鬼平犯科帳 第5シリーズ #10 浅草・鳥越橋

 第5シリーズ #10 浅草・鳥越橋

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 仁助とおひろの夫婦が船宿で一緒にいた。二人は1年離れて暮らしていた。仁助は越後屋のお勤めが終わればまた一緒に暮らせる、鍵の蝋型は押切の定七に預けたし、傘山のお頭も江戸に入っているようだ、傘山のお頭の江戸でのお勤めは初めてだからしっかり役に立たないと、と話す。家に戻ったおひろを定七が待っていた。

 粂八が亭主をしている船宿鶴やに鬼平が訪ねてくる。粂八が酒の支度をしようとした時、店に牛込の大宮と名乗る定七がやってくる。粂八は鬼平に定七のことを話す。傘山の瀬兵衛配下の者で、今会っているのは本所で小間物屋をやっている三好屋幸吉だった。二人は二階の覗き部屋へ行き様子を探る。定七は幸吉に鍵の蝋型を渡していた。鬼平は幸吉のあとをつけ、幸吉が三好屋に入るのを確認する。

 鬼平は五鉄でおまさから傘山の瀬兵衛の噂を聞く。そこへ粂八がやってくる。粂八は定七が牛込ではなく、浅草におり煙管師で定五郎と名乗っていると報告する。鬼平は定七の見張りをおまさに頼む。三好屋には見張り所を設けるつもりだった。

 おまさが定七をつける。神社で男と争っているのを目撃する。男は仁助だった。定七はおひろが傘山の瀬兵衛とできているのを見てしまった、と仁助に話していた。怒る仁助だったが、定七は20日後のお勤めまでは我慢しろと話す。しかし仁助は明日おひろと会うことになっていた。おまさは仁助をつけ、越後屋に入って行くのを確認する。

 おまさから報告を受けた鬼平は、傘山の瀬兵衛の仕事を横取りされたのだろうと推測する。夜、仁助は定七から聞いた話を思い出していた。傘山のお頭がおひろといちゃつきながら定七の話を聞いていたというものだった。仁助は嘘をついて店を休み、おひろに会いに行くがおひろは現れなかった。仁助はおひろの家に行くが家にもいなかった。そこへ定七がやってくる。定七は仁助を慰めるが、仁助がおひろを殺してやるを言うと定七は手助けをする、お頭の顔に泥を塗ってやろうと話す。おまさは鬼平に報告する。

 鳳大明神を詣でる定七を同心たちがつける。定七は傘山のお頭と会っていた。定七は何事もなかったかのように仕事の話をし帰ろうとするが、お頭は蝋型はどうしたと尋ねる。定七は仁助が作るのに時間がかかっていると話し帰って行く。残った傘山の瀬兵衛は配下の音吉と定七の様子がおかしいことについて話をしていた。

 同心からの報告を受けた鬼平は定七がいた店が傘山一味の盗人宿だろうと話す。そちらにも見張り所を、と話す佐嶋だったが、鬼平はそちらは良いので同心たちにこれまで通り定七を見張れと命じる。鬼平は明日にでも定七が三好屋につなぎをつけると踏んでいた。

 鬼平は三好屋の見張り所に入る。幸吉が出かける。行き先は粂八の鶴やだった。定七も店に来ていた。鬼平と粂八へ例の覗き部屋から二人の話を聞いた。二人は仕事の話をし、定七が仁助を騙した話もしていた。

 傘山の瀬兵衛が僧に化け、おひろの家を訪ねる。そこで血のついた斧を見つけ、家の周辺を探る。最近掘り返された跡を見つけ掘ると女物の着物が出てくる。

 定七は仁助に今夜お勤めだと話す。店に帰る仁助をおまさがつける。仁助は鳥越橋で立ち止まる。そこで傘山の瀬兵衛が声をかける。仁助は担当を取り出しいきなり瀬兵衛を刺す。瀬兵衛も仁助を刺し相討ちとなる。おまさから報告を受けた鬼平は相討ちの件が暮れ時で良かったと話し、出役の用意をさせる。その夜、幸吉・定七たちは越後屋を襲おうとするが、盗賊改方が待っていた。

 鬼平は五鉄で粂八、おまさと酒を飲んでいた。鬼平は全てを見抜いていた。鬼平は定七が仁助に惚れていたのではないか、と話し、人の心がわからない、だからこそお前たちに感謝していると告げる。

 

 久しぶりに普通に盗人の話だった。盗人内での裏切りがメインとなる。地方で暗躍していた盗人一味が初めて江戸で仕事をするにあたり、内部に裏切り者が出て…と話の流れは真っ当で、若い平泉成さんが良い味を出している。しかし最後の鬼平の推理〜定七が仁助を思っていたのでは、というのはちょっと唐突すぎる気がする。それを思わせるシーンはなかったと思うが… それとも男にも好かれる、という意味で井上純一さん〜懐かしい俳優さんだ〜が仁助役だったのかしら?このドラマの15年ほど前には青春モノのドラマで大活躍してた人だからなぁ。でも定七にコロッと騙されてしまう仁助もちょっとなんだかなぁ、と思うけど。

 ちょっとモヤモヤが残る話。

 

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