新幹線大爆破

●233 新幹線大爆破 1975

 北海道夕張で古賀が貨物列車に爆弾を仕掛ける。その後東京の沖田に電話、仲間の藤尾が捕まった話を聞くが、作戦は予定通り決行することに。

 東京駅新幹線ひかり109号が停車中、清掃員の浩が爆弾を仕掛ける。その列車に、藤尾が刑事に同行され乗り込む。他にもミュージシャン、TV局員、妊婦など様々な乗客が乗り込む。そして109号は発車する。浩は爆弾を仕掛けたことを沖田に報告。沖田は藤尾からダイナマイトを買ったことで脅されたことを思い出す。

 沖田は109号に爆弾を仕掛けたこと、109号が時速80km以下になると爆弾が爆発すること、夕張の貨物列車に同じ爆弾を仕掛けたことを国鉄に連絡する。連絡を受けた倉持指令長は109号に爆弾の件を知らせ不審物の探索を命じる。夕張の貨物列車は犯人の言う通りに速度低下で爆発を起こす。それを知った倉持は109号に速度を120kmに落とすよう命じる。警察は特別対策室を作る。倉持は109号以外の新幹線を止める。109号を先行する下りの新幹線に故障が発生、このままでは衝突してしまうため、109号を上り線へ移すことにする。複雑な手順が必要となったが、何とか無事に乗り切る。

 国鉄はマスコミに事件を公表する。しかし犯人の要求はまだ不明だった。沖田は500万ドルの金を要求する。受け渡しについては70分後に連絡することに。官房長官は500万ドルを用意する。夕張貨物列車爆破の容疑者として古賀の名前が捜査本部で判明する。警察は古賀を逮捕しようとするが、国鉄は乗客の命が優先のため逮捕は爆弾が処理できた後にして欲しいと要求、警察も了承する。

 警察は古賀の住所を尋ねるが2年前に引っ越していた。古賀は北海道から東京へ戻ってくる。空港での見張りをうまくすり抜ける。109号内で名古屋駅に停車できないことがアナウンスされ、乗客がパニックとなる。乗客の妊婦が産気づき乗客の中の医者が呼ばれる。夕張の貨物列車から爆弾の構造が明らかになる。速度計と爆弾を組み合わせたものだった。

 沖田は受け渡しの方法を連絡する。ヘリコプターに乗り、北上するよう命じる。その後ヘリを埼玉の高校のグラウンドに着陸するように命じる。グラウンドに女性が待っており、駅の荷物預り所に行くよう伝言される。駅でトランシーバーと荒川を船で下れとのメモを受け取る。川を下っていると途中で止まるよう指示が来て、崖の上から投げられたロープに金の入ったケースを結ぶよう指示される。浩がロープを投げていた。舟を見張っていた車の刑事が浩がいるそばに大学生の運動部員たちがランニングしているのを見つけ、彼らに犯人を捕まえるよう指示する。それに気づいた浩は金を諦め、バイクで逃げる。パトカーたちに追われ、浩はパトカーに衝突し死んでしまう。釣り人に化けて現場にいた沖田はそれを見ていた。沖田は浩との出会いを振り返っていた。沖縄から出て来た浩は勤め先が次々と潰れ、沖田の工場を手伝っていた。しかし沖田の工場も潰れ、出て行くように言ったが、浩は沖田の元に残ったのだ。

 国鉄は列車を高速度カメラで撮影し、爆弾の場所を特定しようとする。古賀は沖田に電話し、浩が死んだことを聞く。作戦乗って直しをしようと言う沖田に30分で沖田のいる場所へ行くと伝える。警察は北海道にいる古賀の兄に事情聴取をする。住所を知らないと話す兄だったが、請求書が来ていたと話し、請求書を警察に渡す。それは池袋のスナックからのものだった。警察はスナックへ聞き込み、請求書を送った女性の家へ向かう。そこで偶然古賀を発見、逮捕に向かうが逃走される。しかし古賀も足に銃弾を受ける。国鉄の高速度カメラでの撮影は光量が少なくダメだった。広島でライトを集め再度撮影することに。古賀は怪我を負った状態で沖田の家に到着する。沖田は浩が死に、古賀が怪我を負ったことから計画を中止しようかと古賀に話すが、古賀は断固として結構すべきだと話す。

 警察は夕張の爆弾で使われた速度計を作成したメーカーへ行き、下請けが作ったことを調べ上げる。それは沖田精器と言う会社だった。沖田は首都高に軽トラを置き、国鉄に連絡、10分以内に軽トラに金を置くように指示する。そして自分はバイクで軽トラの金を取りに行き、別の車に乗り換え、警察の包囲から逃げる。

 109号内では妊婦が流産をし、母体も危なかった。医者は輸血できる乗客を探す。警察ではバイクの男、浩の身元が判明、そこから沖田精器で働いていたことがわかり、工場へ向かう。沖田は新橋の喫茶店に爆弾の図面を置き、店の人間に電話で取りに来た人に渡すように指示する。沖田は古賀に電話、古賀は沖田に一人で逃げるように言う。そして沖田は国鉄に新橋の喫茶店に図面があることを知らせる。しかし警察が喫茶店に向かうとそこは火事になっており、図面は焼失してしまっていた。

