忠吾に弟としてついてくるように話す。久栄は長屋住まいをする鬼平に文句を言うが、鬼平はこれは仕事だと話す。

 鬼平は忠吾を連れ飯屋へ行く。そこへゴロツキたちが入ってきて暴れる。鬼平は奴らをあっという間にやっつけ、店の人間や客から喜ばれる。酒を飲み酔った鬼平は忠吾に抱えられながら長屋へ帰る。その長屋の様子を盗み見る男がいることに気づいた鬼平は奴を殴り逃す。鬼平は翌日店へ殴りこみ、昨夜の狗を出せと主人に迫る。金五郎はとぼけるが、顔にあざが残る男が逃げ出そうとするのを鬼平は逃さなかった。金五郎は金を欲しがる鬼平を家に連れていく。

 金五郎は鬼平を酒でもてなす。鬼平は肴がうまかったことを褒め、仕事は盗人かと聞く。金五郎は白状し、50両で人を殺してほしいと話す。鬼平は殺す相手の名前を聞くが、金五郎はギリギリまで明かさない、しかし二、三日中のことだと話す。

 夜、金五郎の家に仲間が呼ばれる。その男は庭に鬼平と忠吾がいるのを見つけ叫ぶ。鬼平はしらを切る。家は同心や密偵たちが見張っていた。

 忠吾が長屋で朝起きると隣の家に五郎蔵とおまさが越してきていた。五郎蔵、おまさの調べで金五郎は土蜘蛛の金五郎という名と盗人宿もわかる。鬼平に頼んだ殺しと押し込みが同時に進んでいることを同心たちは不思議がる。鬼平は左馬之介に伝言を頼む。

 鬼平と忠吾は長屋を見張っている子之次を誘い酒を飲む。殺しの相手を聞き出そうとするが、子之次は口を割らなかった。

 鬼平は昼間金五郎たちが留守を狙って、金五郎の家に忍び込むが、金五郎に見つかってしまう。鬼平は殺しの相手を教えるように話す。金五郎は殺しの相手は長谷川平蔵だと話す。鬼平はそれで50両は安いというと、金五郎は鬼平を殺す日に押し込みを考えていると話し、狙いの店の名前も明かす。

 翌日役宅に金五郎の使いのものがやってきて、鬼平を夜呼び出す手はずを整える。しかし障子越しに相手をしたのは左馬之介だった。

 夜役宅から偽の鬼平、左馬之介を乗せた駕籠が出る。駕籠は橋の上に置かれ、駕籠かきは逃げてしまう。鬼平と金五郎たちが駕籠を取り囲む。鬼平と左馬之介は立ち会い、鬼平は左馬之介を斬り、皆逃げ出す。同心が左馬之介に駆け寄り、一芝居打つ。それを見届けた金五郎はほくそ笑む。

 家で横になっていた鬼平の元へ子之次がやってきて親分に気をつけるよう話す。実は鬼平のことを役人だと思っていたと話し去って行く。鬼平は金五郎から酒を勧められるが、逆にその酒を金五郎に飲ませようとする。金五郎はこばむ。忠吾が鬼平の正体を明かす。その頃急ぎ働きをしようとしていた金五郎一味を同心たちは捕らえる。

 鬼平は忠吾と見回りをする。どんぶり屋がしまっているのを見て残念がる。すると子之次が道端にいるのに忠吾が気づく。忠吾は子之次を捕らえようとするが鬼平はとぼける。しかし鬼平に気づいた子之次が話しかけてくる…

 

 第5シリーズ開幕。鬼平鬼平殺しを依頼する、というちょっとした滑稽話になっている。その話に乗っかったのか、鬼平と忠吾が長屋住まいをするという関係で、皆が色々な職業に扮するためまるでコスプレ大会のようになっているのもちょっと笑える。

 盗人の親分が遠藤太津朗、銭形平次の三輪の万七。今回の飯屋が三ノ輪にあるという設定はまさかここから?またちょっと良い役の子之次役の赤塚真人さんも懐かしい役者さん。万全の体制で第5シリーズが始まったようだ。

 しかし左馬之介、特に今回重要な役割をする、が江守徹さんから竜雷太さんに変わってしまったのは残念。二人の立ち会いを見てみたかった。