チャップリンの黄金狂時代

●212 チャップリンの黄金狂時代 1925

 ゴールドラッシュの頃のアラスカ。多くの人たちが黄金を求め極寒の山に分け入った。そこに3人の男たち。探検家のチャップリン、金鉱を掘り当てたビッグジム、指名手配されているブラックラルセン。

 チャップリンはラルセンの山小屋にたどり着く。ラルセンは追い出そうとし、二人は争いになるが、そこへジムが入ってくる。ラルセンは二人を追い出そうとするが、ジムは銃を奪いここにいると宣言する。

 3人は食料がなく飢えに苦しんでいた。3人はトランプのカードの数の大小で賭けをして負けた者が食べ物を探しに行くことにする。負けたのはラルセンだった。彼は一人外へ出る。その頃警察がラルセンを探しに来ていた。ラルセンは警官と遭遇、彼らを殺し食料を盗む。

 山小屋に残った二人はチャップリンの靴を食べて飢えをしのいでいた。そのうちジムが空腹のため幻覚を見るようになり、チャップリンを鳥と間違え襲おうとし始める。緊張状態の二人、その時山小屋に熊が入って来てこれを倒すことで二人は空腹を満たす。

 その頃ラルセンはジムが掘り当てた金鉱も見つけていた。

 山小屋の二人は別れを告げ小屋を出る。ジムは金鉱へ行くが、そこにはラルセンがいて殴り倒されてしまう。しかしラルセンは金を運ぶ途中で崖から転落してしまう。

 金を求める人が多く、街は賑わっていた。そこに美人のジョージアと彼女に惚れている女たらしのジャックもいた。彼女は酒場で働いていた。そこへ山から降りて来たチャップリンもやってくる。彼はジョージアが捨てた写真を拾う。ジャックはジョージアと踊ろうとするが、彼女は拒む。そして見せつけのため、貧しいなりをしたチャップリンを踊りに誘う。踊り終えた彼女はチャップリンに一輪の花をプレゼントする。ジャックは怒り、チャップリンと争う。殴り合いになり、偶然落ちて来た時計でジャックは倒れてしまう。

 チャップリンは空腹で街を歩いていた。偶然見かけた鉱山技師のハンクの家のご馳走に目を奪われる。彼の家の前で倒れていることで、家の中に運び込んでもらう。

 ジムは助かるが、記憶をなくしていた。

 チャップリンはハンクの留守を預かることになった。その家に偶然ジョージアが女友達たちと通りかかる。再会を喜ぶチャップリンだったが、ジョージアは彼が枕の下に、自分の写真とあの時の花を隠しているのを見て、彼をからかうことに。そして大晦日に家に遊びに来る約束をする。チャップリンは大晦日のために仕事に精を出す。

 大晦日、彼女たちのために食事とプレゼントを用意するチャップリン。彼女たちと盛り上がる夢まで見るが、実際には誰も家を訪れなかった。街へ出るチャップリン。その頃酒場で騒いでいたジョージアは家に行く約束を思い出し、チャップリンの家に行く。しかしそこには誰もおらず、食事とプレゼントの用意がしてあるだけだった。

 ジムは登記所に金鉱発見を知らせに行くが、場所が思い出せずにいた。

 チャップリンは酒場に行く。そこでジョージアからの謝罪の手紙を受け取る。そこへジムがやって来て山小屋の場所を教えて欲しいと頼む。二人は山小屋へ。

 山小屋に着いた夜、嵐のため小屋がげ家から落ちそうになる。なんとか二人は脱出する。そして二人は大金持ちになる。

 二人は船で故郷へ帰ることに。その船にはジョージアも乗って降り、チャップリンと再会をする。そしてハッピーエンドに。

 

 冒頭サイレント映画に音楽とナレーションをつけたものだ、というお知らせがある。ナレーションはチャップリン自身が行なっている。そのナレーションはやや説明しすぎの感がある気がする。もともとサイレントなので動きだけで十分わかるシーンが多い。ただ音楽は素晴らしい。有名なパンのダンスのシーンなどは音楽と動きがピッタリと合っている。

 他にも有名な靴を食べるシーンや山小屋が傾く中でのドタバタシーンなどがあり、ほぼ100年前の映画なのに楽しめる。チャップリンが鳥に変化するシーンや山小屋が傾く時にドアに捕まった人がバタバタ動くシーンなど、いわゆる特撮の走りのようなシーンまである。当時の人は驚いただろうなぁ。