ニノチカ

●264 ニノチカ 1939

 第二次世界大戦前夜、ソ連貿易省の役人3人がパリにやってくる。彼らの目的は宝石の売買だった。ホテルのロシア人従業員がそれを知り、宝石の元の持ち主であるスワナ大公女に知らせる。彼女は弁護士に宝石を取り戻す相談をするが、上手くいかないと言われてしまう。彼女の恋人であるレオン伯爵が役人3人と交渉、持ち主がどちらであるか裁判所の判断を仰ぐことに。レオンは3人と酒を飲み仲良くなり、ソ連への報告書も作成してあげることに。

 ソ連から3人に特命全権公使が来ると連絡が入る。彼らは駅に公使を迎えに行くと、公使はニノチカという女性だった。彼女は早速対策を考え始める。そしてパリの街を視察に行く。そこで偶然レオンと出会う。レオンはエッフェル塔を案内し、その後自分の家へニノチカを誘う。資本主義国について知りたい彼女は彼の誘いに乗り家へ行く/レオンはニノチカ口説きキスをする。そこへ電話が入り、二人はお互いが宝石売買での敵同士であることに気づき、ニノチカは家を去る。

 翌日ニノチカはタクシー運転手に聞き、労働者向けのレストランへ向かう。レオンが跡をつけ同席する。レオンはニノチカを口説こうとするが、彼女は笑わなかった。しかしレオンが椅子から転げ落ちると大笑いする。

 ホテルに帰ったニノチカは仕事の相談中に思い出し笑いをして皆を驚かせる。そして裁判を待つことを承諾する。そしてレオンの家へ行き、大公女の写真を見る。二人はレストランへ。店には大公女も来ており、彼女は二人の席に来て、レオンとの仲の良さを見せつける。それを見たニノチカシャンパンを飲み酔ってしまう。二人はニノチカのホテルに戻る。ニノチカは酔って宝石が入っている金庫を開けてレオンに宝石を見せる。

 翌日大公女がニノチカのホテルの部屋にやって来て宝石を取り戻したことを見せる。ニノチカは裁判のことを話すが、大公女は長引けば2年はかかると答え、もしニノチカソ連が今日中に帰るならば宝石は返すと話す。

 大公女は家に戻る。そこにいたレオンから恋をしていると聞かされるが、彼女はニノチカは国に帰ったと話す。レオンはソ連へ行こうとするが、個人的理由ではビザが降りなかった。

 国に戻ったニノチカは役人3人とパリのことを思い出しつつ酒を飲む。そこへレオンからの手紙が来て彼女は喜ぶが、手紙は検閲され黒く塗りつぶされていた。

 ニノチカは元の仕事に戻っていた。上司から例の役人3人をトルコに派遣したが仕事もせず遊んでいると聞かされる。そしてニノチカにトルコへ行き確認するようにと命令が下る。外国へ行くことを拒否するニノチカだったが、上司の命令は絶対だった。

 トルコへ行ったニノチカを3人が迎える。3人を叱るニノチカだったが、彼らは自分の店をトルコに持つ話をし始める。そしてそこにはレオンが現れ、ニノチカに語り始める。

 

 初めて伝説の女優グレタ・ガルボの映画を観た。クールで有名な女優で、この映画ではその彼女が笑ったシーンがあることが映画のコピーになるほど。

 映画はまるでコントを見るようだった。クールな女性をテーマとした見事なコント。ニノチカが資本主義に触れるシーンの可笑しさ、レオンに口説かれるシーンでの会話の可笑しさ。そして場末のレストランでいよいよ大笑いするニノチカ。それまで一切笑みさえ見せなかったニノチカの変わりよう。全く別人に見える凄さ。初めて観るガルボがこの映画で良かったのだろうか?

 役人3人のシーンも可笑しさ満載。本当に上質なコントを観ている感じ。このブログで戦前の映画を何本か観ているが、どれも面白い。むしろこのころの映画の方が、脚本勝負が大きいので、やっぱり面白い作品が多いのかと思えてしまう。いやぁ楽しい一本だった。

 

 

ニノチカ(字幕版)

ニノチカ(字幕版)

  • メディア: Prime Video