襲われた幌馬車

●245 襲われた幌馬車 1956

 1873年アリゾナ。トッドがライフルで馬上の男を狙い撃ち殺す。トッドはすぐに3人の男に追われることにな理、撃ち合いに。トッドは2人は倒すが、残ったハーパー保安官に捕まってしまう。トッドを連れたハーパーはノーマンド大佐率いる幌馬車隊と遭遇、西部に不慣れな大佐たちのためにハーパーは一緒に行動することに。

 しかしハーパーのトッドに対する扱いが酷く、幌馬車隊にいたジェニーがハーパーのやり方を非難する。ハーパーは兄弟3人をトッドに殺されたこと、トッドは白人だがコマンチ族に育てられ中身はコマンチ族であること、を皆に話す。

 食事の時間になり、ジェニーの弟ビリーがトッドに食事を与える。それを見たハーパーは銃でビリーを脅す。その態度に怒ったノーマンド大佐がハーパーに忠告、トッドに食事を与えることに。一連の騒動を見ていた大佐の娘バリンダはジェニーの行動にケチをつけるが、その妹ジョリーにたしなめられる。するとバリンダは先住民の母を持つ義妹ジョリーに対しても文句を言うが、それを見た父ノーマンド大佐に叱られる。

 手錠で馬車に括り付けられていたトッドにビリーが話しかける。それを見ていたクリントはトッドにタバコを吸わせてやるが、ハーパーがそれを見て激怒しクリントを殴り倒す。皆が騒ぎに気づきハーパーに詰め寄る。その時駆けつけた男が落とした斧を拾ったトッドは斧をハーパーに投げつけ殺してしまう。

 その夜、ビリーがトッドにクッキーを持ってきて話をする。その時声がしてビリーが様子を見に行くと、リッジがバリンダを川遊びに誘いにきていた。バリンダは誘いを断るが、その妹ジョリーが行くことに。しかし結果的にはバリンダもビリーも川遊びに行くことに。しばらくしてビリーがいないことに気づいたジェニーがトッドのところへ来る。トッドは彼らが川遊びに行ったことを話すと、ジェニーと見張り番だったクリントが一緒に川へビリーを連れ戻しに行くことに。

 ビリーたちを見つけたジェニーだったがビリーが川に流され溺れそうになる。何とかビリーを助け、夜が明ける前に皆のところへ戻ることに。しかし馬車に戻ると馬車は焼かれ、皆殺されていた。ビリーは崖の下に馬車が転落していること、そこにトッドがいることに気づき助けに行く。そして車輪に繋がれたトッドを車輪ごと崖の下から引き上げることに成功する。トッドはアパッチ族が馬車を襲ったことと話す。トッドは車輪を壊し自由になれるよう頼むが、リッジやクリントがそれに反対する。しかしアパッチ族の居住地から無事に逃げ延びるためには自分の知恵が必要だと話し、トッドは自由の身になる。クリントたちは亡くなった家族の埋葬をしようと提案するが、それはアパッチ族に見つかるとトッドが説明する。トッドはジェニーとビリーの2人だけを連れて行こうとするが、他の人間も一緒に行くことになる。

 トッドはアパッチ族の様子を探りに行く。大勢のアパッチが集まっていることがわかる。2日後にはアパッチが動き出すのでそれまでの間に西に向けて移動することが賢明だと判断。途中食料を調達しながら西へ進む。

 ある時動物を捕獲しようとしているビリーがアパッチ族に襲われそうになり、トッドがそれを助ける。同じ頃バリンダがガラガラヘビに襲われ噛み付かれてしまう。トッドたちが手当てをするが、リッジは蛇を探し出し、拳銃で撃ち殺す。しかしその銃声でアパッチ族に居場所がバレてしまう。2人のアパッチを見かけたトッドは彼らを呼び寄せ、ナイフでの決闘をし何とか2人を倒す。

 夜バリンダが目を覚まし、ジェニーは彼女に多くの水を飲ませる。バリンダは皆で飲む水が豊富でなかったことに気づき、尋ねる。ジェニーはトッドやジョリーがバリンダのために水を飲んでいないことを話す。そこへ来たビリーも自分の水を差し出す。皆の気持ちに気づいたバリンダは涙を流す。偵察に行っていたトッドはアパッチ300人がいることを皆に報告するが、リッジはそれが軍隊で軍に見つかれば逮捕されるため、トッドが嘘を言っているのではと疑う。トッドは自分が高台で見張りアパッチが来たら知らせるので逃げろと話す。一人見張っていたトッドの元へジェニーがやって来て話をする。そして二人はキスをし、一緒に夜を明かす。

 翌朝トッドは8人の軍隊がやって来るのを発見、合図を送り呼び寄せる。軍はトッドを探していたが、ビリーがトッドのことを自分の父だと説明する。トッドは軍にアパッチが待ち伏せしているので、本隊に戻るように言うが、本隊はおらず彼らは弾薬を輸送中で全部で16名しかいなかった。トッドたちは軍と一緒に移動を開始するが、アパッチ族に取り囲まれてしまう。トッドは軍に戦い方を提案、軍も受け入れるが、その間にトッドが殺人犯であることがバレてしまう。トッドは弾薬を積んだ馬車を壁にし、アパッチが襲って来た瞬間に馬車を爆破させ、その間に逃げることに。

 軍とともに皆は司令部に戻る。そこでトッドの裁判が行われ、トッドはハーパー兄弟たちに妻と子供を殺されたことを話すが、裁判官を務める将軍は私的な復讐は認められていないと話す。しかしジェニーがトッドのおかげで軍を含め皆が助かった、と話し始め、他の皆もトッドの援護をする。それを聞いた将軍はトッドを保護観察をする判決を言い渡す。

 

 これまたタイトルも知らなかった映画だが、とても面白かった。

 冒頭から遠くからのライフルでの射殺、その後もトッドが3人の男を殺すところから始まる。冒頭ではトッドの名前も事情もわからないままに3人を殺す。で保安官に逮捕されるが、この保安官の態度がまたすこぶる悪い。時代劇で言うところの悪代官みたいな顔をしている(笑 でこの二人が幌馬車隊と遭遇、しかしこれが西部劇には不似合いな女子供が多い馬車隊。しかもどうやら宗教を重んじている人たち。で案の定、さっきまで3人殺していたトッドの味方をするような女性が現れる。あーそんな展開なんだ、と思っているとトッドが皆の前で4人目の殺人を犯す。ひゃーって感じ。

 ここまででも十分面白いし、この後どう話が展開するんだ?と思っていると、なぜか夜中に若者たちが川遊びに出かけてしまう。何じゃこりゃと思っていると、子供が川に流されパニックに。しかしすぐに助けられホッとするが、馬車に戻ると皆殺しの状態。しかもトッド一人だけが生き残っている。そりゃ怪しいことこの上ない(笑

 でトッドのコマンチとしての知恵を頼りながら進んでいくことになる。もう話の展開が全然読めず、この映画はどう決着させるのよ、と思って見ていたら…

 

 まさに予想外の展開の連続で飽きさせない。しかもラストも悲劇ではなくハッピーエンドで終わる。よく出来た映画。リチャード・ウィドマークの名前は聞き覚えがあったので調べたら、「悪の花園」「ワーロック」「アラモ」と3本もこの人が主役や準主役の映画を見てるじゃん。でも今回の映画が一番記憶に残るな、きっと。

 

 

襲われた幌馬車 [DVD]

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  • 発売日: 2013/04/18
  • メディア: DVD