長靴をはいた猫 80日間世界一周

●258 長靴をはいた猫 80日間世界一周 1976

 例によってペロはネズミを助けたことで死刑を宣告され、殺し屋猫3匹に追われている。

 ペロはレストランで給仕をしていた。その店の客グルーモン卿が訪れ専用テーブルに着席、ペロが対応する。店に来ていた市長がグルーモンに、スエズ運河が開通、それにより世界一周が150日間でできる、という新聞記事を紹介するが、グルーモンはそれは嘘だと認めない。それを聞いたペロは自分なら80日で世界一周ができる、と話す。それを聞いたグルーモンは、80日間で世界一周ができるかどうかに全財産を賭けることに。できなければペロは一生グルーモンの奴隷として働くことに。

 ペロはレストランのコックのカーターとネズミ親子とともに世界一周の旅に出る。スペインで闘牛をし、ピサの斜塔を観て、ベネチアで船に乗り、パルテノン神殿を見学、そしてスエズ運河へ。殺し屋猫たちの妨害も受けたこともあり、ここまでで予定の倍の時間がかかっていた。

 そしてアフリカの砂漠を横断、途中水を求めて井戸に立ち寄るとそこは爆弾で爆発させられる。ペロたちを追いかけていた殺し屋猫たちにドリルがついたマシンがなぜかプレゼントされ、彼らはそれでペロたちを襲う。砂漠の街でカーチェイス、殺し屋猫たちのドリルマシンは大破するが、今度は気球がプレゼントされる。

 ペロたちは自分たちのマシンも故障、それを修理。またも予定が遅れる。なんとか先を進むペロたちを気球に乗った殺し屋猫たちが襲うが、ペロたちは気球を奪い先に進み、インドへ到着。

 ここから先、インド洋は海が荒れるので、ペロたちは潜水艇を作成する。その時、ネズミの子供が行方不明になったと親ネズミから知らせが入る。ペロが探しに行くが、謎の紳士が子ネズミを連れて来てくれる。紳士は潜水艇の話を聞いて去って行く。紳士はグルーモンに雇われたガリガリ博士だった。

 ペロたちは潜水艇で先に進むが、今度は魚型ロボットに襲われる。それは例の紳士が操縦していた。そしてペロたちの潜水艇は魚型ロボットに捕まってしまう。しかし子ネズミがロボットに乗っている殺し屋猫たちをからかい、ロボットが暴走している隙に、潜水艇はロボットから脱出に成功し、ロボットから逃げる。

 ペロたちはミシシッピ川に到着。そこで悪漢に襲われる女性スザンナを助ける。スザンナは無理やり結婚させられそうになっていた。ペロはスザンナと話をしているうちにスザンナに薬を飲まされ3日間寝込んでしまい、予定から大幅に遅れてしまう。

 ペロたちは遅れを取り戻すため、北回りのコースを取ることに。ソリで順調に進んでいたが、今度はマンモス型ロボットに襲われる。しかもエスキモーの子供も巻き込んでしまう。しかしペロの機転で氷を割ってロボットを沈ませることに成功。

 ペロたちはロボットの残骸で飛行機を作成するが、子ネズミが高熱を出して寝込んでしまう。親ネズミは自分たちを置いて先に行ってくれと話すが、ペロは皆で一緒に行こうと言う。そこへエスキモーの親が来て薬をくれる。また嵐がやってくるので急いだ方が良いと話す。薬を飲んだ子ネズミが全快し皆でゴールを目指す。

 しかし空の旅でもガリガリ博士の飛行機が邪魔をする。それでもなんとかペロたちはゴールの街に到着。約束のゴールである時計塔を目指すが、そこにはグルーモンが待っていた。グルーモンは時計塔に登る通路を塞いで妨害していた。ペロたちは時計塔の隣の塔から登ることに。それに気づいたグルーモンが最後まで邪魔をする。そこに殺し屋猫たちも加わり、塔での大乱闘が始まる。最後には街の住民たちも気づき、グルーモンを非難するが、グルーモンは最後まで諦めない。しかしカーターやネズミ親子の助けもあり、ペロは時間までに時計塔に到達。賭けはペロの勝ちとなる。

 ペロは賭けで勝った金を市に寄付、グルーモンはレストランで給仕をすることに。ペロはまた一人旅に出ることに。

 

 長靴をはいた猫3作目。80日間世界一周をモチーフにしているが、原作とはほぼ関係なく話は進む。陸海空での追いかけっこがウリなのか、車や潜水艇、飛行機での追いかけっこがアクションシーンのメイン。でまたもラストは塔での大乱闘。ここでも第1作と同様、時計塔の内部でのシーンがあり、「カリオストロ」と思わせるシーンもあった。

f:id:zanole:20200629143435p:plain

 話は80日間世界一周が元になっているが、話の展開は基本的に第1作と同じようにクライマックスが塔でのバトルとなるため、新鮮味にはかけるかな。

 登場人物も殺し屋猫、ネズミの親子など、これまでのシリーズと同じ。サブキャラとしてカーターというコックのカバがいるが、第1作のペイール、第2作のシミーのようなペロの相棒といったところ。

 ひとつ笑ったのは、途中ペロを騙す女性猫スザンナが出てくるが、その声優が増山江威子さんであること。だって不二子ちゃんだもの、そりゃ男を騙すでしょ(笑