 沖田は古賀との出会い、そして今回の計画を思いついた過程を思い出していた。沖田は工場へ向かっていたが、同方向へパトカーが向かっていた。工場にいた古賀はパトカーに気づき、残っていたダイナマイトで応戦、最後は自ら爆死する。それを見ていた沖田は浩と古賀の偽造パスポートを燃やす。

 図面が焼失したことを知った国鉄は、再度高速度カメラでの撮影をすることに。最大限速度を落としての撮影をする。工場で調べていた刑事たちは沖田が離婚したことを報告する。警察は沖田の別れた妻の元へ行くとともに、沖田の名前を公表し、公開捜査に切り替える。TVでニュースを見た沖田の元妻は工場の金回りがうまく行かず自殺をしようとしたこと、離婚したことを思い出していた。元妻は訪ねて来た警察にあまり協力的ではなかった。

 その頃沖田はホテルで金を浩や古賀の身内に送る手配をしていた。

 新幹線内ではラジオで図面が焼失したことが伝わり、乗客が大パニックに。その隙に藤尾は逃亡を図るが刑事に抑えられる。その際藤尾は爆弾犯を知っていることを話す。警察に問い詰められ、沖田がタケダと言う名前で偽造パスポートを作っていたことも話す。警察は空港での乗客名簿を調べる。

 国鉄総裁と官房長官が話をしていた。官房長官は博多の街中で新幹線を爆発させるのはマズい、人のいない場所、山口の田園地帯が一番良いとの指示を出す。この件が倉持指令長に伝わるが、倉持は絶対に停止命令は出せないと答える。その時は高速度カメラでの撮影で爆弾のありかがわかる。109号に指示、爆弾のコードを切るように命じるが、現場は失敗してしまう。次の手をしてゴミ箱下の鉄板を切ってコードを取り出す手段を考え、鉄板を切るために酸素溶接機を手配、救援車で溶接機を109号へ渡すことに。

 空港ではタケダの乗客名簿が発見される。109号では鉄板が切られ、コードの切断に成功する。指令室は歓喜に沸くが、高速度カメラの写真からもう一つ爆弾がある可能性が告げられる。新幹線総局長は109号の停止指示を出す、倉持ができないなら自分でやると言うが、倉持は109号に停止指示を出す。緊張が走る中、109号は停止、爆発は起きなかった。倉持は休むように言われ、指令室を出る。そこでTVでまだ沖田への呼びかけのニュースが流れていることから、公安本部長に乗客の家族を安心させるためにすぐに爆弾解除をニュースで流すべきだと話す。しかし公安本部長は犯人逮捕のための罠だと言い、ニュースを流し続けると話す。そこへ入って来た上司に倉持は仕事を辞めると話す。理由を問われた倉持は、命を預かる身なのに停車命令を出してしまったと話し部屋を出て行く。

 沖田は空港へ向かう。警察が大勢見張る中、タケダとは別の名前でゲートを潜る。最後にこれまでとは違う新幹線東京運転所へ爆弾の処理方法を電話する。沖田は搭乗口に向かう。しかしそこには警察に連れられて元妻と子供が待っていた。それをみた沖田は搭乗口へ向かわずに引き返す。しかし警察がそれに気づき、沖田を追う。警察に完全に包囲されながらも沖田は逃亡を図り射殺される。

 

 随分と昔に観たような気もするが、全く内容は覚えていなかった。これが面白い面白い。そうか、「一定速度以下になると爆発する」と言うアイデアはこの映画がオリジナルなのか。ちょっと前に観た「スピード」はものがバスだけど同じアイデアだし、このアイデアはこの後世界中で使われたんだねぇ。

 この手の映画で一番問題となる身代金の受け渡し方法もちょっと変わっていてなかなか面白いし。ただ新幹線1500人の命がかかっている割に、警察がすぐに動こうとするのはどうなんだろう。まぁ時代が古いから仕方ないのか、映画である以上次の展開のために仕方ないのか。犯行の動機が、1970年代っぽいのも仕方ないだろうなぁ。

 映画はとにかく豪華俳優陣がスゴい。チョイ役の人でも観たことがある人が多いのだが、wikiを見ても登場人物があまりに多いので探すのに一苦労する(笑 しかもそれぞれに見せ場がキチンとあってカッコ良いし。宇津井健さんが一番カッコ良いと思わせておいて、ラストの健さんもそれ以上に映画的にもカッコ良い。健さんの悪役はあまり観たことないが、このラストがあるなら悪役でも十分だな。

 ただ後半、過去を振り返るシーンなどでちょっと時間を使いすぎたかな。もう少し短く出来たと思うのに。外国でも相当評判の良い映画らしいけど、そちらは短いバージョンだったようだし。