リオ・ブラボー

●229 リオ・ブラボー 1959

 酒場にやって来たデュード。カウンターで酒を飲んでいるジョーを羨ましげに見る。するとジョーが硬貨を痰壷に投げ入れ欲しければ取れと言う。迷った挙句手を出そうとするがチャンス保安官がツボを蹴り飛ばす。チャンスはジョーに近くがデュードがチャンスを殴り倒す。そのままデュードはジョーに殴りかかろうとするが周りの人間に抑えられ、ジョーに殴られる。それを止めに入ろうとした男をジョーは撃ち殺す。

 ジョーは店を出て他の店で酒を飲む。そこへ意識が戻ったチャンスがやって来て殺人罪で逮捕しようとする。しかしジョーの仲間がチャンスを銃で脅す。ドアから入って来ていたデュードが他人の銃を奪い取り脅していた男の銃を撃つ。二人はジョーを牢へ連れて行く。

 翌日からデュードは街の入り口に見張りとして立つことに。街へ入ってくる人間に銃を置いて行くように言うためだった。そこへウィーラーがやってくる。彼はチャンスの昔からの友人で、ダイナマイトを運んでいた。ウィーラーはデュードが見張りをしている理由をチャンスに尋ねる。ジョーを逮捕したことでジョーの兄のネイサンが街を封鎖したことを話す。

 保安官事務所では、牢をスタンピーが見張っていた。チャンスはウィーラーが持って来たプレゼントをホテルのカルロスに届けに行く。それは奥さん用の下着だった。それを持っているところを駅馬車できた女性客フェザーズに見られる。

 夜デュードは酒の禁断症状で苦しんでいた。ホテルに来るとカルロスから、ウィーラーがチャンスの味方になる人間を集めるために手当たり次第に声をかけていて、ネイサン一味に知れるとマズい、とチャンスに話す。チャンスとウィーラーは話をする。デュードが昔は早打ちの名手だったが、女に惚れて振られ、酒浸りになってしまったことをウィーラーに話す。さらにチャンスはウィーラーに助手はいらないと話すが、ウィーラーは新しく入ったコロラドは役に立つと言う。チャンスは本人がよければと話すが、コロラドは助手となることを断る。

 チャンスはホテルでカードをしていたフェザーズに声を掛け、指名手配に記載があることを告げ、イカサマをやっただろうと話すが、彼女は認めない。そこへコロラドがやって来て、イカサマをしているのは別の人間だと話す。カードの現場で証拠を押さえる。チャンスはフェザーズに謝罪する。

 ホテルを出るとウィーラーが撃たれてしまう。チャンスとデュードは犯人を追うが逃してしまう。しかし酒場に逃げ込んだためそれを探しに行く。犯人の証拠が見つからず焦るが、デュードは血が2階から垂れているのに気づき、犯人を射殺する。

 睡眠のためホテルに戻ったチャンスはフェザーズと話をする。彼女はチャンスを寝かせるために代わりに朝まで見張り番をする。

 街にネイサンがやって来る。チャンスはネイサンを牢にいるジョーと対面させる。そこでチャンスはネイサンにウィーラーを殺された恨みを、スタンピーは昔土地をだmし取られた恨みを、ネイサンにぶつける。

 酒場で酒を飲んでいたネイサンは「皆殺しの歌」を演奏させる。チャンスたちは曲の名前をコロラドから聞き、覚悟を決める。チャンスはデュードに昔の銃を返し、服装も改めさせ、フェザーズに髭を剃ってもらう。彼女とチャンスが話していると銃声が聞こえる。保安官事務所で、外見を綺麗にしたデュードにスタンピーが発砲したのだった。

 翌日、デュードは町外れで見張りをしていた。相変わらず酒の禁断症状で手が震え、巻きタバコも作れない状況だった。そこへネイサンの手下たちがやって来て、デュードを捕まえる。そして彼の服を奪い、彼の代わりに見張りの場所に立っていた。そこへネイサンの手下たちがやって来て、銃を持ったまま街へ入る。そして油断していたチャンスに銃を捨てさせ、牢にいるジョーを解放するよう要求する。偶然その場に居合わせたコロラドがフェザーズとともに助けに入り、チャンスは手下たちを倒す。縛られていたデュードを助けるが、彼は捕まってしまったこと、未だに手が震えることから、自分に嫌気がさし、助手をやめると言い出す。チャンスは止めなかった。

 保安官事務所にコロラドがやって来て助手になるための宣誓をする。そこにはデュードもいたが、彼は「皆殺しの歌」を聞き、気持ちを取り戻し、助手を続ける決意をする。夜、4人は事務所にいた。チャンス以外の3人で歌を歌う。そして連邦保安官が来るまでの6日間、事務所に寝泊まりすることを決める。必要なものを調達するために、チャンスとデュードはホテルに行くが、ホテルにはネイサンの手下たちが待っていた。二人は捕まり、牢にいるジョーを解放する要求を受け入れる。事務所まで行き、スタンピーにジョーを出すように言うが、その瞬間スタンピーは手下たちを撃つ。しかしデュードが一味に拉致されてしまう。

 チャンスはネイサンと交渉する。その結果お互いの人質交換となる。約束の場所へチャンスとコロラドが向かう。人質交換となるが、二人が近づいた瞬間、デュードがジョーを倒し、銃撃戦となる。チャンス側が不利になる局面が来るが、事務所に残っていたはずのスタンピーが加勢し、チャンスたちはネイサン一味を取り押さえる。

 チャンスはフェザーズに会いに行く。彼女はダンサー時代の下着姿で彼を迎える。チャンスは風紀紊乱で逮捕すると話す。彼の優しい言葉を待っていた彼女は、その言葉で嬉し涙を流し、チャンスは下着を窓の外に放り投げる。

 

 リオ・ブラボーがなんのことかわからなかったが、この街の名前なのね。最後の最後、歌の歌詞で出て来てやっとわかった。

 ついでにネットでいろいろ調べてわかったことがある。

 西部劇の黄金時代はこの作品まで、と言われているとのこと。このブログでも40本近く西部劇を見て来たが、この作品は確かに、安心して見れる王道の西部劇、という感じだった。強い主人公、その仲間たち、主人公に惚れる綺麗な女性、非道な悪者、派手な銃撃戦、これらが一つの街の中で短期間に起こる。しかも途中にはコメディシーンも多く入っている(ホテルのカルロスや牢見張り役のスタンピーの会話はどれも楽しい)。まさに西部劇のお手本のような作品。この後の作品になると、強い女性が出て来たり、親兄弟のしがらみがあったり、と、西部劇にも別のテーマが盛り込まれて来たのがわかる。日本でいうところの「娯楽作品」というヤツなんだろう。

 もう一つ。この映画は「真昼の決闘」へのアンチテーゼとして作られたという点。ブログにも書いたが、真昼の決闘はハリウッドで赤狩りがあったことへの反発から作られた作品であり、ジョン・ウェインは「赤狩り」支持者だったから当然なのだろう。だから必要以上にこの作品では、仲間たちの友情が気持ちよく描かれているんだろう。

 最後に。冒頭のディーン・マーチンが酒飲みでどうしようもない姿を見せるシーンで、「どこかで観た光景だな」と思ったら、「エル・ドラド」のロバート・ミッチャムが同じような役を演じてたのを思い出した。で調べると本作と「エル・ドラド」ともう1本でエルドラド3部作って言われてるのね。なるほどね。