シェナンドー河

●263 シェナンドー河 1965

 南北戦争時代、バージニア州に住むチャーリーは妻を16年前に亡くし、6人の息子、1人の娘、息子の嫁と暮らしていた。戦争は家の近くまで及んでいたが、チャーリーは我が家は戦争とは関係しないと宣言していた。

 娘ジェニーは南軍に出征するサムから告白される。

 ある日家に南軍のジョンソンが息子たちを徴発しにくる。しかしチャーリーは州には何もしてもらわず自分たちだけでやってきたと言い、拒否する。ジョンソンたちは帰るが、家のそばで北軍にみな撃ち殺されてしまう。

 夜サムがジェニーとの結婚を申し込みにやってくる。チャーリーはサムの申し出を受け入れる。

 家に北軍が馬を買いにやってくるが、チャーリーは売るつもりはないと断る。そして北軍の連中とチャーリー一家は殴り合いになる。北軍の男が銃を取り出すと、ジェニーがライフルを撃ち、北軍を追い返す。

 サムとジェニーの結婚式が行われる。しかしその場に兵が来てサムに召集がかかる。その夜ジェームスの嫁アンが女の子を出産、チャーリーの亡くなった妻の名マーサと名付ける。

 末っ子ボーイが黒人の友人ガブリエルと狩りに行くが、そこで南軍の兵士たちを見かける。そしてその場で北軍と南軍の戦いが始まる。慌てて隠れる二人だったが、南軍に捕まってしまう。ガブリエルはその場で解放されるが、ボーイは南軍の帽子を被っていたため捕虜として連行される。

 ガブリエルから知らせを受けたチャーリーはボーイを探すが見つからなかった。家にジェームスとアンを残し、他の息子たちとボーイを探しに行く。

 北軍の基地に行き、責任者に会い事情を説明するが、捕虜は多くここにはいない、アイビーグレンから列車輸送される、と聞かされる。チャーリーたちはアイビーグレンに行くが、そこの責任者はボーイを探してはくれず、列車を出発させる。チャーリーは線路で火を起こし列車を止め、責任者たちの銃を取り上げ、捕虜たちを解放する。しかしボーイは見つからず、捕虜だったサムが見つかる。

 ボーイはその頃、船で輸送されそうになっていた。収容所で出会った仲間に船に乗り込む際に脱走する計画を持ちかけられる。そして船に乗り込む際に騒ぎを起こし、なんとか船から脱走する。そして南軍の野営地にたどり着く。そこで一夜を明かすが、翌朝北軍と戦うことになる。ボーイも銃を持ち戦闘に参加する。圧倒的な不利の中、ボーイも前線に突撃するが脚を撃たれてしまう。そして敵兵に刺し殺されそうになるが、その相手はあのガブリエルだった。彼は怪我しているボーイを草むらまで避難させてくれる。

 その頃家で留守番をしていたジェームスを男が訪ねてくる。話しかけてくる男に対応していたジェームスはいきなり刺されてしまう。男たちは家をあさりアンのことも見つける。

 チャーリーたちはボーイが見つからず、家に戻ることを決意する。家への帰る途中、南軍の生き残り部隊と出会い、ジェイコブがいきなり少年兵に撃たれてしまう。チャーリーは少年兵の歳を聞き、ボーイと同じ16歳だと知る。そして少年兵を許し、いつか子供を作りその時に私の心境を想像しろ、もし子供を殺されたら私のことを思い出せ、と話す。

 チャーリーたちは家に帰る。そこにいた医師にジェームスとアンが死んだことを聞かされる。チャーリーは亡くなった妻の墓に話しかける。そして教会に礼拝に行く。そこに負傷したボーイが帰って来て久しぶりの対面となる。

 

 全くタイトルも知らない映画だったが、これは良作。見事な反戦映画。

 頑なに戦争への参加を拒否する主人公ジェームズ・ステュアートがカッコ良い。途中娘の夫となるサムへ話す「女について」もシビれる(笑 一番の見せ場は最後にジェイコブを撃たれた後の少年兵へのセリフ。西部劇?で泣かされるとは思わなかった。

 ジェームズ・ステュアートはここのところヒッチコック作品「めまい」「知りすぎていた男」を連打で見たので、そのイメージが強かったが、この作品を見てwikiにある「アメリカの良心」と呼ばれる理由がわかった気がする。

 キャサリン・ロス(「卒業」のミセスロビンソン」)のデビュー作らしいが、これまた全くイメージが異なる役どころでビックリ。

 しかし良い作品だった。あまりその手の評価がされていないのは何故なんだろう?