ダーティハリー

●209 ダーティハリー 1971

 ビルの屋上のプールで泳ぐ若い女性をライフルのスコープで狙う男。女性が泳いでいるところを射殺する。警察が捜査に入る。ハリー・キャラハン刑事が向かいのビルの屋上でライフルの薬莢と犯人の声明文を見つける。ハリーは事件の担当となり、市長に呼ばれる。声明文は10万ドルを払わなければ今後毎日一人ずつ殺す、スコルピオ、というものだった。市長は犯人への回答として新聞に金は用意するが時間がかかるという文章を載せることにする。

 ハリーはハンバーガーショップで食事をするが、店員に向かいの銀行の前の車の様子を聞き、銀行強盗だと警察に連絡するように依頼する。しかし銀行から銃声が聞こえハリーは外へ出る。そして銀行から出て来た犯人たちを撃つ。

 警察は高いビルの屋上に見張りの警官を配置し、ヘリを飛ばし監視も行う。ハリーは上司に呼ばれる。チコという相棒をつけられる。

 スコルピオは予告通り黒人を殺そうとする。警察のヘリがそれを見つけ警告するが、スコルピオは取り逃がしてしまう。夜ハリーとチコは巡回をしている時に犯人の持っていたケースと同じ色のものを持つ人間を見つけ尾行する。しかし人違いでハリーは痴漢と勘違いされる。その後連絡があり、二人はホールでの事件で呼ばれる。ホールの屋上に人がいたため、射撃犯だと思われたが単なる自殺志願の男だった。ハリーははしご車で男のそばまで行くが、自殺を止めようとはせず、飛び降り自殺した死体の悲惨さを話す。男が飛びかかって来たところを取り押さえる。一仕事を終えたハリーはチコに、汚い仕事ばかりするから、ダーティハリーだと話す。

 黒人少年の射殺したいが発見される。現場付近からライフルの薬莢も見つかりスコルピオの仕業だと思われた。警察は次に狙われるのは予告にあった神父だと考え、見張りの網を教会部分だけ手薄にすることで犯人をおびき出す作戦を取る。そこにハリーとチコは張り込む。予想があたり、二人はスコルピオを見つけ出し、銃撃戦となるが、やはり取り逃がしてしまう。

 翌日ハリーは警察本部に呼ばれる。スコルピオは警察の介入に怒り、14歳の少女を誘拐、20万ドルを払わないとショジョを殺す、という連絡をしてくる。金の支払いにハリーが選ばれる。ハリーは無線の隠しマイクを仕込み、チコとの連絡が取れる状態で犯人にしてされた場所へ出向く。そこの公衆電話にスコルピオからの連絡が入り、ハリーは次々と指定される公衆電話まで走ることになる。最後に指定された公園の十字架モニュメントへたどり着くとそこに犯人が待っていた。ハリーは殴られ、スコルピオから、気が変わった、少女もお前も殺すと言われる。それを聞いていたチコが助けに入るが、チコは撃たれてしまう。ハリーはなんとか隠し持っていたナイフで犯人の脚を刺す。驚いた犯人は金を持って逃げ出す。

 警察に戻ったハリーの元へ、救急病院から連絡が入る。足を刺された男が治療に来たという知らせだった。ハリーは病院へ行く。医師からその男が近所のスタジアムで働いていた男だと聞き、スタジアムへ向かう。令状を持たないハリーだったが、スタジアムに忍び込む。そしてスコルピオを捕らえる。

 少女は遺体で見つかる。ハリーは検事局に呼ばれる。検事はハリーに違法捜査のためスコルピオは逮捕できないと話す。怒るハリーだったが、それが法律だと言われる。

 ハリーはスコルピオを執拗につけまわす。それに気づいたスコルピオは廃屋で男と会い200ドルを払って殴り倒される。彼はそれをハリー刑事にやられたとマスコミに話す。上司はハリーにスコルピオの尾行はするなと命令する。

 ハリーはチコを病院に見舞う。彼は警察に戻らないかもと話す。ハリーは彼の恋人にやめたいのはわかる、と話す。

 スコルピオは酒屋を襲い銃を手に入れ、スクールバスを乗っ取る。そしてまたも市当局に連絡をする。知らせを受けたハリーは受け渡し役を拒む。そしてスクールバスの通り道へ行き、バスの上に飛び乗る。スコルピオはハリーを落とそうとハンドルを握るが、誤って採石場へ突っ込んでしまう。逃げるスコルピオを追うハリー。スコルピオはそばで釣りをしていた少年を人質にとるが、ハリーは銃を捨てるふりをして彼を撃つ。そしてそばに歩み寄り、最後のチャンスをスコルピオに与えるが…

 

 のちに5作まで続くシリーズの第1作。西部劇で名を売ったイーストウッドが型破りの刑事になって登場する。あまりにも有名な刑事と言って良い。後の作品にどれだけ影響を与えたかわからないほど。あの「アラレちゃん」にもハリーを模したキャラがいたぐらいだし、マグナム44なんて名前を当時の子供だった自分も知っていたぐらいだから。

 wikiを読むと、当時のアメリカの法律改正により、犯人の権利にうるさくなった(よく映画で見る「お前には黙秘権がある、etc」ってヤツ)ことが背景にあるようだが、それでもこの映画でスタジアムで捕まえた犯人がそのまま釈放されるのは幾ら何でも、という気がする。まぁそこが狙いなんだろうけど。だから余計に最後のハリーの行動はカタルシスが感じられることになる。その代償にラストで刑事バッジを捨てるんだろうけど、あまりのヒットで次作以降が作られることになったんだろうなぁ。バッジを捨てたこと、第2作でちゃんと説明するんだっけ?

 久しぶりに見たがやっぱりキャラハン刑事はカッコ良い。できれば山田康雄さんの吹き替えで見たかったなぁ。