鬼平犯科帳 第6シリーズ #06 はさみ撃ち

第6シリーズ #06 はさみ撃ち

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 猿皮の小兵衛は広島から中国筋、九州長崎博多を荒らしまくった大盗賊。祭りの日、壺屋の蔵から金が盗まれた。通りを挟んだ家から道の下に抜け穴を掘り、蔵の金を盗んだのだ。小兵衛の盗人宿を預かっていた小兵衛の配下弥次郎は店をたたみ去っていった。

 猿皮の小兵衛はこれまでのお勤めで一度も殺さず、傷つけず、一度もお縄にもかかっていない。その小兵衛は江戸本郷に萬年屋を営んでいた。小兵衛は京都で手をつけた女おもんを女房としていたが、おもんは萬年屋に来る貸本屋友蔵とデキていた。しかし小兵衛は二人の仲に気づいていた。

 友蔵とおもんは茶屋で密会をしていた。友蔵はもっと会いたいと言い、夜中におもんの寝間に忍んで行くと話す。おもんが帰った後、友蔵は大亀の七之助と会う。そして萬年屋へ盗みに入る打ち合わせをする。

 友蔵がおもんの寝間にやって来る。友蔵は夜更けに萬年屋の屋敷内の様子を探っていたが、小兵衛はしっかりと見抜いていた。小兵衛は弥次郎に友蔵のことを打ち明ける。

 彦十は両国で七之助に出会い、助け働の5人を紹介してくれと頼まれたことを鬼平に報告するが、七之助はどこを襲うのかは話さなかった。鬼平は5人を鬼平、酒井、沢田、忠吾、伊三次の5人とするように彦十に話す。

 友蔵はおもんのところへ通う。小兵衛は弥次郎に友蔵は同業だと話し、二人のことを全て打ち明け、仕掛けをしようと提案する。弥次郎はそれはいいがもし殺されでもしたらと心配するが、小兵衛はもう十分歳をとったと話す。

 鬼平たちは七之助と顔合わせをする。友蔵はそれを裏から見ていた。それでも七之助はまだ襲う店は明かさなかった。5人は明後日同じ店に集まるように言う。

 七之助は友蔵と萬年屋を襲うときの打ち合わせをし、おもんも殺すと言われる。

 鬼平は襲う店がわからないので、5人で何とかするしかないと話す。

 そして盗み決行の日、友蔵はおもんの部屋で黒装束に着替え、おもんを縛り上げる。5人は店の外で待機していたが、玄関を開けようとした友蔵は、小兵衛と弥次郎の目潰し玉に目をやられ、木片を投げられ、店の外へ逃げ出してしまう。七之助は引き上げようとするが、鬼平は二人を捕まえる。皆が二人を連行すると、萬年屋の扉はそっと閉まる。

 役宅に弥次郎が呼ばれ、目潰し玉について聞かれ答える。鬼平は小兵衛と話し、おもんを許してやれと言い渡す。小兵衛もとぼけて答える。

 小兵衛と弥次郎が帰ったあと、鬼平は酒井に小兵衛はかなりの盗賊だと話す。酒井が捕らえようと動こうとするが、鬼平はほっておけと言い、あれが大盗賊だと語る。

 

 盗賊の家に盗賊が盗みに入る、というパターンはさすがに初めてだろう。年寄りの妻となった女の密会話かと思いきや、その後の展開はいかにも鬼平らしい話。

 酒井や沢田、忠吾までが盗賊の一味となるパターンも初めてか。この3人の黒装束姿は第5シリーズ初期の頃のコスプレを思い出させてくれる(笑

 初めてといえば、冒頭九州での小兵衛一味の仕事が描かれ、調べに入る役人が博多弁で話しており、鬼平の中で博多弁が話されるのも初めてだろう。

 一番の見所は、中村嘉葎雄さん。歌舞伎役者として、TVドラマ俳優として、吉右衛門さんの先輩に当たる。いやぁ良い味を出していた。さすがの鬼平も盗賊とはいえ、大盗賊と褒めないわけにはいかなかったでしょう(笑