狐火ノ杜 居眠り磐音江戸双紙 佐伯泰英

●狐火ノ杜 居眠り磐音江戸双紙 佐伯泰英

 磐音シリーズ第7作。季節は秋。前作に続き、磐音と今津屋との関わりで起こる事件が中心。お艶との絡みでの慰労での海晏寺紅葉狩り、第4作金沢で知り合った鶴吉が三味芳の息子と判明し江戸を出た真相と賭博船事件、中川淳庵との行徳同道、湯屋六間湯二階用心棒から深川櫓下妓家事件、王子稲荷狐火おこん勾引かし。

 前作に引き続き、磐音が品川海晏寺、行徳、王子と出かけていく話が多い。

 また、今津屋のおこんがキーとなる話も多くなってきた。第1話と5話で、おこんが悪漢に狙われる。1話では未遂に終わるが、5話ではとうとうさらわれてしまい、皆で探すことになるが、その結末は狐が関わってくるいかにも江戸時代的な終わり方となっている。おこんと磐音との関係も変化していきそうな感じ。

 これまでの登場人物が話の中心になってくる(鶴吉、中川淳庵)のも楽しいし、磐音が今津屋の老分番頭由蔵と冗談を言い合ったり、小言を言われたりする仲担っているのも楽しい。

 ここまで来るともう止まらないなぁ(笑