若草物語

●236 若草物語 1949

 マーチ家の4姉妹、富に憧れている長女メグ、男勝りで作家志望の次女ジョー、内気な三女ベス、美に敏感で自惚れ屋の四女エイミー。父は牧師として従軍しており家に不在。マーチ家は父が詐欺師に騙されお金を失い、貧しい生活だが、4姉妹は母と女中とともに楽しく暮らしている。クリスマスの季節、隣家ローレンス家に息子セオドアがやって来て、マーチ家をのぞいていた。彼はローレンス家で気難し屋の祖父と暮らしていた。マーチ家に父からの手紙が届く。それを読んでいると伯母が小遣いを持ってやってくる。小遣いをもらった4姉妹は買い物へ行くが、父からの手紙を読んでもらった後、母へのプレゼントを買いに行く。

 クリスマスの朝、いつもと違う豪華な朝食が用意されていた。喜ぶ姉妹だったが、女中から母が朝から貧しいフンメル家の手伝いに行ったことを聞き、自分たちの朝食をフンメル家へ持って行くことに。家を出た時に、ジョーは隣家の息子セオドアと彼の家庭教師ブルック先生と挨拶をする。帰宅後、庭で雪かきをしていたジョーはセオドアと話し隣家を訪問することに。そこでジョーは祖父ローレンスと知り合う。

 学校で授業中に落書きをしていたエイミーは罰として立たされていた。先生の似顔絵を描いていたのだった。

 4姉妹はローレンス家の舞踏会に招待される。しかしジョーは服を暖炉で焦がしてしまっていた。エイミーとベスは祖父ローレンスと話す。そしてベスはローレンス家のピアノをいつでも弾きに来て良いと言われる。ジョーはセオドアにダンスに誘われ一緒に踊る。セオドアとダンスをしようとした母娘が断られ、マーチ家の悪口を言うのをエイミーとベスは聞いてしまい、ベスは気分を悪くし家に帰ることに。メグはブルックと仲良くなっていた。

 ジョーは小説を書いていた。そこへベスが来て、セオドアが会いに来ていると話し、ピアノを弾くことを許してもらったお礼にローレンス氏にスリッパを作り送ると話す。ジョーはセオドアに会わないように家をこっそりと抜け出て、出版社へ原稿を持ち込む。セオドアはジョーのあとをつけていた。二人は話をする。セオドアはジョーへの気持ちを伝えようとするが、ジョーは逃げてしまう。家に逃げ帰ったジョーは家の門の前でブルックとメグが語り合っているのを見て悲しむ。ジョーはいつまでも皆一緒だと思っていたのだった。そこへベスが帰ってくる。家の中からベスが呼ばれる。ローレンス氏はスリッパのお礼にピアノをマーチ家にプレゼントしてくれたのだった。ベスは一人隣家にお礼を言いに行く。内気な彼女が変わったのだった。

 ある日マーチ家に電報がくる。父の負傷しワシントンで入院したとの知らせだった。母はすぐにワシントンへ行くことに。ジョーは伯母に旅費を借りに行くが、うるさい伯母に辟易したジョーはお金を借りずに伯母の家を出てしまう。マーチ家に伯母が来て旅費を工面してくれる。ローレンス家もブルックが母のお供をすると言ってくれる。母が出かけようとするとジョーが帰ってくる。伯母の家でのことを話し、お金を工面するために髪を切り売ったことを打ち明ける。

 母の代わりにフンメル家の世話をしていたベスが家に帰ってくる。フンメル家の赤ん坊が病気で死んだこと、自分もしょうこう熱にかかったことを話す。医者も熱を下がらないと話し、3姉妹は途方にくれる。しかしセオドアは姉妹の母に連絡し、帰ってくるように伝えてくれていた。ベスは一命を取り留める。母も帰ってくる。そして父も帰って来てマーチ家が全員揃う。

 メグとジョーが話をする。ジョーはメグにブルックへの気持ちは恋ではないから、求婚されても断るようにと言い、メグも頷く。そこへブルックがやって来てメグに愛の告白をするが、メグは拒否する。しかしその場へ伯母がやって来て、二人が親しくしているのを非難し、彼はお金目当てだと話す。それに反論したメグはブルックの愛を受け入れる。二人は結婚することに。結婚式のパーティで一人寂しくしているジョーの元へセオドアがやって来て愛を告白するが、二人はうまくいかないとジョーは断る。

 セオドアの申し出を断ったジョーはニューヨークに行き、作家を目指すことに。下宿先のカーク家で家庭教師をする。そこで外国語のベア教授と知り合い、彼の歌と歌詞に惹かれ、一緒にオペラなどを見に行く仲になる。

 ジョーをエイミーと伯母が訪ねてくる。彼女たちは一緒にヨーロッパ旅行に行く途中だった。エイミーから、ベスの調子が良くないこと、メグが妊娠したこと、セオドアがニューヨークに来ていたことを聞かされる。セオドアが会いに来てくれなかったことでジョーは落ち込む。ベア教授から小説のことを非難されたジョーは泣いてしまい、セオドアのことを話す。教授は自分の心に響かない文章は書かないことをアドバイスされる。ジョーはベスのことが心配なので家に帰ることに。

 家に帰ったジョーは父からベスが不治の病であることを知らされる。一人部屋で泣いていたジョーを元へベスがやって来て自分の病気のことを打ち明ける。

 ジョーは亡くなったベスのことを小説に書き教授へ送る。家にエイミーたちが帰ってくる。エイミーとセオドアは結婚することに。メグが赤ん坊を連れて来て家は賑わっていた。そこへ教授がジョーの原稿を本にしたものを持ってくる。それを知ったジョーは教授に会いに行き、彼の愛を受け止める。

 

 前半、一昔前に日本でもあったようなハートフルな家庭の物語の様相を呈していたので(仲の良い姉妹、隣家の頑固爺さんと仲良くなりピアノをプレゼントされる、など)そんなつもりで見ていたら、後半話が一気に展開して驚いた。

 wikiを見ると原作は4冊の小説で構成されており、どうやらこの映画はそのうちの最初の2冊分を映画化したもののよう。映画の後半は小説の2冊目に当たる部分のようで、前半のマーチ家の紹介、4姉妹のひととなりを紹介したものとは性質が異なるようだ。

 映画としては無駄なカットもなく、時間の経過もうまく見せていて飽きない話だった。4姉妹もキャラがそれぞれ立っており面白い。しかし4姉妹の女優の実年齢は役年齢とちょっとかけ離れており、最初は誰が長女誰が次女?という感じだった。4女のエリザベス・テイラーだけは4姉妹の中で一番下だったようだが、それでも原作の12歳とはどうしても見えない(笑

 前に日本版「若草物語」(浅丘ルリ子吉永小百合)を観たが、オリジナル?であるこちらの作品と同じなのは、4姉妹であることと姉妹のうち二人が同じ男性を好きになる、という設定のみだった。やっぱりね、という感じ。こちらは後半ジョーが主役で、男性(セオドア)への愛情について悩む、というのがテーマだったが、日本版では、浅丘ルリ子が彼の仕事の忙しさから別れて他の男と結婚してしまう、というありがちなストーリーだった。ちょっと時間はかかったが、オリジナルを観ることができて良かった、変な勘違いをするところだった(笑 とつくづく思う。

 

若草物語(字幕版)

若草物語(字幕版)

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