昼下がりの決斗

●242 昼下がりの決斗 1962

 ジャッドがある街にやって来る。その街は祭りの最中で、ラクダと馬の賭けレースが行われ、出店などが出ていた。ジャッドはそこで店を出していたギルと出会う。彼はジャッドが昔保安官をしていた頃の相棒だった。ジャッドは保安官を辞め、金塊輸送の仕事をしていた。彼は助手が必要だとギルを誘う。

 ジャッドは銀行に契約に行く。昔は有名だったとバカにされ、金塊も手紙にあった25万ドルではなく2万ドルだったが、彼は契約を結ぶ。山頂から金塊を街まで運ぶ役割だった。その夜、ギルは若い相棒ヘックをジャッドに紹介し、3人で金塊を運ぶことに。

 3人は山道で農家に宿を頼む。そこはジョシュアの家で、彼は敬虔なキリスト教徒で、娘のエルサと住んでいた。ヘックは彼女を気に入り話をしようとするが、ジョシュアは娘が男と話すのを許さなかった。それでもエルサはヘックの元へ行き、婚約者ビリーが金山にいることを話す。ヘックと話していたことがバレ、エルサはジョシュアに殴られる。

 翌日3人は金山に向かう。途中ギルはジャッドに昔の仲間の話をする。皆死んでいた。そんな時、エルサが彼らを追ってやって来る。ジャッドとギルは帰るように言うが、彼女は結婚をしに金山へ行くと言って聞かなかった。彼らはエルサと共に金山へ向かうことに。

 夜休んでいる時にヘックはエルサを襲う。叫び声を聞きジャッドがヘックを殴る。殴り合いをしようとするが、ジャッドは一発でヘックを倒してしまう。ヘックはジャッドのことを老いぼれだと思っていた。

 4人は金山の街へ着く。そこはならず者の集まりだった。エルサはビリーに会いに行き、その夜結婚式をすることに。牧師がいないため、酒飲みの判事を立会人として式をあげることに。その後結婚パーティも行われるが、エルサはビリーやその兄弟たちにひどく乱暴に取り扱われ、悲鳴をあげる。それを聞いたジャッドたちがエルサを助けに入る。ビリーたちは式は行われたので結婚は有効だと話すが、ジャッドはエルサを連れて帰ると答える。

 翌朝街で法廷が開かれる。その前にビルは酔いどれ判事を脅し、結婚証明書を奪い、結婚を無効なものにする。4人は街を後にし、金山を降りることに。

 帰り道、ジャッドはギルに自尊心の重みについて語る。最近の仕事でそれを失っていたが、今回の件で少し取り戻せたと話す。その夜寝ている最中にギルは金塊を奪い逃げようとする。しかしジャッドが気づいていた。ジャッドはギルとヘックを捕まえ、保安官に渡すつもりだった。

 翌日彼らの前にビリーたちが現れ、エルサを取り戻すと話し、撃ち合いになる。ジャッドはヘックの腕のみ解いてやりが、ギルのことは信用できないと解かなかった。ギルたちはライフルが故障しており、苦戦を強いられる。しかしヘックが自分たちの裏側に廻った敵を倒し、ライフルを手に入れたため、ビリーたちは逃げていく。

 その日の夕方、ギルは3人の元を去り、山中で撃ちあった場所へ戻り、拳銃を手に入れる。3人はエルサの家まで戻ってきた。ジョシュアがお祈りをする姿が見えたため、安心して近くが、すでにジョシュアはビリーたちに殺されており、彼らはジョシュアの家で待ち構えていた。またも撃ち合いとなる。ライフルがある馬の元へ行こうとして、ヘックは撃たれてしまう。彼を助けようとしたジャッドも撃たれてしまう。ピンチを迎えるが、銃を手にしたギルが彼らの助けに入る。そしてビリーたちに決闘を申し込む。ビリー側3人に対し、ジャッドとギルで立ち向かう。3人を倒すが、ジャッドは撃たれ致命傷を負う。ギルは金塊は銀行に届けると話し、ジャッドを安心させる。ジャッドは一人死んで行く。

 

 ちょっと変わった西部劇。サム・ペキンパー監督はゲッタウェイぐらいしか観たことがない。

 金塊運びを元保安官が元助手とするが、元助手は最初から金塊目当てで、何とか元保安官を説得し、金塊を奪おうとする。この辺りが途中までよくわからなかった。ギルが金塊を狙っているのはわかるが、ジャッドを仲間に引き入れられなかったら諦めるのか、それともジャッドを倒してでも金塊を奪うつもりなのか、というところが。これがストーリー上の見せ場なのだろうが、女性エルサの話が出てきてそちらがメインになったかのように思えてしまった。

 ジョン・ウェインの西部劇でも何度か観た気がするが、西部劇の時代は聖書〜宗教が強い力を持っていたことがよくわかる。もちろん今でもそうかもしれないが。監督の狙いは、聖書の話からジャッドの生き方へ結びつけたかったのだろうか?で、ラストのリアルな決闘シーンへ繋げたのか。そう考えると何となく納得はいく。

 ランドルフ・スコットは古い西部劇スターのようだ。そう言えば「馬上の男」で観た人だった。特徴ある顔だものなぁ。